ドレス顔レザースニーカー続々!買いは“走れる革靴”

ビジネススタイルの核となるのはスーツだが、スーツと同様に気を配りたいのが靴とカバン。とりわけ靴は機動力に直結し、通勤や外回りの快適性を左右する重要アイテム。そこで今回は、この春注目のビジネスシューズを紹介する。トレンドに敏感で、オシャレに気を遣う30代のビジネスパーソンにマッチする靴をピックアップした。

ドレス靴のようなエレガントさを備える

ビジネスシーンで履く靴は、レザーシューズが大前提。スーツ着用であれば言うまでもなく、ややカジュアルなジャケパンスタイルにおいても革靴を履くのがビジネスマナーといえる。

現在の革靴選びは二極化傾向にある。ひとつは高級ブランドのドレスシューズ。もう一方は価格も手ごろなゴム底シューズ。それぞれにメリット・デメリットがあるため、一概にどちらが優れているとは言えないが、要は靴にお金をかけるかどうかの話に集約されてしまう。

そんな中、両者の間を抜けるように、ここ数年で頭角を現してきたのがレザースニーカーだ。

レザースニーカーは、革製のアッパーとスニーカーソールを組み合わせたもので、軽量で歩きやすいことが最大の魅力。履き心地が快適なため、一般的な革靴よりも疲れにくくストレスが少ない。しかし社内でのデスクワークならまだしも、得意先と会うのにスニーカーというわけにはいかない。今までのレザースニーカーは、スニーカー然としたフォルムで作られていたため、ビジネスには不向きとされていた。

快適な履き心地の軽量ソールを搭載しながら、ドレス靴を思わせるエレガントな見た目のシューズがあれば……。最近、そんなニーズに対応する革靴寄りのレザースニーカーが続々登場している。ドレスアッパー×スニーカーソールで仕立てているため、上品なデザインでスーツスタイルにも違和感なく合わせることができる。そして巷(ちまた)に出回っているゴム底のレザーシューズよりも断然軽く、ソールが柔らかいので歩きやすい。実際、走れるほどクッション性が高いのだ。

そこで新世代レザースニーカーを発売している注目の3ブランドを紹介する。いずれもレザースニーカーに力を入れているブランドだけに、機能面もデザイン面もクオリティが非常に高い。これらの細部を見ていくことで、今買うべきシューズの条件が見えてくるはずだ。

新世代レザースニーカーの先駆者的存在「コール ハーン」

ウイングチップタイプの「ゼログランド ウィング オックスフォード」(4万8600円)。ブローグシューズのアッパーを採用した、オンでも履けるドレス顔のレザースニーカー。フォルムなどは革靴そのもので、一見スニーカーソールを採用しているとは思えない上品な佇まい。本モデルのほか、バリエーション豊富にレザースニーカーを展開しているのもコール ハーンの魅力だ

オンでも履けるレザースニーカーのパイオニアは、アメリカ発ブランドのコール ハーン。1928年に誕生したコール ハーンは、50年代にアイビー&プレッピースタイルの流行とともにブレイクし、アメリカントラッドを代表するシューズブランドへと成長。現在はシューズを中心に、バッグやアウター、アクセサリーを展開するライフスタイルブランドとして人気を博す。

マイルストーンは2012年、ナイキのルナロンソールを搭載した「ルナグランド」を発売したことで大ブレイク。クラシックなレザーアッパーの靴に、ナイキの高機能ランニングソールを組み合わせたシューズは、普段はスニーカーを愛用しているアパレル関係者やクリエイターたちの間で話題となり、革新的なレザーシューズを展開するブランドとしても知名度を上げた。

その後、重量・構造・動作のすべてを見直し、より軽量でしなやかな履き心地の「ゼログランド」を発売。独自の最新テクノロジーを採用しながら、エレガントなデザインを継承しているため、ビジネスユースにもしっかり対応。軽量かつ屈曲するソールユニットで、“走れる革靴”とも言えるほど快適なシューズとなっている。

ゼログランドの心臓部でもある「グランド.OS」は、優れたクッション性と屈曲性、軽量化を実現させたオペレーティグシステム
人間の足の動きに対応する強度と屈曲性を備え、歩くたびに優れたクッション性を感じることができる

スケボーできる革靴 新鋭ブランド「マネブ」

プレーントゥの「HIHIN」(1万7800円)は、シーンやコーディネートを選ばないシンプルなスタイルが魅力

クラシックな革靴ではなく、スニーカーに端を発する新鋭ブランドのマネブも見逃せない。“若かりし時にスケートボードカルチャーを体験し、クリエイティブに活躍する30代をターゲットに生まれたシューズブランド”で、実際にスケートボードにも対応するオリジナルソールを搭載している。

驚くべきはその軽さ。見た目はエレガントな革靴なのに、ヘタなスニーカーよりも履き味は軽い。クッション性のあるインソールと、硬質でタフなアウトソールにより快適な歩行を実現する。ビームスやアーバンリサーチなどの人気セレクトショップのほか、スポーツ&アウトドア専門店のオッシュマンズで取り扱いがあることからも、その快適性がうかがい知れるだろう。

「当初設定した30代のターゲットはもちろん、上は50代から下は10代の方まで幅広くご購入いただいています。その中でも“人と違う靴を履きたい”という思いから、スーツなど固定されたコーディネートのアクセントとして使用される方が多いようです」(マネブ 広報)

ビジネスシーンでスーツスタイルのハズシとして取り入れるもよし、一般的なスニーカーを卒業した大人がオフシーンで使うもよし。マネブのレザースニーカーは、“スケートボードができる革靴”として今後ブレイク確実だ。

スケートボードに対応するオリジナルソールを搭載。そのため凹凸の少ない平らな作りで、グリップ力が高く滑りにくいのが特徴だ
コインローファーの「VOVO」(1万6800円)
メダリオンを施したウイングチップの「UKI」(1万7800円)

著名シューズデザイナーが手がけるモデルにも注目

「スウェード ウィングチップ スニーカー」(2万7000円)は、大人がオフに履くスニーカーとして最適。毛足の短いシルキータッチのスエードで上品に仕上げている。このほかオールブラックモデルなども用意

実力派シューズデザイナー、坪内浩氏が自身の名を冠したヒロシツボウチからもレザースニーカーが発売されている。坪内氏は70年代から数々の有名靴メーカーの企画デザインに携わり、またインポーターとしても活躍するなど靴業界では著名な存在。

本格的な革靴を製作する一方、13年からスニーカーソールのコレクションを展開。長年培った経験をもとに、クラシックデザイン×ハイファンクションのトレンドを、日本人デザイナーならではの感性と、日本のモノ作りを通して表現している。

取り扱いのある伊勢丹新宿店では、「20~60代まで幅広い年齢のお客様がご購入されています。年齢、職種問わずクラシックなデザインを取り入れながらも、履き心地はスニーカーのようにコンフォートでアクティブに動き回りたいというマインドを持ったお客様に人気です」(三越伊勢丹紳士靴バイヤー)

仕事でスーツを着用しないクリエイターたちが、スニーカーの快適な履き心地を持つ品行方正な見た目のシューズを求めていたタイミングと重なり大ヒット。また某テレビ番組で、かのクリスティアーノ・ロナウドが出演者の履いていたヒロシツボウチのスニーカーを見て、「俺のと交換しよう」と提案したエピソードも話題になった。

赤いカラーが利いたスニーカーソールは、ランニングシューズのようなクッション性を持つ。しなやかで軽快な履き心地が味わえる

原則は黒アッパー×黒ソールを選ぶ

以上、レザースニーカーの注目ブランド3つを紹介したが、共通するのはドレス顔のクラシックデザインということ。単純にレザーアッパーとスニーカーソールを組み合わせただけではなく、革靴のノウハウを取り入れたエレガントなフォルムに仕上がっている。

さらにビジネスシーンで着用するなら、黒アッパー×黒ソールのレザースニーカーを選びたい。スニーカー最大の特徴であり魅力であるソールユニットを目立たなくすることで、スーツにも違和感なく合わせることができるはず。今回紹介したブランドのものは、デザインや形状はフォーマルな革靴と大差はないので、あとはカラーリングに気をつけるだけでOKだろう。オンでも履けるレザースニーカーを取り入れて、ストレスのない快適なビジネス環境を構築したい。

(ライター 津田昌宏)

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