仕事も趣味にも!最新ICレコーダーを選ぶ5項目

春一番が吹き荒れ、いよいよ春本番。4月から大学に進学する人、新社会人としての生活を始める人、異動や転勤など新天地で新たなスタートを切る人、このシーズンにはさまざまな人生模様が見られる。「4月から心機一転、がんばろう!」という人も多いのではないだろうか。

仕事をバリバリこなしたいという人にお薦めしたいのが「ICレコーダー」だ。打ち合わせや会議の議事録を作成する際に役立つだけでなく、英語をはじめとする語学学習にも役立つ。そこで今回は、ICレコーダーの選び方のポイントとお薦めモデルを紹介したい。

■ICレコーダーって何に使うの?

ICレコーダーは人によって用途が異なる家電製品だ。ICレコーダーの主な用途としては、以下のようなものが挙げられる。

●メモ録音(マイクの近くでしゃべる)
●インタビュー録音(面談など1対1の録音)
●会議録音(複数の話者がいる場合)
●展示会・イベントの録音(周囲に雑音の多い状況)
●講演会の録音(会場が広くて話者が遠い状況)
●語学学習(自分の発声を録音して繰り返し聞く)
●料理などの習い事の録音(周囲に雑音の多い状況)
●ライブ録音(スタジオやホールなどで音楽を録音する)
●生録(自然の音を録音する)

それぞれの録音スタイルや使い方についてかっこ書きで簡単に紹介しているが、それだけでもかなり状況や使い方が異なることがよく分かるのではないだろうか。メモ録音と講演会などの広い会場での録音は、求められるマイクの性能や機能にも違いがある。人が何をしゃべっているのかを聞き取りたいという目的と、ライブなどの音楽を録音したいという目的では、求められる音質も全く異なる。

そのため、以前は人の声を中心に録音する「ボイスレコーダー」と、音楽録音などに使う「リニアPCMレコーダー」と呼ばれる機器が、別ジャンルとして扱われていた。家電量販店でも売り場が異なる場合もあった。

しかし技術の進化による小型化や高音質化によって、その垣根がなくなりつつある。最新モデルには、会話の録音と音楽の録音を1台のICレコーダーでカバーできるモデルも増えてきた。

■メモリー容量、バッテリー、再生機能などがチェックポイント

続いては、選び方のポイントについて紹介しよう。

ICレコーダーを選ぶ上でチェックしたいポイントは大きく5つある。

1.メモリー容量
2.外部メモリー対応
3.バッテリー駆動時間
4.「USBダイレクト接続」対応
5.A-Bリピートなどの再生機能

順を追って説明していこう。

●メモリーは最低4GB、できればカードスロットも欲しい

まずチェックしたいのがメモリー容量だ。ICレコーダーは「リニアPCM」(WAV形式)と呼ばれる非圧縮形式から、超高圧縮(低品質)のMP3形式の8kbpsまで、さまざまな音質で録音できる。音質については好みによって変えればいいが、基本的には最低でも64kbps、できれば128kbpsを確保しておくと「聞き取りにくい、聞いていて不快なノイズが感じられる」といったことが起こりにくい。

例えば4GBのメモリーを内蔵するモデルにMP3の128kbpsで録音した場合、メモリーに記録できる録音時間の目安は約66時間。しばらくパソコンに取り込まなくても困ることはないだろう。しかし、例えば子供のピアノ発表会があって非圧縮のリニアPCM形式で録音した場合、そのファイルサイズは10倍以上にもなる。そのため、「残り時間がたっぷりあったはずなのに、いつの間にか0になっている」ということになる場合もある。そのため、マイクロSDカードなどの外部メモリーカードスロットを搭載しているモデルなら、さらに安心できる。

●乾電池が使えるモデルがベスト

メモリーカードが使えるモデルがベストというのは、いざというときにコンビニなどですぐにメモリーカードを購入して録音可能時間を増やせるという点にある。それと同様に、「バッテリー」もかなり重要なポイントだ。

小型化を追求したモデルには専用充電池を用いている場合もあるが、使いたいときに充電が足りないと使えなくなってしまう。そこでアルカリ乾電池に対応するモデルをお薦めしたい。電圧1.2Vの乾電池型充電池にも対応し、モバイルバッテリーなどに接続して充電池の充電ができるならさらに便利だ。

●「USBダイレクト接続」もパソコン取り込みに便利

続いてチェックしたいのがパソコンとの接続のしやすさだ。USB端子を搭載し、付属や市販のUSBケーブルを使って接続するタイプも多いが、できればワンタッチでUSB端子が飛び出す「USBダイレクト接続」タイプがお薦め。レバー1つでUSB端子が出てくるので、ケーブルをなくしてパソコンに取り込めなくなるということもないし、何より接続がラクラクだ。どうしても必要な機能ではないが、使う頻度が多い人ほど利便性が高まる。

●再生機能にも注目

語学学習に使いたい人や、ICレコーダー本体で再生したいという人は、再生機能にも注目したい。筆者の場合、ほとんどの取材時にICレコーダーを使っており、録音したデータは必ずパソコンに取り込んで「Okoshiyasu2」(Windows対応)というフリーソフトで“テープ起こし”のような作業を行っている。そういうユーザーは本体の再生機能にこだわる必要はないが、「録音した音をその場で聞きたい」という用途には本体内再生機能が重要となる。例えば語学学習時に自分の発声を録音し、すぐに発音をチェックするといった場合などが挙げられる。

指定した地点間を何度もリピートする「A-Bリピート再生」、音程をそのままに再生速度を変えられる「早聞き/遅聞き再生」もしくは「DPC(デジタルピッチコントロール)」、雑音をカットする「ノイズキャンセル」など、モデルごとにさまざまな機能を搭載している。これらは自分の使い道によって必要か不要かを見極める必要がある。

●番外編:「ハイレゾ」という選択肢もあり

ICレコーダーは決して安い買い物ではないので、録音に使うとき以外は「ポータブルオーディオプレーヤー」として使うという人も少なくない。高音質で録音できる音楽録音向けICレコーダーの場合、CDを超える高音質での「ハイレゾ録音」が可能なだけでなく、市販されている「ハイレゾ音源」を再生できるモデルもある。ちょっと高価格になってしまうが、「普段はプレーヤーとして使い、たまにICレコーダーとして録音、年に数回は娘のピアノ発表会を録音したい」という人は高音質モデルを選ぶのもいいかもしれない。

ソニーの「ICD-SX2000」は、ハイレゾ対応マイクカプセルを内蔵

続いては、用途別にお薦めのモデルを紹介していこう。

■さまざまなシーンで使いたいという人にお薦めのモデル

ICレコーダーをこれから使い始めたいという人には、何かに特化したモデルというよりも、使い勝手や価格も含めたバランスのいいモデルをお薦めしたい。ここでは2機種を紹介しよう。

●パナソニック「RR-XS460」(実勢価格8430円)

幅40.2×高さ105×奥行き14.8mm
約55g/約44g(付属充電式電池を含む/含まず)

電池駆動時間は決して長くない(MP3 128kbpsで約8時間)ものの、USBダイレクト接続によって充電池の本体内充電が可能。風切音を軽減する「風音キャンセル再生」や英会話などの語学学習に役立つ「かんたんシャドーイング再生」などの再生機能も搭載する。FMラジオの受信や録音が可能な点も魅力だ。内蔵メモリーは4GBと決して多くはないが、外部メモリーカードにも対応する。

1.メモリー容量 ○(4GB)
2.外部メモリー対応 ○
3.バッテリー駆動時間 ○(MP3 128kbpsで約8時間)
4.「USBダイレクト接続」対応 ○
5.A-Bリピートなどの再生機能 ◎
USBダイレクト接続によってパソコンに録音データを取り込めるだけでなく、充電池の本体内充電も可能

●オリンパス「Voice-Trek V-843」(実勢価格8985円)

幅39×高さ111.5×奥行き18mm
77g(電池を含む)

特筆するような再生機能は搭載していないが、ニッケル水素充電池使用で約30時間(128kbps録音時)の長時間駆動が可能な点が大きな魅力。USBダイレクト接続によって充電池の本体内充電も可能だが、いざというときの充電切れが起こりにくいのはうれしい。内蔵メモリーは8GBと充実しており、外部メモリーカードにも対応する。

1.メモリー容量 ◎(8GB)
2.外部メモリー対応 ○
3.バッテリー駆動時間 ◎(128kbps録音時で約30時間)
4.「USBダイレクト接続」対応 ○
5.A-Bリピートなどの再生機能 ○
外部メモリーカードにも対応。microSD/SDHCカード(2~32GB)を使用可能

■コンパクトさを追求したい人にお薦めのモデル

● オリンパス「Voice-Trek VP-10」(実勢価格8888円)

幅17×高さ130×奥行き17mm
37.5g(電池を含む)

最近のICレコーダーはどれも小型軽量だが、さらにコンパクトさを追求する人にはスティック型のICレコーダーをお薦めしたい。背面にクリップが付いているので、立ったまま手帳にメモをしつつ、さらに録音もしなければならないといった場合でも問題なく使える。内蔵メモリーは4GB。外部メモリーカードに対応していないのは残念なところだが、USBダイレクト接続対応で単4形乾電池や充電池にも対応。本体内充電もできるので使い勝手はいい。

1.メモリー容量 ○(4GB)
2.外部メモリー対応 ×
3.バッテリー駆動時間 ◎(MP3 128kbps、充電池使用時で約22時間)
4.「USBダイレクト接続」対応 ○
5.A-Bリピートなどの再生機能 ◎
スティックタイプだからスーツのポケットにも無理なく収まる

■音質と使い勝手を追求する人にお薦めの高級モデル

●ソニー「ICD-SX2000」(実勢価格3万1900円)

幅44×高さ120×奥行き14.5mm
98g(電池を含む)

音楽CDの約3倍の情報量を持つ「ハイレゾ音質」での録音が可能な高音質モデル。録音するシーンによってマイクの角度を変えられる可動式マイクを搭載し、デジタルピッチコントロールや書き起こし用再生、A-Bリピートなど再生機能も充実。スマホアプリ「REC Remote」(Android/iOS対応、無料)を使えば、Bluetooth経由で遠隔操作による録音開始・停止や録音状況のモニタリングもできる。音楽配信サイトで購入したハイレゾ音源の再生もできるので、仕事だけでなく音楽ライフも充実しそうだ。内蔵メモリーは16GBで、外部メモリーカードにも対応。USBダイレクト接続にも対応しており、音質だけでなく使い勝手も申し分ない。

1.メモリー容量 ◎(16GB)
2.外部メモリー対応 ○
3.バッテリー駆動時間 ◎(MP3録音時で約30時間)
4.「USBダイレクト接続」対応 ○
5.A-Bリピートなどの再生機能 ◎

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(IT・家電ジャーナリスト 安蔵靖志、編集協力 井上真花)

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