動画の方が老けて見える 「見た目年齢」は表情に
美肌と見た目年齢に関するQ&A
【Q】 見た目年齢は何で決まる?
【A】 40代以降は表情の動きも影響します
日経ヘルス誌の読者調査で顔が老けて見える要因を聞いたところ、6割以上が「シワ」「ほうれい線」「シミ」と回答した。ところが、40代以降では肌質だけでなく表情の動きも見た目年齢を左右するという。
ポーラ化成工業の研究によると、人が見た目年齢を判断する際には目のほかに、ほおも見ているという。そして、同じ人の静止画と動画を見せる実験では、「30代までは静止画と動画で見た目年齢の差はほとんどなかったが、40代以降は動画の方が老けて見られることがわかった」(同社肌分析研究室の黒住元紀研究員)。視線が集中するほおまわりの動きが、「老け印象」と関係しているという。
【Q】 シミ・そばかすの市販薬をしっかり効かせるコツは?
【A】 シミのタイプに合うものを毎日飲み続けることです
市販薬でのシミ・そばかす対策は、タイプによって異なる。両ほお骨に沿って左右対称にぼんやりと現れる肝斑には、トラネキサム酸が効果的。美容医療の現場でも肝斑に用いる内服薬だ。トラネキサム酸は、抗炎症成分としてカゼ薬や歯磨き剤などにも配合されている。
一方、紫外線で濃くなったシミ、盛り上がりのないシミなら、L-システインが向く。どちらも毎日飲む必要があるが、なかなか飲み続けられないという人もいるだろう。しかし、トラネキサム酸配合の「トランシーノII」では、1日2回の服用となり、L-システイン配合の「ハイチオールCホワイティア」は錠剤が小型化しており、以前より飲み続けやすくなっている。
【Q】 朝のフルーツは肌にいい?
【A】 柑橘系は、朝は避けましょう
「朝の果物は金」といわれており、美肌のため、朝にビタミンCたっぷりのフルーツを食べているという人は多いはす。だが、フルーツの中には、朝食べるとシミができやすくなるものがあるようだ。
慶田院長によると、「柑橘系のフルーツには食べても塗っても紫外線の感受性を高めて、全身のメラニン形成を活性化させる"ソラレン"が多く含まれる」という。レモン、グレープフルーツ、オレンジのほか、イチジクなども同様だ。「これらは夕食で食べるといい。ソラレンは皮に多く含まれるので、汁が手や顔に飛んでもシミになりやすくなる。柑橘類のエッセンシャルオイルも、太陽光が当たる部位に使うのは避けてほしい」と慶田院長。
朝のビタミンCは、ソラレンが少ないリンゴ、バナナ、イチゴ、ブドウ、または赤ピーマン、ブロッコリーなどの野菜でとろう。
【Q】 甘いものはやっぱり肌に悪い?
【A】 食べ過ぎると「黄ぐすみ」の原因に
甘い物がやめられない、パスタやパンが好き……。こんな人は糖質の摂取量が多くなりがち。「とりすぎて代謝しきれなかった糖が体内でコラーゲン線維やエラスチンなどのたんぱく質と結びつくと変質する。この"糖化"作用によって肌の弾力性や柔軟性が下がり、肌のたるみなどにつながる」と慶田さん。
最近のロート製薬の研究で、表皮細胞が糖化すると、メラニン生成を引き起こす物質が増えることも明らかに。糖化によってできる物質(終末糖化産物、AGEs)には褐色に変わる性質があり、肌を黄色っぽくくすませる要因になる。糖質を減らす、野菜を先に食べるなど糖の吸収を抑える食べ方で、シミを予防しよう。
(日経ヘルス 西山裕子)
[日経ヘルス2016年4月号の記事を再構成]
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