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「サッポロ一番」の焼きラーメン 手間暇に納得の味

日経トレンディネット

2016/3/30

「サッポロ一番 塩らーめんが焼肉になりました」「サッポロ一番 みそラーメンが焼肉になりました」(それぞれ焼き肉のたれ6パック+シメの焼きラーメン専用の麺2個/希望小売価格390円)
日経トレンディネット

サンヨー食品は2016年2月29日に新商品「サッポロ一番 塩らーめんが焼肉になりました」「サッポロ一番 みそラーメンが焼肉になりました」を発売した。たれとシメの焼きラーメン用の麺のセットで、最初につけだれとして焼き肉を食べ、同じたれでシメの焼きラーメンを作るというもの。

「袋麺の喫食シーンの7~8割は昼食」というデータから、同社では夕食にも食べてもらえるメニューとして2015年10月、「サッポロ一番が鍋になりました 鍋スープ&〆のラーメンセット」を発売。これが予想以上に好調で、2016年3月までの販売予定数量を発売後1~2カ月でほぼ売り切り、急きょ増産体制を敷いたという。

「現代の消費者は『よく分からないものを買って失敗したくない』という思いが強い。袋ラーメンとして子供のころから親しんでいる『サッポロ一番』ブランドには大きな安心感があることが、選んでもらいやすかった要因ではないか」(サンヨー食品広報宣伝部の福井尚基部長)。第1弾商品の好調を受け、春夏向けメニューとしてターゲットとなったのが焼き肉。それに合う麺メニューとして、焼きラーメンを考案したそうだ。

ラーメンから鍋料理への展開は同じ汁ものであり、想像がつく。だが、慣れ親しんだ味とはいえ、それが焼き肉のたれになったときの味は全く想像がつかない。また筆者は「焼きラーメン」を食べたことがないが、ここでいう焼きラーメンは焼きそばとどこが違うのか。

さまざまな疑問と不安を胸に、まずは作ってみた。

■衝撃の「加熱時間13分」

1袋(4人前)にたれ6パックと焼きラーメン用の麺2個が入っていて、4パックは焼き肉用。食べ終わった後のシメの焼きラーメンに残り2パックを使用する。麺1個につき、たれ1パックで2人前だ

作り始める前、袋の裏面の作り方を見て戸惑ったのが、焼きラーメンの材料の多さと分量の細かさ。2人前で肉40gと野菜の合計130g前後だが、タマネギ、ニンジン各8分の1個、モヤシ8分の1袋など……。こんなに多種類をちまちまそろえないといけないと思うと、作る前からげんなりしてまった。だがサンヨー食品によるとこの分量はおすすめの一例で、焼き肉が終わったあとに残った肉と野菜を使用すればよく、分量は適当でいいそうだ。

作り方の分量はタマネギ、ニンジンが8分の1個、モヤシ8分の1袋など、いちいち細かい。ホットプレートでの作り方の説明もインスタント麺なのに長い……

さらに調理手順を目で追っていくと、「出来上がりは麺を入れて13分くらい」という衝撃の文字が。そもそもシメとは、鍋の最後にササッと気楽にスピーディーに作って食べるものではないだろうか。出来上がりを待っている13分間、間が持たずにスマホでゲームを始めて、シメどころじゃなくなる家人の姿が容易に想像できる。作り方の説明も袋麺のざっと5倍くらいあり、正直、「面倒」という2文字しか脳裏に浮かばない。

とはいえ、まずは焼き肉から開始。たれは1回分1パックだが、どちらが好みの味か比べるために、両方を一度に試してみた。牛タンはやはり塩味が合う。ほかの肉も野菜も、塩味のほうが素材の味を引き立てるような気がするが、家人は味噌味のほうがうまいと断言。

味噌味(左)と塩味(右)それぞれのたれ。塩味はかなり強く感じる
牛タンには塩味が特によく合った。レンコン、芋などの根菜、もやしには味噌味が、パプリカ、きのこ類には塩味が合うような気がした

どちらも焼き肉のつけだれとして十分おいしい。しかし、サッポロ一番のスープの味に似てはいるがズバリではない。

そしていよいよ焼きラーメン作りを始める。作り方の指示が細かいので、これならカップ麺程度しか作れない家人でもできるのではと思い、一任することにした。焼き肉が終わったあとのホットプレートの油をふきとり、水220~250mlを入れて強火で熱し、沸騰したら麺、肉、野菜を入れる。フタをして2分間ほど煮込み、麺を裏返す。ここまでは何の問題もなかった。

いよいよ焼きラーメンを作り始める。肉と野菜、麺、水を入れる。盛大に湯気が上がる
ふたをして2分間加熱し、裏返してふたをせず2分間加熱。だが裏返すとすぐに水がなくなるため、追加した

しかし作り方には、「裏返したあと2分ほど煮て全体をほぐす」とあったが、裏返すとあっという間に水がなくなってしまった。慌てて150ml程度の水を足す。これでなんとか麺がほぐれた。水気がすっかりなくなったらたれを入れ、混ぜながら炒める。ここまでで麺を入れてから5~6分というところ。つまりやっと折り返し地点だ。

作り方には「香ばしい焼き目ができるまで焼いてください」と書いてある。袋の写真を目安に、1分おきくらいに裏側をチェックし、焦げ目を確認する家人。結果的にはほぼ、麺を入れてから13分前後で焼き上がった。食べてみると、外側はカリカリで、中はもっちり。焼きそばにはない食感の変化があり、やはり焼き肉よりもこちらのほうが、袋ラーメンの味に近いような気がする。作っているときはキレ気味だった家人が、食べ始めたら一瞬で笑顔になった。

いろいろあったが、最終的には理想的な香ばしい焦げ目ができた。中はもっちりで大満足

塩と味噌で計2回作ったが、どちらも裏返した時点で水分がなくなってしまった。その点をサンヨー食品に聞いてみると、「麺1個だと水が麺にひたるかひたらないか微妙になるので、水を多めにしたほうがいい」とのこと。ちなみに筆者宅のホットプレートは直径が32.5cm、深さ2cm。同じくらいのサイズで、麺1個で作る場合は、あらかじめ水を150mlほど多めにしておくことをお勧めする。そして焼き肉のたれの好みは筆者と家人で分かれたが、焼きラーメンでは一致。断然、味噌のほうが焦げ目部分がより香ばしく、おいしく感じた。

■袋麺でも焼きラーメンを試す

正直、インパクトが強かったのはシメのほう。であれば「焼き肉になりました」を買わなくても、普通の袋麺を買ってきて焼いたらいいのでは、と思い、試してみた。「焼き肉になりました」の袋裏面には、フライパンで作る場合のやり方もあったので、その通りに作った。

食べ慣れた「サッポロ一番塩ラーメン」で焼きラーメンを作ってみた
最後に切りゴマをかけて完成。焦げ目はきれいについたが、麺は軟らかすぎ、袋麺のスープ特有のスパイスの香りも感じられなかった

感想は「塩辛い」のひと言。麺の食感の違いは歴然。焦げ目はカリッとしているが、内側は軟らかすぎて、もっちり感は皆無。サンヨー食品によると、袋麺は「焼肉になりました」の麺とは異なり、長時間焼くとくっつきやすいそうだ。あの食感のためにはある程度の太さが必要であり、合計13分という調理時間もやむなし、と納得がいった。

「袋ラーメンやカップラーメンの場合は時短食品だが、『サッポロ一番が焼肉になりました』はそうではないと考えている。家族みんなで麺に焦げ目がつくまでの過程を楽しみながら、語り合いを持つ時間にしていただきたい」(サンヨー食品マーケティング部第二課の川井理江係長)。

たしかにわが家でも、13分は意外にあっという間で、ベストの焦げ目を見極めるための会話も弾んだような気がする。同社の調査によると、今の主婦は「準備に時間をとられたくない」と思う一方、「ゆっくり時間をかけて食事をしたい」とも考えているそうだ。準備がラクな焼き肉をメインに、時間をかけてシメの焼きラーメンを完成させる同商品は、そのニーズに応えているといえるかもしれない。

(ライター 桑原恵美子)

[日経トレンディネット 2016年2月29日付の記事を再構成]

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