アップル、小型・低価格のiPhone SEを31日発売
iPad ProとWatchの新モデルも登場
アップルは2016年3月21日(現地時間)、小型ディスプレーを搭載する「iPhone SE」と、iPad Airと同じ9.7インチディスプレーを搭載する「9.7インチiPad Pro」を発表した。どちらも3月24日に予約を開始し、31日に発売する。
小型だが高性能の「iPhone SE」
iPhone SEは、最新機種「iPhone 6s」と同じCPU(M9モーションコプロセッサ統合型64ビットA9チップ)を採用した高性能モデル。4K動画撮影も可能な「iSightカメラ」(有効約1200万画素)、指紋センサー「Touch ID」などを搭載する。
NFC(近距離無線通信)にも対応しており、米国や英国、カナダ、オーストラリア、中国ではアップルの決済サービス「Apple Pay」も利用できる。
iPhone SEは、「iPhone 5s」と同じく、小型の4インチRetinaディスプレー(640×1136ドット)を搭載する。本体サイズはiPhone 5sと同じ(幅58.6×高さ123.8×厚さ7.6mm)。重さはiPhone 5sが約112gなのに対し、わずかに約1g重い約113gとなっている。
処理能力はiPhone 6sとまったく同等で、CPUの処理能力はiPhone 5sの約2倍、グラフィック描画性能は同じく約3倍を実現しているという。音楽再生で約50時間(5sは約40時間)、動画再生で約13時間(同約10時間)、3G通話で約14時間(同約10時間)など、バッテリー駆動時間もiPhone 5sに比べて向上しているとのことだ。
iPhone SEは世界各国で利用可能な最高約150Mbps(ビット/秒)のLTE通信機能を内蔵しており、3Gに比べて通話品質を向上した「VoLTE(Voice over LTE)」にも対応。IEEE802.11ac対応(最高約433Mbps)のWi-Fi機能も内蔵する。
カラーはシルバー、ゴールド、スペースグレイ、ローズゴールドの4色をラインアップする。直販価格は16GBモデルが5万2800円(税抜き)、64GBモデルが6万4800円(同)と、既存のiPhone 6シリーズや6sシリーズよりも低価格。3月31日に北米や日本など12カ国で販売をスタートし、5月末までには110カ国に展開する予定となっている。
画面が進化した小型「iPad Pro」も
同じく発表された9.7インチiPad Proは、iPad Airシリーズと同じ9.7インチサイズのディスプレーを搭載するモデルだ。従来の12.9インチiPad Proの画面解像度が2732×2048ドットなのに対し、9.7インチモデルは2048×1536ドットとiPad Airと同等の解像度を採用している。
一方、ディスプレーはiPad Air 2より40%反射の少ないものになり、「どのタブレットよりも反射が少ない」とアップルはうたう。さらに、環境光を測るセンサーを使って、周囲の光に合わせてディスプレーの色や明度を自動的に変更。これにより「紙を見ているかのように、画面がより快適に読める」という。
CPUは、12.9インチiPad Proと同じ64ビットアーキテクチャ搭載A9Xチップ(M9コプロセッサ統合型)を採用している。カメラはiPhone 6sやiPhone SEなどに搭載している12メガピクセルiSightカメラを採用。8メガピクセルカメラの12.9インチモデルよりもカメラ性能が向上し、4K動画やLive Photosも撮影できるようになった。フラッシュもiPadシリーズとして初めて搭載された。
また12.9インチiPadと同じく専用スタイラス「Apple Pencil」に対応。4つのスピーカーを搭載し、iPad Airシリーズに比べて音響面も改良されている。
9.7インチiPad Proのサイズは幅169.5×高さ240×厚さ6.1mmで、重さは約437g(Wi-Fiモデル)。サイズと重さはiPad Air 2と全く同じだ。
9.7インチモデルの発売に合わせて、同サイズ向けの専用キーボード「Smart Keyboard」(同1万6800円)も発売する。
直販価格(税抜き)は以下の通り。Wi-Fiモデルでは、32GBモデルが6万6800円、128GBモデルが8万4800円、256GBモデルが10万2800円。Wi-Fi+Cellularモデルは、32GBモデルが8万4800円、128GBモデルが10万800円、256GBモデルが11万8800円となっている。
Apple Watchはナイロンバンドモデルが新登場
Apple Watch Sportの新モデルも発表された。ラバー素材のスポーツバンドに加えて、ナイロン素材のバンドを採用するモデルが登場。直販価格は従来のラバーバンドモデルと同じで、38mmモデルが3万6800円(税抜き)、42mmモデルが4万2800円(同)だ。バンド単体では5800円で買える。
(IT・家電ジャーナリスト 安蔵靖志)
[日経トレンディネット2016年3月22日付の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。