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ぎりぎりまで現場でもがく 俳優・大杉漣さん 映画「蜜のあわれ」主演

2016/3/28

日本映画の名脇役が久々に主演した。石井岳龍監督「蜜のあわれ」(4月1日公開)。室生犀星の晩年の幻想小説の映画化で、金魚に懸想する老作家の役だ。

大杉漣さん 俳優

北陸の撮影現場の片隅で64歳のベテラン俳優は独りセリフを稽古していた。「器用な俳優じゃないから」。現場に入る前に役を作り込まず、セリフはしっかり覚える。現場に立ってセリフを繰り返し、言い回しや身ぶりをぎりぎりまで探る。「刑事が現場百回なら役者はセリフ百回」と笑う。

「言葉を身体になじませる。セリフは身体を通した時、初めてリアリティーとして届く」。自らの原点である転形劇場の太田省吾の演技論を、愚直に励行する。「努力しないとできない。そういう質の俳優です」

金魚役の二階堂ふみの度胸に「すごいな」と思った。

「重要なのはキャリアじゃない。42年も俳優をしているけど、行き着くところがない。いつも新しい課題がでてくる。それを背負うこと、考え続けること。それが自分の仕事だと思う」

老作家の妄想の物語。「さらけ出してしまう潔さ、少年のようなチャーミングさに共感した」というが、俳優としての目標も「精神も身体も裸形にする」こと。

「役者は『やる』ことに懸命になるが、何かを捨てる作業がないと、『いる』ことには行き着けない」

「表現は削(そ)いでいくもの。そのために色々なことをやりすぎるくらいやる。そうすれば逆の方に行ける」

数百本の映画に出て、様々な監督と出会ったことで、今の自分があるという。

「現場にいることがすなわち生きること。現場に入る時のドキドキ感が好き。落ち着いてわかったような風情になるより、もがきたい。あたふたしていたい」

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