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N響首席指揮者 パーヴォ・ヤルヴィ氏の仕事術

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世界的指揮者として名高いパーヴォ・ヤルヴィ氏。昨年9月にNHK交響楽団の首席指揮者に就任して以来、日本での公演の機会が増え、クラシックファンを引き付けている。パリ管弦楽団音楽監督、ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団芸術監督を兼任し、レパートリーの幅広さに定評がある同氏がN響をどう率いていくのか。ビデオカメラとともに追った。

2月初旬。ヤルヴィ氏の姿は、東京音楽大学(東京・豊島)のコンサートホール壇上にあった。

「指揮棒をきちょうめんに振り、常にビートを刻む必要はありませんよ。目の前のオーケストラはプロ。あなたなしでも演奏はできるんです。では、指揮者は何を伝えるのか。ストーリーを組み立て、それをボディーランゲージで伝えるんです」「呼吸を忘れてはだめ。自分が歌うと思って、呼吸をしながら指揮をしましょう。楽譜にないものをオーケストラから引き出すことを意識して」――。

これは、東京芸術大学などで学ぶ指揮者の卵5人を生徒役に、その実技をヤルヴィ氏が観客の前で直接指導する指揮公開マスタークラス。5人は代わる代わる指揮台に立って同じモーツァルトの交響曲第41番「ジュピター」を指揮する。その都度ヤルヴィ氏が気づいたことを指摘し、生徒はアドバイスに沿って同じ箇所を繰り返す。「俳優になったように、顔の表情を自在に変えましょう」「マイケル・ジャクソンになったつもりで、全身で表現して」。わかりやすい言葉で、生徒の緊張感をほぐしていく。

オーケストラは東京音大の学生。生徒に代わってヤルヴィ氏が同じパッセージを振ると、不思議と出だしの音がぴたりと合ううえ、弦楽器の音の厚みまでも違って聞こえる。ヤルヴィ氏の息づかいが客席にまで伝わってくるようだった。

同様のマスタークラスは、生活の拠点を置くフランスや母国のエストニアでもよく行っている。欧州の楽団のトップも兼務する同氏のスケジュールは過密だが、リハーサルや公演の合間を縫って時間を捻出する。「若手を教えるのは好きなんですよ」とヤルヴィ氏。

「権威的なところがなく、人間好き」。同氏のキャラクターについて、N響関係者はこう口をそろえる。N響の定期公演などで日本に連続して滞在できるのは数週間単位だが、深夜まで酒を酌み交わして楽団員と交流することも多いそうだ。

そんなヤルヴィ氏はN響について、「モーツァルト、ハイドン、ベートーベンなどの古典派から、マーラー、ブルックナーなどの後期ロマン派までドイツ=オーストリア音楽に強みを持つ」と評する。首席指揮者に就任して早々、マーラーやR・シュトラウス、ブルックナーを公演の曲目に選んだのは正攻法といえる。今後は「20世紀の音楽も積極的に取り入れ、幅広いレパートリーに挑みたい」として、自らのルーツであるロシア・東欧作品や、武満徹をはじめとする日本作品にも手を広げる予定だ。

2015年10月のN響首席指揮者への就任記念公演ではマーラーの「交響曲第2番〈復活〉」を指揮し、緻密で決然とした演奏が称賛された。N響とはR・シュトラウスの交響詩シリーズのCD録音も始めた。すでにドイツ・カンマーフィルを指揮してベートーベンの交響曲全集の録音を達成。14年まで首席指揮者を務めたhr交響楽団(旧フランクフルト放送交響楽団)とはブルックナーの交響曲シリーズの録音を進めるなど、ドイツ音楽を網羅する勢いである。

一方でパリ管とのベルリオーズやドビュッシーなどフランス近代音楽の演奏も高く評価されており、どんな大作でも一通りこなすオールラウンドの指揮者である。その器用さやそつのなさゆえに個性やこだわりが希薄との指摘を受ける傾向もある。チャイコフスキーやショスタコーヴィチならムラヴィンスキー、マーラーならバーンスタイン、シベリウスならベルグルンドなど、絶対に譲らない特定の作曲家や作品への強みを持ったかつての巨匠たちに比べると、強烈な個性を感じにくいとの見方もある。

しかし、時代の変化とともに指揮者のあり方も変わる。指揮者のリーダーシップというと、ヘルベルト・フォン・カラヤンのように強烈なカリスマ性で強権的にオーケストラを率いる手法もみられたが、「独裁的なやり方が通る時代ではない」ときっぱり。N響との関係は「常に進化していくもの」としたうえで、「たくさんのレパートリーをこなすことで互いのデータベースを築き上げ、私がどういう人間か理解してもらうことを重ね、音楽的なつながりが深まっていく」と話す。

(映像報道部 杉本晶子)

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