流れるようにスラスラ書けるアクロボールの高級版

日経トレンディネット

「アクロドライブ」。カラーバリエーションは、金属パーツにシルバーを使った、ダークグレー、シルバー、ピンク、ゴールドパーツを使ったカッパー、ダークブルー、パールホワイトの全6色
「アクロドライブ」。カラーバリエーションは、金属パーツにシルバーを使った、ダークグレー、シルバー、ピンク、ゴールドパーツを使ったカッパー、ダークブルー、パールホワイトの全6色
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「書き心地がいい」とファンが多いパイロットのボールペン「アクロボール」。それに使われているのが、低粘度油性の「アクロインキ」だ。パイロットは2015年秋、アクロインキを主軸に、従来の技術を駆使して高級版の「アクロドライブ」や修正テープ内蔵の「アクロボール ホワイトライン」を発表した。アクロドライブは、これまでのアクロボール・ユーザーをうならせることができるのだろうか。

「アクロインキ」は、パイロットの低粘度油性インク。そのアクロインキを使ったボールペン「アクロボール」は、三菱鉛筆の「ジェットストリーム」同様、スラスラ滑らかに書けることが特徴の油性ボールペンのシリーズだ。

しかし、両者の書き心地は微妙に違い、どちらが良いかは好みの分かれるところ。ちなみに筆者は、太い文字はジェットストリーム、細い文字はアクロボールの書き心地が好きだ。

しかし、アクロボールはジェットストリームに比べると知名度が今一つである。パイロットでは「タイムライン」や「コクーン」といった高価格のボールペンにも既にアクロインキのリフィルを搭載するなど、低粘度油性インクを前面に押し出して行こうという意向があるようだ。そこで登場したのが「アクロドライブ」だ。

「アクロドライブ」3000円(税別)

書き心地の滑らかさをボディに表現

今回、アクロインキをより強調する形で発売された高価格ラインのアクロドライブを試した瞬間、「あれ、アクロインキって、こんなにスムーズに書けるんだったっけ?」と驚いた。

自然に膨らんだグリップ部分は、個人差もあるが、握りやすく、ペン先のコントロールがしやすい

グリップ部分に向けて少し膨らんだボディラインは、アクロインキの滑らかさをデザインで表現したもので、握りやすく、ペン先をコントロールしやすい。うっかりすると、滑り過ぎる低粘度油性インクの弱点を、軸の重さと握りやすさでうまく解消しているようだ。

アクロドライブという名前は、「そのハンドリングの良さと、スムーズに書けるドライブ感から名づけられた」と、パイロット営業企画部高筆企画グループ課長の土江泰司氏は話してくれた。

クリップの水が流れるようなデザインは、パイロットのホームページなどで使われている、アクロインキの粘度が低いために流れ落ちている様子の写真を、そのままデザインしたものだという。文字通り、アクロインキのイメージを形にしているのだ。

アクロインキが滑らかに流れ出す様子を、そのままクリップの形にデザインしている

芯は回転繰り出し式。ノックボタンなどを排して滑らかなスタイルを維持すると同時に、ペン先がしっかり固定されて、筆記時にブレないという利点がある。スーッと滑らかに回るように作られていて、その徹底具合に感心する。

今回、シルバーを基調にしたモデルの他に、クリップなどの金属パーツをゴールドにしたモデルも発売。このゴールドモデルの少しクラシカルなムードが受けて、とても売れているのだという。

「高級ボールペンに求めるイメージが少しずつ変わってきているのかもしれない」と、土江氏。ともあれ、クールなイメージとトラッドなイメージから選べるのはユーザーにとってはありがたい。高級ボールペンは、デザインも選択の重要なポイントになるのだから。

リフィルは、BRFN-30F-B(300円、税別)を使用。アクロドライブ自体は0.7mmのリフィルを搭載しているが、替え芯には0.5mmや1.0mmも用意されている

多機能なのにスリムな3in1

2015年11月30日に発売された、黒と赤のアクロボールと0.5mmのシャープペンシルが内蔵されている「2+1 アクロドライブ」は、「アクロドライブ」の多機能版。多機能ながら、その軸の最大径は単機能の「アクロドライブ」と比べて0.1mm太いだけ。スリムというより、握ったときの感覚があまり変わらないことがスゴイ。

「2+1 アクロドライブ」2500円(税別)

つまり、この「2+1 アクロドライブ」は通常のボールペンを使っている感覚のままで使える多機能ペンということだ。ノック部分は一般的な多色ボールペンに使われているものと同じで、その分、高級感は削がれているが、価格も単機能の「アクロドライブ」より安価に設定されている。

カラーバリエーションは、ブラック、ディープレッド、グレー、ブルー、ピンク、シルバーの6色。うち、ブラック、ディープレッド、ブルーはクリップなどがゴールドになっている

軸やクリップのデザインはアクロドライブを踏襲。シャープペンシルもボールペンも、サイドに付いたノックボタンで出し入れするのだが、シャープペンシルの芯は上部をノックすることで繰り出される。替え芯はBRFS-10F-B・R(100円)。製品には0.7mmが搭載されているが、替え芯は0.5mm、1.0mmもある。

ノック部分は多色ペンではおなじみのスライドレバー式。シャープペンシルも、このスライドレバーで出す
尻軸には消しゴムが付いている

アクロドライブと並べても、太さはほとんど変わらない。長さは少し長い
替え芯はBRFS-10F-B・R(100円)。金属の4Cタイプなので、他の多色ペンなどとの互換性もある

アクロドライブに使われているものに比べるとインク容量は少ないが、他の筆記具メーカーも採用している、いわゆる4Cと呼ばれる規格のものなので、カスタマイズも可能だ。

(日経トレンディネット 納富廉邦)

[日経トレンディネット 2015年12月17日付の記事を再構成]