健康・医療

日経ヘルス&メディカル

手の甲に浮き出た血管 レーザー治療できれいに

日経ヘルス

2016/4/3

日経ヘルス

最近、手の甲の血管が浮き出る「ハンドベイン」という言葉を目にすることが増えた。実は気になっていたという人も多いハンドベインは、レーザーできれいに消せる。

「手の甲は顔と同じくらい人目にさらされるため、気になりやすい。特に目立つのは、やせている人、色白な人で、治療を始めた10年ほど前は40代、50代の女性が多かったが、最近は若い人も増えている」。東京ハンドベインセンターを開設する東京血管外科クリニックの簡野晃次医師はそう話す。

手の血管が目立ちやすくなる理由は、加齢によるものが大きい。静脈血管を覆っていた皮膚の真皮層の弾力性が低下して血管が浮き出て見えることに加え、静脈の血管自体が硬く、伸びたゴムのようになり、太く見えるように。運動などで腕や手の筋肉をよく使う人では、手の甲が筋肉質になった分、脂肪が減って静脈血管が目立つこともある。

静脈血管を覆っている真皮が薄くなること、血管自体が硬くなること、どちらも加齢の影響が大きい。紫外線は皮膚の老化を促進するので、若いときからの手のUVケアも大切。(2)の静脈血管をレーザーで治療する(イラスト:平拓哉)

米国でハンドベイン治療が始まった2000年ごろは、ヒアルロン酸を手の甲に注射して凹んだ部分を膨らませていた。しかし、ヒアルロン酸は半年ほどで吸収されてしまうため定期的に繰り返す必要がある。また、1回当たりの注入量も多いことから数十万円もかかった。

近年は目立つ血管を凹ませる治療が主流だ。方法は脚の血管で生じる下肢静脈瘤の治療と同じ。最近は細い管を静脈血管内に挿入して、内側からレーザーで血管を焼いてふさいでしまうという治療が注目されている。硬化剤を血管に注入して静脈をふさぐ方法もあるが、血管に炎症が起きて色素沈着するリスクがある。レーザー治療はその心配が少ないのだ。

髪の毛ほど極細の0.3mmの管なので、細い血管でも使えて、血管内に熱がとどまるため、術後の腫れも少ない。治療時間・料金は治療する部位で決まる。細かい血管では、皮膚の上からレーザーを照射して治療することも(イラスト:平拓哉)

レーザーで表面の目立つ静脈をふさいでも、皮膚の深い部分の血管に自然にネットワークがつながるため、血流には問題ない。治療後は1週間ほど手の甲に内出血や腫れが見られることがまれにあるが、治療翌日にはシャワー浴も可能。施術時間は部位により変わるが、目安として両手で60分程度。費用は30万円程度で、部位が少なければ10万円から(自費診療)。同じ部位での再発はほぼないという。

血管が浮き出ていると手がゴツゴツとして老けた印象を与えるが、治療後はほっそりと若々しくなる。患者の半数以上は、手首までだけでなく、ひじまで治療するという(画像提供:東京血管外科クリニック)

「UVカットや食生活などに気をつけて皮膚や血管の老化を避ければ、手の血管を目立たないようにすることにつながる。ただ、目立ってきた血管を自分で治すのは難しい。治療を考えるなら、気温が高くなって血管が広がり目立ちやすくなる夏より前の季節がいい」と、簡野医師は語る。

■この人に聞きました

簡野晃次医師
東京血管外科クリニック ハンドベイン専門外来(東京都文京区)。日本医科大学卒業後、同大学付属病院形成外科、西新井皮膚科形成外科院長を経て、現職。赤あざ、赤ら顔、毛細血管拡張症治療を10年以上研究。皮膚レーザー治療のパイオニア。

(ライター 牛島美笛)

[日経ヘルス2016年4月号の記事を再構成]

健康・医療 新着記事

ALL CHANNEL