お金がたまるのは高い財布か安い財布かあなたの財布をマネーハック(3)

今月のマネーハック、テーマは「お財布」です。今週考えてみたいのはお財布の「値段」です。お財布とお金の関係については、迷信と思うようなキーワードがたくさんあります。

財布の値段と年収に関係がある、という説がある

財布の俗説としては「お札の向きをそろえるとお金を大事にするようになり、お金がたまる」とか「お財布の値段のX倍があなたの年収になるから高いお財布を買おう」といったものがあります。

これらはおまじないの一種だと思っていても、せっせとお札の向きをそろえたり、財布の値段を気にしている人がいます。

しかし、これだけでは必ずしもお金はたまらず年収も上がらないのではないでしょうか。なぜ、うまくいかないのでしょう。

高い財布を買えばお金が増えるのではない

お札の向きについて考えてみると、お金を大事にする意識が重要なのであって、お札の向きをそろえることに意味があるのではありません。

一度お金の向きをそろえてみてください。あなたがもし向きをそろえてお金をためようと改心するような素直な人ならお金がたまるかもしれません。しかし、あなたが「面倒なだけじゃん」と思うなら、たぶん向きをそろえてもお金がたまらないでしょう。

高いお財布にすればその財布に見合って年収が増える、というのはまさに迷信の類いでしょう。それは「高い年収の人は財布を買う予算をたくさん出せるから、高い財布を持っている」からに過ぎないからです。高い財布でムダづかいがなくせるわけではないのです。

むしろ「財布はリーズナブル」にすると節約できる

百貨店で5万円の財布を買った人はたぶん財布に見合った消費をしなくてはと考えてしまうでしょう。靴もいいものを、服もいいものを、デートの食事も高いものを、という感じです。

お金をかければかけるほど私たちは高品質なモノを手に入れられますが、当然お金はどんどん逃げていき、一向にたまりません。

マネーハック的に発想を逆転してみるのなら、「安い財布にすれば、ムダづかいは減る」と考えられます。安い財布を持っている人は、妙な背伸びをして身分不相応な出費をしようとは思わないはずだからです。

私の財布の選び方を披露すれば、財布は機能的かどうか(カード入れやお札入れのレイアウトは使いやすいか)、収納力はどうか、チャックがあって全部閉じ込められるか(中身が落ちてしまうのはイヤなので)、で選んでいます。ブランドのロゴやワニ革の質で選んでいるわけではありません。確か5000円くらいの財布です。

おかげで、余計な高額出費に引きずられずに済んでいます。背伸びをする必要はなく、無理して高いモノは買う必要ないと財布を開くときに再確認できるからです。

今、何万円もする財布を使っていて、でもお金がたまらないと嘆いているあなたは、次の買い換えのときは安い財布にしてみてはどうでしょうか。

年収がアップしたときは、財布の買い換えではなく他のことにお金を使いましょう。

背伸びするより、身の丈に合った生活をしたほうがラクだし、お金もたまるものなのです。

マネーハックとは ハックは「術」の意味で、「マネー」と「ライフハック」を合わせた造語。ライフハックはITスキルを使って仕事を効率よくこなすちょっとしたコツを指し、2004年に米国のテクニカルライターが考案した言葉とされる。マネーハックはライフハックの手法を、マネーの世界に応用して人生を豊かにしようというノウハウや知恵のこと。
山崎俊輔(やまさき・しゅんすけ) 1972年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。AFP、消費生活アドバイザー。企業年金研究所、FP総研を経て独立。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。所属は日本年金学会、東京スリバチ学会。近著に『お金が「貯まる人」と「なくなる人」の習慣』(明日香出版社)『誰でもできる 確定拠出年金投資術』(ポプラ新書)などがある。趣味はマンガ読みとまちあるき(看板建築マニアでもある)。Twitterアカウントは@yam_syun。ホームページはhttp://financialwisdom.jp

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