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「何となく日本株」はリスク大 長期運用こそ米国株

日経マネー

2016/4/4

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「長期の資産運用を考えるなら、米国株投資は外せない」と語るのは、資産運用アドバイザーの尾藤峰男さん。何となく「外国株は怖い」と敬遠している人も多そうだが、「世界の株式時価総額でたった1割弱の日本株にしか投資しない方がリスクが大きい」と指摘する。

実際、日経平均株価とNYダウ指数に30年間投資した結果を比べると、日経平均の約1.3倍に対し、NYダウは約11倍も上昇している。米国株に投資していれば、こうした恩恵を受けられたわけだ。

注:1986年=100として指数化

尾藤さんは、米国株の主な特徴として、高い成長性や積極的な株主還元姿勢を挙げる。日本株との違いがよく分かる例として、日米マクドナルドの業績を比べるのがよいという(下図)。

注:2016年2月3日時点。業績は15年12月期。1ドル=120円で計算

■米マクドナルドは39年連続増配中

2015年の日本マクドナルドホールディングス(JQ・2702)は、異物混入騒ぎなどから不振が続き、252億円の大幅営業赤字。一方、米国のマクドナルド(MCD)は、中国の期限切れ食肉問題から巻き返し、約8500億円の営業利益を達成。売上高営業利益率は28%にも達し、収益性が段違いだ。

また、配当にも注目したい(下表)。日本のマクドナルドが年間30円で変わらないのに対し、米国は76年以来、39年連続で増配中。例えば、2010年末に米マクドナルド株に投資すると、年間配当額は、5年間で2.53ドルから3.44ドルまで増加。配当利回りは当初の年3.29%から4.48%までアップした計算だ。

注:2010年末=100

このように、「長期保有していれば、増配や自社株買いで、どんどん利益が膨らむのが米国株の醍醐味」(尾藤さん)。日本の優待券は魅力だが、長期投資なら継続増配の威力に目を向けるのが得策だろう。

尾藤さんは、増配を続けている大型優良株の中から、業種を分散して投資するのがいいと話す。例えば、ペプシコ(PEP)やジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)、スリーエム(MMM)、コストコ・ホールセール(COST)などだ。

データは2016年2月5日時点。以下同じ

上に挙げた4銘柄以外にも、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)やビザ(V)、インテル(INTC)、エクソンモービル(XOM)なども候補になるという。

さらに手軽に連続増配企業に投資したい場合、「配当貴族指数」に連動するETN(上場投資証券)を活用するのもお勧めだ。配当貴族指数とは、一定期間以上連続して増配している優良株を抽出したもの。例えば、S&P500企業の中から、25年以上連続増配している企業を集めた指数が「S&P500配当貴族指数」だ。長期的な値動きを見ると、配当貴族指数はS&P500を大きく上回っている。配当貴族指数に連動したETNは東証に上場しているので、日本株と同様に売買できる。

■スポーツや外食関連に注目

続いて、短期的な値上がりが期待できるテーマ株をピックアップしてみよう。足元の米国市場で好調なのは個人消費関連銘柄。大和証券・ストラテジストの弘中孝明さんは、「特にスポーツや外食関連が有力」とみる。

スポーツでは、トップブランドのナイキ(NKE)や、ウエアラブル端末を手掛けるフィットビット(FIT)などが有力。外食では、2015年に日本に初上陸した高級ハンバーガーのシェイクシャック(SHAK)などが面白そうだ。

日本株相場でも注目度が高い「フィンテック」や「ロボット」といったテーマに乗るのもいいだろう。フィンテック関連では、ペイパル・ホールディングス(PYPL)、スクエア(SQ)など新規上場が相次いでいる。ただ、「信頼性が重視される金融分野では、結局、大手や大手と組んだところが勝ち残るのでは」(野村証券・エクイティ・マーケット・ストラテジストの村山誠さん)との意見もある。ロボットでは、人工知能や医療関連など、日本より進んでいる分野の銘柄が有力だ。

日本にない特化型のETFを狙うのも手。例えば、世界のサイバーセキュリティー関連銘柄に投資するETF(HACK)などがある。

(日経マネー 市田憲司)

[日経マネー2016年4月号の記事を再構成]

日経マネー(ニッケイマネー)2016年5月号

著者 :
出版 : 日経BP社
価格 : 690円 (税込み)

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