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津田大介、ソニーはなぜリモコンに電子ペーパーを?

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NIKKEI STYLE

ツイッターの伝道師」「金髪のジャーナリスト」として知られるジャーナリスト津田大介氏。実は"大のガジェット好き"でもある津田氏が今回取り上げたのは、ソニーが開発した学習リモコン「HUIS REMOTE CONTROLLER」。前回から引き続き「HUIS REMOTE CONTROLLER」を開発した新規事業創出部HUIS事業室統括課長の八木隆典氏に、津田氏が一番聞きたかった電子ペーパーを採用した理由に迫ります。

テーブルの上に立てて置く存在感

自分の使いたい機能をカスタマイズできるソニーの新しい学習リモコン「HUIS REMOTE CONTROLLER」は、そのデザインもこれまでのリモコンと大きく異なる。ボタンがないだけでなく、スマートフォン(スマホ)のようなサイズで持ちやすい。本体は白色で、パッケージにもこだわりが感じられる上、箱から取り出しテーブルの上に立てると、独特な存在感がある。この、置いた時に立つというのも、これまでのリモコンにはない大きな特徴だ。

八木隆典氏(以下、八木) リモコンって、家の中のテーブルの真ん中の、一番良い場所を占領してしまいますよね。なので普段はできるだけ主張しないモノになっていることが多いです。そうした付属リモコンが立っていても、あんまりウレシクないですよね(笑)。

でもHUISは、自分でこだわってカスタマイズしたものなので、自然にその場にあって違和感がない。立って自分の方を向いていると、自分に合わせて作った一種の満足感もある。今までのリモコンとはちがう……そんな印象も込めてデザインしたスタイルです。

立っている姿は、ある種、フォトスタンドのようにも見える。将来、アプリでカスタマイズして、お気に入りの写真を表示したり、日めくりカレンダーみたいな使い方もできるのではないだろうか。写真なら、横置きができれば、さらに使い方に幅がでる。そうしたニーズもありそうだ。

八木 開発現場では、この画面に名言集を表示したりもしていました。横置き用の台を3Dプリンターとかで作れると良いですね。背景の変更もできるようにしたいと考えていますし、リモコンは、横に遷移して30個まで登録できますので、日めくりも30日分なら可能かもしれませんが……(笑)。

電子ペーパーを採用した理由

ディスプレーに電子ペーパーを採用しているので、そうした使い方も面白そうだ。バッテリーが長持ちするというメリットもある。実は、今回一番知りたいのが、電子ペーパーを使うメリットだ。なぜ、電子ペーパーを採用したのだろうか。

八木 一番の理由は、消費電力が少ないことです。

そもそもリモコンで一番重要なのは、すぐ使えること。前の日に使った状態のまま、寝て起きた時も同じ状態でないと困ります。なのでディスプレーは表示したままにしたい。そこで、電力消費の少ない電子ペーパーを採用しました。

たしかに、ボタン型のリモコンは、朝起きてボタンが消えていたりはしない(笑)。

八木 こういう製品はスマホでも実現できますが、ただひとつちがうのは、スマホの場合、ポケットから取り出し電源を押して、LINEの通知とかがきていたりロックを解除して、リモコンアプリを起動しそれからボタンを押すといったことをしていると、簡単に10秒とか、時間がたってしまうことです。

一方、普通のリモコンは、持ってピッとボタンを押して終わり。それ自体のアクションが短いので、スマホの予備動作が煩わしく感じます。毎日使うものをもっと効率よくしたいのに、時間的には普通のリモコンより退化してはよろしくない。そこで、今までのリモコンと同じ感覚ですぐ使えるようにするための電子ペーパーです。使用状態にもよりますが、フル充電で1カ月程度は使えます。自分でも、今2カ月ぐらい自宅で使い続けていますが、充電は1回ぐらいしかしていません。

赤外線と無線をつなぐIoTデバイスとしても

電子ペーパーは表示し続けることが得意。電子書籍リーダーや、デジタルペーパーなど、かねてより電子ペーパー技術を使った製品を発売してきたソニーのノウハウも活用されているのだろうか。

八木 電子ペーパーを扱う部署の方などにも相談しました。中でもレスポンスには苦労しました。最初は遅かったのですが、電子ペーパーを扱うソフトの書き方を工夫したりして、ストレスなく画面遷移できるようになりました。あと、電子ペーパーの特徴ですが、前の画面が薄く残ります。それをきれいに見せるのも難しかったですね。

電子ペーパーの課題としては、バックライトがないこと。暗い環境での操作をどうするか。個人的には、リモコン画面をみなくても操作できるようにカスタマイズして、触りやすい場所に電源を置くといった使い方をしていますが、今後は、光るアクセサリーをつけるとか、パソコンでカスタマイズする時に、ジェスチャーで操作できるようにするなど、いろいろ検討中です。

バックライトがなくても、たとえば専用のクレードルを作ってそこに照明をつけるという方法もある。そのクレードルで充電できたり、LAN機能を持たせれば、IoT(Internet of Things)デバイスとして使えたりする拡張性もでてくるのではないだろうか。

八木 もちろん、カスタマイズということだけでなく、モノとしても拡張していきたいと思っています。これ自体に、Bluetooth Low Energyのチップを内蔵しています。現時点ではまだ使えるようにはなっていませんが、この先、IoTデバイスとしてつながる可能性を考慮して設計しています。今後の世の中は、Wi-FiやBluetoothなど、無線でつながっていくと思いますが、現状ではまだ多くの家電が赤外線で操作されています。そうした現状をしっかりカバーした上で、レガシーとしての赤外線と無線をつなぐようなデバイスになれれば。単なる学習リモコンではなく、統合リモコンとしての進化を思い描いて開発しています。

●今回のまとめ●

実際に「HUIS REMOTE CONTROLLER」に触ってみた第一印象は、地に足がついた製品だということ。過去にもいくつか学習リモコンを試してきたが、その中で最も完成度が高い。レスポンスもKindle並みで、思っていたより早い。それに、Bluetoothを入れてIoTデバイスとしての将来を見据えているのも面白い。今後、カスタマイズアプリが出てきたり、ハードウェア的に遊ぶためのAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース )が公開されたら、ますます様々な目的で使えそうだ。

邪魔にならない縦置きのデザインや電子ペーパーのディスプレーもユニーク。「学習リモコンをアップデートする」という強い意志とソニーのDNAを持っている製品なのだと思う。とはいえ、実際に買うかどうかは、使ってみてから考えたい。次回は、実際に実機を借りて使ってみた感想をお届けしよう。

(編集協力 波多野絵理)

津田大介(つだ・だいすけ)
 ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。「ポリタス」編集長。1973年東京都生まれ。早稲田大学社会科学部卒。大阪経済大学客員教授。京都造形芸術大学客員教授。テレ朝チャンネル2「津田大介 日本にプラス+」キャスター。フジテレビ「みんなのニュース」ネットナビゲーター。一般社団法人インターネットユーザー協会(MIAU)代表理事。株式会社ナターシャCo-Founder。メディア、ジャーナリズム、IT・ネットサービス、コンテンツビジネス、著作権問題などを専門分野に執筆活動を行う。ソーシャルメディアを利用した新しいジャーナリズムをさまざまな形で実践。主な著書に『ウェブで政治を動かす!』(朝日新書)、『動員の革命』(中公新書ラクレ)、『情報の呼吸法』(朝日出版社)、『Twitter社会論』(洋泉社新書)、『未来型サバイバル音楽論』(中公新書ラクレ)ほか。2011年9月より週刊有料メールマガジン「メディアの現場」を配信中。

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