春を迎え、男性も買い替え 大型化進む休日バッグ

新生活がスタートする春こそ、心機一転、かばんも刷新して迎えたい。最近のビジネスバッグは「薄く小さく」がトレンドだが、休日に使うかばんは「大型化」が進んでいるという。オシャレに気を遣う30代のビジネスパーソンに支持されているカジュアルバッグはどんなものなのか。三越伊勢丹のかばん担当バイヤーに話を聞いた。

服装の変化に合わせてバッグを買い替える人が増加

「女性だけでなく、男性も季節に合わせてバッグを買い替える方が多くなってきています」(三越伊勢丹 紳士・スポーツ統括部 かばん・革小物バイヤーの高塚佳伸氏)。

コーディネートに合わせてバッグを変える女性は多いが、最近、その傾向は男性にも多く見られるという。1年を通して同じバッグを使うのではなく、服装に合わせて春には春の、冬には冬用のバッグを使い分けるというファッションへの関心が高い男性が増えているらしい。

では、春らしいバッグとはどんなものなのか?

「薄着になるコーディネートに合わせて、春は見た目に軽い素材のバッグが売れる傾向にあります」(高塚氏)

暖かくなるにつれて、シャツやパーカーといった薄手のコーディネートになっていく。それに合わせて、素材使いで軽やかさを表現したバッグに買い替えるのだ。冬はオールレザーの重厚なかばんが人気で、春はコットンキャンバスや薄手のナイロン製の軽快なかばんが人気とのこと。また、表面にシワや凹凸などのニュアンスがついているデザインのバッグも、軽やかな印象を与えるため春らしさが演出できるらしい。

かばんのサイズにも変化が見られる。「最近は、大型のバッグを休日に持つ方が増えているようです」(高塚氏)。ここ数年、オフシーンでは小型のボディーバッグが大流行。現在も相変わらず絶大な支持を得ているが、その一方で大型のバッグを休日に使用する人も増えているらしい。

この理由として、休日にパソコンやタブレットを持ち出す人が増えたことが挙げられる。気分を変えてカフェでネットを楽しんだり、移動中にタブレットで電子書籍や映画を鑑賞したりと、逆にオフの日こそデジタルデバイスを持ち歩く人が増えている。そのため休日用のかばんが大きくなっているというのだ。

このような傾向がある休日バッグの中から、今回は2アイテムを紹介する。細部を見ていくことで、今買うべきバッグの条件が見えてくるはずだ。

上品な印象を持つワンハンドルバッグ

ザネラートを代表するモデル「ポスティーナ」。肩掛けできる長さのワンハンドルと大きなフラップが特徴で、男女問わず人気が高い。ショルダーベルトも付属する。7万8000円(税別)

1976年、イタリアのヴィチェンツァで、レザーウエアを扱うサルトリア工房として創業したザネラート。精巧かつ卓越した職人技術を駆使し、エレガントなバッグを展開している。

同ブランドの看板モデル「ポスティーナ」は、さまざまな素材とカラーバリエーションが発売されていて、今回紹介するのは春らしいラフィア調のデザインのバッグ。ラフィアとは、ラフィア椰子(やし)の葉や繊維から作られる高級素材で、夏用のハットなどに用いられるもの。このラフィアを編み込んだような素材感をコットンとリネン、ナイロンで表現し、軽やかな印象に仕立てている。

また、ワンハンドルでフラップ付きというのも特徴だ。「こういった1本手のハンドルに、ショルダーベルトが付属しているバッグは通年で売れています。冬はオールレザー製で、春は軽い印象の素材感のものが選ばれています」(高塚氏)

ワンハンドルのバッグは当初レディースでブームがあり、その流れがメンズにも波及。上品でエレガントなため、オン・オフ兼用できることから支持されるようになった。カジュアルな着こなしを品良く見せる効果がある。

コットンとリネン、ナイロンを混紡したものをメイン素材に採用。ラフィア調の編み込みデザインが春っぽい。背面はソフトな質感のシボレザーを使用。また、横から見るとマチ幅が大きいことがよくわかる
内部にポケットや仕切りがあるため使い勝手も上々。モバイル収納が付いているわけではないが、大容量のためPCなどのデジタルデバイスも余裕で入れられる

経年変化も楽しめるキャンバス×レザー

ステファノマーノ「三越伊勢丹別注のバッグ」。リネン混キャンバスをメイン素材に用いることで、春らしい軽快な印象に仕上げている。こちらもワンハンドルでフラップ付き。レザー使いも魅力。6万3000円(税別)

ステファノマーノはイタリアのファクトリーブランド。有名ブランドのバッグのOEM(相手先ブランドによる生産)を手がけていたこともあり、素材使いの巧みさや仕立ての良さには定評がある。

今回紹介するのは三越伊勢丹別注のバッグ。かばんの形から素材など細部に至るまで別注したこだわりの一品。ボディーにリネン混のキャンバス素材を使用し、春らしい軽やかさを持たせている。フラップにはレザーを合わせてデザイン性を高めるとともに、薄くすいた革を使うことでやわらかさと軽さも表現。このキャンバスとレザーは同じスピードで経年変化していくため、バランス良く味わい深くなるという。

「ワンハンドルのバッグは、入荷すればすぐ完売するほどの人気です。購買層は幅広いですが、30~40代の方が多いですね」(高塚氏)

ブリーフケースのような形状のワンハンドルバッグは、ビジネスバッグとしても使えるほど品が良い。オフスタイルが「ジャケット+パンツ」といったキレイめな着こなしの人から特に支持されているようだ。ショルダーベルトも付いているので使いやすい。

フラップにはベジタブルタンニンなめしの牛革を使用。やわらかさを出すため薄くすいている。ボディも軟らかく作っていて、両方バランスよく経年変化していく。レザー製ショルダーベルト付属
内部に大小3つのポケットを備える。ワンハンドルでスクエアフォルム、そしてフラップ付きでクラシカルなデザインのためビジネスユースにも対応

軽快な素材感の大型バッグを選ぶ

以上、三越伊勢丹の注目カジュアルバッグ2つを紹介したが、休日用は大サイズのバッグが人気上昇中のようだ。

大型なのでアクセサリー的な意味合いも大きく、服や靴に合わせて楽しめる。ワンハンドルバッグは上品なのでオン・オフ兼用も可能。大は小を兼ねるというわけだ。

そして春は、薄着になるコーディネートに合わせて、素材使いで軽やかな印象に仕上げたものが狙い目。とはいえ、ただ薄手のナイロンバッグを持つのではなく、レザーとコンビになったキャンバスバッグや表面の質感にアクセントがあるものなど、スタイリッシュで大人顔のかばんを選びたい。

(ライター 津田昌宏)