言わぬが花
better leave it unsaid
I know you are not in favor of the boss's viewpoint, but for now better leave it unsaid.
(お前が部長の見解に賛成してないことはわかるけど、それは今は言わぬが花だ)
Vocab Aid:
in favor of ~(~に賛成して) viewpoint (意見)
腹蔵なくモノを言うことばかりがいいとは限らないのがこの世の中。「言わぬが花」とは言い得て妙な日本語ですね。表題の直訳は「言わないままにしておくのがいい」。leaveを受け身にしてbetter left unsaidの形でもよく使われます。一時、米大統領選の民主党候補に名乗りを上げていたリンカーン・チェイフィー氏は、In the world of diplomacy, some things are better left unsaid.(外交においては、ことと次第では言わぬが花だ)と言っています。政治家として長いキャリアを持つ彼の本音かもしれません。他にも、the less said, the better.(言わなければ言わないほどよい)とも言えるし、the least said, the soonest mended.(言わないのが事態の早期解決法)という諺もあります。雄弁を旨とする英語文化でも沈黙の効はしっかり存在するのですね。
How to use:
A: Do you know how their divorce proceedings are going?
B: Don't ask! Better leave it unsaid.
A: 彼らの離婚訴訟どうなってるのか知ってる?
B: そんなこと聞くなよ。言わぬが花ってとこだな。
Further Study:
「言わぬが花」があれば、対照的な「知らぬが仏」という「江戸いろはかるた」の一節もあります。「知らない方がいい」という意味と「何も知らずにのんきなものだ」の両方の意味がありますが、前者に限ればignorance is bliss(知らないのが幸せ)が英語の定訳です。確かに、世の中知らなくていいことってけっこうあるものです。
Don't tell her who married her ex-boyfriend. They say ignorance is bliss.
(誰が彼女の元彼と結婚したか言うんじゃないわよ。「知らぬが仏」って言うもの)
I'm not going to let you know my exam results, Mom. Ignorance is bliss.
(ママ、僕のテスト結果教えないよ。「知らぬが仏」だよ)
コスモポリタン・インスティテュート(CI)
[日経Bizアカデミー2016年3月11日付]