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米国債、買うべきタイミングは「円高のとき」

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2016/4/18

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 米国の代表的な利回り商品と言えば、米国債だ。足元の10年債の利回りは2%程度で推移している。FRBの利上げを受け、ここからどのように動くのか。

 前回、2004年の利上げの際は、10年国債の利回りは4%前後から5%台まで上昇した(下グラフ)。ただ、「今回はそこまで大きく上がらないだろう」と前川FP事務所アドバンスの前川貢さんは分析する。

■利回りは2%台後半が天井か

 リーマン・ショック以降、世界的な金融緩和で債券の利回り水準が大きく低下。米国の10年国債もそれまでの3~5%のレンジを下抜け、2%近辺で推移している。さらに、原油価格の下落や中国景気減速などの要因で、世界的なリスクオフ懸念が高まっている。

 前川さんは、「債券なら何でも買われた状況は終わり、質の高いものを選別して買われるようになる。米国債はその筆頭」と言い、今後、ますます米国債人気が高まるとみる。利上げペースが緩やかになりそうなことも考えると、「10年国債の利回りがかつての3~5%の水準に戻るのは難しい。当面は上がっても2%台後半がやっとだろう」と話す。

■買いタイミングは「円高になったら」

 では、ここから米国債に投資する場合、どのようなスタンスで臨むのがいいか。前川さんは、「利回りが上がらない状況では、為替の水準に着目して投資すべきだ」とアドバイスする。

 考え方はこうだ。例えば、利率2%の10年債を購入する場合、満期まで持ち切るなら外貨ベースで20%の利益が確定する。ここで長期の為替チャートをチェックし、今後10年間でどれぐらいの円高が起こりそうか考える。

 現状の為替が1ドル120円で、今後90円ぐらいの円高(マイナス25%)もあると考えるなら、利益よりも為替の損失の方が大きいので割り合わないと判断できる。「金利が最も高くなるタイミングを狙うよりも、為替が円高になった時に買うのが得策」(前川さん)という。

■他の債券で利回りアップ

 債券に直接投資するのが難しい人は、投信がお薦めだ。投資対象が米国債だけだと利回りが非常に低くなってしまうので、他の種類の債券も組み入れている投信が狙い目になる。

 前川さんがお薦めするのは、「高金利先進国債券オープン(毎月分配型)」(日興アセット)。先進国の債券に投資する投信で、米国債の他、豪州やニュージーランドなどの債券にも投資する。

 楽天証券経済研究所・ファンドアナリストの篠田尚子さんが薦めるのは、「MHAM USインカムオープンBコース(為替ヘッジなし)」。これは、「マルチセクター債券ファンド」と呼ばれる投信で、国債の他、転換社債やハイイールド債などにも投資する。投資比率はハイイールド債が50%以上を占める。リスクは高いものの、ポートフォリオの最終利回りは5.4%になる。

(日経マネー 市田憲司)

[日経マネー2016年4月号の記事を再構成]

日経マネー(ニッケイマネー)2016年5月号

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