一味違う、イスラエルの濃厚ゴマアイス世界のおやつ探検隊

日経ナショナル ジオグラフィック社

「ピンクカミラ」のハルバアイスクリーム。とろりとかかるのはデーツのシロップ。イスラエルの人は、このシロップにハルバを付けて食べたりもするそう
「ピンクカミラ」のハルバアイスクリーム。とろりとかかるのはデーツのシロップ。イスラエルの人は、このシロップにハルバを付けて食べたりもするそう
ナショナルジオグラフィック日本版

その昔、ヨーロッパの探検隊がアメリカ大陸で出会い虜となったのはポップコーンやチョコレートの素カカオ。いまも見知らぬ“おやつ”との出会いは、心ときめくもの。ナショナル ジオグラフィックではおやつ探検隊を結成、各国食材店やレストランがひしめく東京に潜む世界のおやつの制覇をミッションに掲げ、冒険を開始した。

イスラエル人シェフ、マルセロ・ラブさんが腕を振るう東京・目黒のレストラン「ピンクカミラ」。世界のおやつ探検隊の連載で、最初に訪れたレストランだ(下記関連情報)。懐かしいなと思いながらお店のホームページを見ていたら、気になるデザートメニューが目に入った。「ハルバアイスクリーム」だ。

「ハルバ」というのは、ペースト状のゴマに砂糖やハチミツを加えて固めたお菓子。「ハルワ・シャミア」として紹介した(下記関連情報)のと同じもので、中東で人気のお菓子だ。実はこのとき、「このゴマ菓子を使ったアイスクリームもあるんですよ」と教わっていて、いつか食べてみたいと思っていたのだ。

今回、これは食べてみなくてはとお店に出向くと、「ピンクカミラ」のマネージャーで、イスラエル人のエディ・リスさんが出迎えてくれた。マルセロさんにアイスクリームを用意してもらっている間、エディさんにイスラエルのハルバについて聞く。すると、以前見たプラスチック容器や缶に入ったものもポピュラーだけれど「小さなパッケージに入った一口大のハルバもあって、チョコレートみたいな感覚でイスラエルの人はよく食べますよ」と教えてくれた。エディさんを訪ねてイスラエルからやって来る人は、必ずと言っていいほど彼にハルバをお土産として持ってくるそう。

さらに「イスラエルでは、こんなふうに市場でもハルバを売っているんです」と言いながら、エディさんはタブレットで画像を見せてくれた。目に飛び込んできたのは、チーズのような大きなクリーム色の塊が何十個と並んだエルサレムの有名ハルバ専門店「ハルバ・キングドム」の店頭の様子だ。

「エルサレムの胃袋」とも言われるマハネ・イェフダ市場にあるこの店には、アーモンドやピスタチオ、コーヒー豆、ミントを使ったものなど様々な「グルメ」ハルバがあり、量り売りしているのだという。彼が特に好きなハルバはピスタチオを使ったもの。「明るい緑のピスタチオのカリッとした食感と、クリーミーなハルバの味が合わさって、素晴らしくおいしいんです」

また、クリームチーズを塗ったパンにプレーン味のハルバを載せて食べるのも大好きだそう。「ハルバはゴマから出来ているからヘルシーでしょ。朝食にすれば、いい1日のスタートが切れるんです」。エディさんの顔に笑みが広がった。

「ピンクカミラ」のハルバアイスクリームは、イスラエルのハルバをバニラアイスクリームに合わせ、エディさんもいち押しのピスタチオをトッピングしたもの。上にとろりとかけるのは、中東の国々で人気の甘い果実デーツ(なつめやしの実)からつくる濃い飴色のシロップだ。「デーツのシロップにはハルバと違った甘さがあるので、味わいが複雑になるんです」とマルセロさん。

待望のアイスクリームを食べてみると、濃厚なゴマ味アイスクリームに少し酸味を感じるシロップのまろやかな甘さが合わさって絶妙なバランス。上にあしらわれた、やはりイスラエル産の硬めの食感の乾燥デーツと一緒に食べれば、舌の上はすっかりイスラエルに旅した気分なのでした。

今回のおやつの生息地
『ピンクカミラ』 東京都目黒区下目黒1-5-16 本田ビル2F
電話:03-6417-9888
ホームページ:http://www.pinkcamila.com

(ライター メレンダ千春)

[Webナショジオ 2016年2月1日付の記事を再構成]

TOKYO世界の絶品スイーツめぐり

著者 : メレンダ千春
出版 : 日経ナショナルジ オグラフィック社
価格 : 1,728円 (税込み)

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