春限定、いちご和菓子 熱血バイヤーが厳選
高島屋のカリスマ和菓子バイヤー・畑主税さんに、いちごの絶品和菓子7種を紹介していただきました。
プライベートでも各地の和菓子店を巡り、新たな和菓子を発掘する手をゆるめない。そんな畑さんが、年々強く実感するようになったもの。それは、春になると湧き起こる"いちごを使った和菓子のニーズ"なのだそう。
「ここ数年、上質なブランドいちごが次々に登場して熱い視線を浴びています。その影響もあり、この時期になると高島屋の和菓子売場にも『いちごのお菓子を買いたい』という声が多く寄せられるようになりました」
そこで今回は、働く女性におすすめの和風いちごスイーツを教えていただきました。
* * *
まずは、もはや春の定番和菓子となったいちご大福から。もちろん、ひとくちに「いちご大福」と言っても趣向を凝らしたものが多く登場しており、実に個性豊か。ここでは、人気急上昇中のいちご大福3種をご紹介します。
引網香月堂(ひきあみこうげつどう)
「いちご餅」 1個 270円(税抜)
シンプルでさりげない外見に油断してほおばると、いわゆる「いちご大福」の先入観を覆されます。主な特徴は、イチゴが横向きに入っていることと、洋風にアレンジされた白餡を使用していること。白餡には生クリームとバターが加えられており、まろやかでコクのある甘さが印象的。柔らかな餅もろともまるで練乳のように、フレッシュないちごと絡みあいます。
【和菓子店について】
看板商品は、蜜煮した梅を白餡と求肥で包んだ「万葉の梅園」。そのほか、卓越した手作業で生み出される繊細な上生菓子にも定評があります。リクエストすれば、動物などをモチーフにしたキュートな生菓子も購入可能。記念日のプレゼントなどに重宝されています。
引網香月堂
URL:http://www.hikiami.co.jp/
住所:富山県高岡市伏木湊町1-1
TEL:0766-44-0585
お問合せフォーム:https://cart9.shopserve.jp/-/hikiami.co.jp/FORM/contact.cgi
日の出楼(ひのでろう)
「さくらももいちご大福」 1個 700円(税込)
徳島県の山間部にある佐那河内村のわずかな農家のみが生産する「さくらももいちご」が主役です。鶏の卵をしのぐほどのビッグサイズ、しかも糖度が高くてジューシーないちごはインパクト大。さらに、そんないちごとタッグを組んでもかすむことのない存在感たっぷりな粒あんと、コシと粘りの強い餅生地を合わせて仕上げるパンチの効いた大福です。
【和菓子店について】
明治時代から現代に至るまで愛され続けている「和布(わかめ)羊羹」は、鳴門わかめを使った磯の香り豊かな銘菓。そのほか、見た目もモンブランそっくりな洋風栗大福「モンブラン大福」や、蜜漬けリンゴと羊羹を包んだ大福「日の出の林檎」などユニークな餅菓子も。
日の出楼
URL:http://www.hinodero.com/
住所:徳島県徳島市二軒屋町1-8
TEL:088-622-6775
お問合せフォーム:http://www.hinodero.com/contact/forms/index/1
村中甘泉堂(むらなかかんせんどう)
羽二重いちご「稚児のほっぺ」 1個 200円(税抜)
羽二重餅の名店がつくる、その名の通り子どものほっぺのように柔らかないちご大福です。潤いあるモチ肌は、水分をたっぷりとたたえた羽二重餅。その中に、なめらかな舌触りのこしあんと、ほどよい酸味が持ち味のいちご「紅ほっぺ」が包まれています。餅のてっぺんからいちごの赤みがほんのり透けて見えるのも、かわいらしい頬を連想させる粋な演出。
【和菓子店について】
羽二重餅やそのアレンジ商品をはじめ、オリジナリティあふれる創作和菓子が人気。黒糖風味のカスタードクリームを内包したシュークリーム「大黒シュー」は、黒蜜をかけながら食べるという和洋折衷なアイデアがおもしろい。毎月1~3日のみ販売する季節の餅菓子「一二三餅」も好評。
村中甘泉堂
URL:http://www.kansendo.com/
住所:福井県福井市中央1-21-24
TEL:0120-22-4354
オンラインショップ:http://shop.kansendo.com/
もちろん、いちご大福のほかにもオリジナリティーあふれるいちごの和菓子が多数。この季節ならではのお菓子を片手に春の訪れを味わいましょう。
神馬屋(じんめや)
「一粒いちご入りどら焼」 1個 280円(税抜)
重量感たっぷりなこのどら焼きがぷっくりと膨らんでいるのは、いちごが丸ごと一粒入っているから。スイートなどら焼きの中でフレッシュないちごが弾ける、春らしさ満点のお菓子です。フワフワで口溶けの良いカステラ生地は、手焼きならではの濃淡ある焼き色が美しい。いちごをたっぷりと練り込んだみずみずしいあんと、甘酸っぱい丸ごといちごを包み込んでいます。
【和菓子店について】
ハチミツをたっぷりと使用してこんがりと色よく焼いた「いま坂どら焼」の専門店。伝統的な製法を守りつつ、時代や季節の変化にあわせて数々の「創作どら焼」を考案。「コーヒーあん」「ブルーベリーあん」「チョコレーズンあん」など個性豊かなどら焼きを揃えています。取り寄せは不可。高島屋の一部店舗にて販売。
神馬屋
URL:http://www.dora-yaki.com/
住所:東京都練馬区北町3-20-2
TEL:03-3933-1030
E-mail:jinmeya@dora-yaki.com
間瀬(ませ)
「苺みち」 1棹 600円(税抜)
まっ白な四角い生地のまん中にいちごあんのラインが一本。フルーツサンドやショートケーキを思わせる洋風のビジュアルですが、れっきとした和菓子です。しっとりとした白い生地はかるかん(山芋を原料とするスポンジ状の蒸し菓子)、中央のラインはいちごジャムを使ったようかん。やさしい味わいのかるかんに包まれて、甘くてさわやかないちごの風味が際立ちます。
【和菓子店について】
熱海の地で明治時代から菓子を提供する老舗。銘菓「伊豆乃踊子」は、内閣総理大臣賞も受賞した実力派です。「苺みち」は以前、店頭に登場したものの、いちごの和菓子が珍しかった当時は反響が少なく製造休止に。畑さんのリクエストによって復活した今、春の和菓子として浸透しはじめています。
間瀬
URL:http://www.mase-jp.com/
住所:静岡県熱海市網代400-1
TEL:0557-67-0111
楽天市場店:http://www.rakuten.co.jp/mase/
竹芳(ちくほう)
「いちごの雫」 5本入り 500円(税抜)
いちご本来の風味を存分に引きたてたシンプルな和風ゼリーです。使用するいちごは、手間ひまを惜しまない生産で知られる佐々恵農園のもの。着色料を使わずいちごのエキスだけで色づけた透明感のある赤色とピュアな甘みを堪能できます。グミのようにプニプニとした食感は、寒天と水飴でかためたゼリーをカットした後、数日間にわたって少しずつ熱を加えることで実現しているそう。
【和菓子店について】
先代から店を受け継いだ姉弟が、丹精込めて一つひとつ作り上げた季節の菓子を提供しています。8年前に登場した「いちごの雫」は、徐々に人気が高まり現在では春の定番商品に。また、夏になると登場するかき氷は、クチコミで評判が広がり連日行列をつくるほどの人気です。
竹芳
URL:http://www.chiikeys.jp/premium/tikuhou/
住所:岩手県盛岡市東安庭1-6-2
TEL:019-653-6158
FAX:019-654-8177
熊谷屋(くまがいや)
「仙台いちごまんじゅう」 1個 97円(税込/本店のみ)、6個入り 650円(税込/高島屋の一部の店舗で販売)
ほんのりとピンク色に色づいた一口サイズのこのお菓子は、いちごのシーズンにのみ登場する限定品。すっきりとした味わいの「仙台いちご」をフリーズドライ加工し、まんじゅう生地と白あんにちりばめています。ほっくりとした口あたりの素朴なまんじゅう生地に、ほろほろととろけるスイートな白あん。果肉や種の食感とともに、いちごの風味がふんわりと広がります。
【和菓子店について】
江戸時代から続く仙台駄菓子の老舗です。仙台駄菓子とは、手づくりならではの素朴な見た目とナチュラルな味わいが魅力の昔ながらのお菓子。50~60種類ものバリエーションがあるといわれており、いずれもリーズナブルな価格で購入できるのがうれしい。
熊谷屋
URL:http://kumagai-ya.co.jp/
住所:宮城県仙台市青葉区木町通2-2-57
TEL:022-234-1807
オンラインショップ:http://kumagai-ya.sakura.ne.jp/store/products/list.php
(文 西門和美、写真 畑主税)
[nikkei WOMAN Online 2016年3月11日付記事を再構成]
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