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歌舞伎海外公演、新作で 「結果が見えにくい道へ」

市川染五郎さん

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NIKKEI STYLE

歌舞伎の海外公演は戦前の旧ソ連を皮切りに各国へ出向いてきた歴史があるが、そのために新作をつくる試みは初めてだ。「これまでの海外公演は古典の名作を持って行った。これは素晴らしいこと。でも海外に伺うのであれば、そこでしかできない歌舞伎を見せられないか、そんな興味を以前から抱いていた」

米ラスベガスの劇場で5月3~7日、新作歌舞伎「獅子王」を上演する。獅子の兄弟が悪に立ち向かう舞踊劇。映像を取り入れるほか、英語で歌舞伎らしいセリフ回しの解説役を本編の随所に登場させる。宙乗りや、水を使った立ち回りといった歌舞伎の伝統的な技法もふんだんに盛り込む。「ただし、何でもかんでも詰め込めば良い訳ではない」

米国向けの新作をつくるにあたり、まず歌舞伎の技法を思い付くままにメモしていった。女形、くま取り、立ち回り、早がわり、黒衣(くろご)、長唄――。「それぞれの技法がどんな条件で効果を発揮するかを見直した」

例えば早がわり。「上手から引っ込んですぐ違う役で花道から出てきても、それを同じ役者がやっているという認識が前提にないと意味がない。市川染五郎を初めて見る米国の観客を驚かせるためには、舞台上ですれ違い様に役が入れ替わるなど、いかにも『替わりましたよ』と分かるようにみせる」。後見役の黒衣も同様だ。歌舞伎では黒は見えないという暗黙の了解があるが、海外でそれは通用しない。「出演者が芝居をしながら後見を兼ねる方法を考えている」

様々なエンターテインメントがしのぎを削るラスベガス。「歌舞伎をショーや演劇のジャンルのひとつとして海外に根付かせたい。世界中から人の集まるラスベガスは発信力のある場所。歌舞伎にはもっと頻繁に海外で上演されるだけの力があると思う」

誰もしたことのないものに挑むのは「根底に父(九代目松本幸四郎)の生き方が影響している」。幸四郎は昨年もミュージカル「ラ・マンチャの男」を再演。「いまも父はブロードウェーを目指している。そういう生き方だと感じる。自分もいくつか選択肢があったとき、結果が最も見えにくいものを選びたくなる」

渋谷のコクーン歌舞伎などで共演した故十八代目中村勘三郎から受けた刺激も計り知れない。「初めてのコクーン歌舞伎で、初日の夜に『いまいくつだ?』と聞かれた。年齢を答えると『若い若い。今からやりたいことをやっていけば、オレより若いうちにいろんなことを実現できるようになるから』と言われたのが忘れられない」

以来、勘三郎の目を意識して舞台づくりに挑んできた。「どうにかしてお兄さん(勘三郎)の気に留まる舞台をやりたかった。いまでもそう。もはや一方的な思いだけど、怒られるかな、褒めてもらえるかな、と想像してやっている」

10歳の長男、松本金太郎も歌舞伎の舞台出演が増えてきた。「いま自宅の稽古場は金太郎に占領され、ミニ劇場の状態。パソコンを使って台本を書いて、チラシもつくって、芝居ごっこに熱中している。『いつか本当にやるからね』と約束して、台本やチラシは全部取っておいてある」

映像化、迫力まるで生舞台

挑戦は海外公演だけではない。4月の歌舞伎座では新作「幻想神空海」に空海役で主演する。歌舞伎座新開場記念の2013年に上演した新作「陰陽師」と同じ夢枕獏の原作。「ファンタジックな作品。唐にいる時代の話で、スケールが大きいものになればと思う。高野山開創1200年記念の演目だが、今後も再演できる作品にしたい」

6月にはシネマ歌舞伎「阿弖流為(アテルイ)」の公開も決まった。東京と大阪で昨年上演した舞台の映像化。「単に舞台を見られなかった人のために映像化することには否定的だった。それならば各地へ行って公演を開きたい。映像化するのであれば、舞台よりも面白い阿弖流為に生まれ変わらせたかった」。舞台上にも仕込んだ計19台のカメラで客席からは見えない映像も撮影。生の舞台に匹敵する迫力あるアクション作品に仕上げた。

「作品をつくることに興味がある。自分は出演しないで、脚本と演出を手掛ける舞台づくりもやってみたい」

(文化部 小山雄嗣)

[日本経済新聞夕刊2016年3月16日付]

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