パソコンと親和性高いウィンドウズ10スマホ
OSにウィンドウズ10モバイルを搭載したスマートフォン(スマホ)が続々登場してきた。特徴は、その名の通り「ウィンドウズ10マシン」であることだ。アンドロイドやiPhoneに比べてウィンドウズ10パソコンと共通点が多く、親和性が高い。
ホーム画面には、ウィンドウズ10のスタートメニューのようにアプリの起動ボタンであるタイルが並んでいる。ニュースや天気などのアプリは、インターネットから最新情報を自動的に受け取って表示する「ライブタイル」機能に対応している。
アプリを見ると、ブラウザーにはウィンドウズ10の標準ブラウザーと同じ「エッジ」が搭載されているし、「エクセル」「ワード」「パワーポイント」などのオフィスも利用できる。オンラインストレージの「ワンドライブ」で、パソコンとのデータのやり取りも簡単だ。
オフィス文書に強い
今回は、マウスコンピューターの「マドスマ」で、ウィンドウズ10モバイルの使い心地をチェックした。
ウィンドウズ10スマホがどれだけ使えるか不安な人もいるかもしれないが、アンドロイドスマホやiPhoneでできることはほぼできる。
地図アプリ、フェイスブックやツイッターのアプリが利用できるし、天気やニュースのチェック、音楽や動画の再生も付属アプリでできる。アプリはパソコンと同じ「ウィンドウズストア」で追加できる。
ウィンドウズ10の特徴である音声アシスタント機能「コルタナ」も搭載している。iPhoneの「Siri」に相当するものだ。マドスマの本体を見ると、画面の下に戻るボタン、ウィンドウズボタン、検索ボタンがある。コルタナは検索ボタンに触れるか、ホーム画面にあるタイルをタップすると起動し、音声やキー入力で質問すると、それに答えてくれる。スケジュールや天気の確認といった実用的なものだけでなく、おみくじで運勢を占う機能などユニークな使い方もできる。パソコンのようにマウスやキーボードがないスマホでは、こうした音声アシスタント機能はかなり重宝する。
ウィンドウズだけに、オフィスで作成した文書ファイルの扱いにも強い。オフィスのモバイル版である「オフィスモバイル」アプリが利用でき、「ワード」「エクセル」「パワーポイント」などの文書ファイルを表示の乱れの少ない状態で利用できる。閲覧だけでなく編集もできるので、外出先でオフィスのデータを確認したり変更したりすることがある人には心強い。
アンドロイドスマホはグーグルアカウントでログインして利用するが、ウィンドウズ10スマホはマイクロソフトアカウントで利用する。これはオンラインストレージの「ワンドライブ」などを利用している人は、すでに取得しているはずだ。そしてパソコンで使っているものと同じマイクロソフトアカウントで利用すれば、「ワンドライブ」経由でデータを簡単にやり取りできる。例えばパソコンで作った文書ファイルをワンドライブに保存すれば、そのままウィンドウズスマホから同じワンドライブにアクセスして利用できる。マドスマには、ワンドライブ1TB分を1年間利用できる「オフィス365サービス」が付くモデルもある。
アプリはストアで入手する
文字入力用のソフトキーボードは、携帯電話のようなテンキーとパソコンのQWERTYキーボードの2種類がある。使い勝手はアンドロイドやiPhoneとほぼ同じだ。
アプリは、「ユニバーサルウィンドウズアプリ」と呼ばれるものが利用できる。前述のオフィスモバイルのように、パソコンでもスマホでも利用できるのが原則のウィンドウズ10向けアプリで、「ウィンドウズストア」で入手できる。
ウィンドウズ10モバイルのユニークな機能のひとつに「コンティニュアム」機能がある。これは、外部ディスプレイに接続すると、ウィンドウズ10パソコンのようなデスクトップ画面が現れる機能。キーボードやマウスを接続して、さながらパソコンのように利用できる。高い性能が要求されるため、現状ではマドスマをはじめ非対応の機種がほとんどだが、今後、この機能を利用できるスマホも登場してくるだろう。
(ライター 湯浅英夫)
[日経PC21 2016年3月号の記事から再構成]
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