短期利用に最適、プリペイド格安SIMの選び方

日経トレンディネット

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料金を前払いするプリペイド型の格安SIMは、簡単な開通手続きだけで始められ、使い切ったら自動的に解約されるというメリットがある。どのSIMの使い勝手がいいのだろうか。

格安SIMは、サービスの使用後に料金が請求される後払いタイプの契約が一般的。しかし、旅行先・出張先での滞在中や、引っ越し中でインターネット回線が使えないときなど、ほんの短期間だけ格安SIMを利用したいときがある。その場合、新規契約や解約の手続きが面倒だ。

そこでおすすめしたいのが、プリペイド(前払い)の格安SIM。プリペイドSIMは通常契約の格安SIMと異なり、パッケージ代金を支払って簡単な開通手続きを済ませるだけで、すぐに利用できる。利用期間を過ぎるか容量を使い切れば自動的に解約となるので、費用はパッケージ代金しか掛からない。

そこで、プリペイドSIMの違いや使い方を解説しつつ、格安SIMの大手ブランド「OCN モバイル ONE」をはじめ、「IIJmio」「mineo」「U-mobile」が提供するプリペイドSIMをチェックした。

プリペイドSIMは格安SIMとどこが違う

プリペイドSIMと通常の格安SIMは、具体的にどこが違うのだろうか。表に、両者の相違点をまとめた。

プリペイドSIMと通常の格安SIMの相違点

最大の違いは、料金に関する部分だ。プリペイドSIMではパッケージ代金として事前に料金を支払うスタイルで、現金でも購入できる。データ容量や利用期間が切れれば解約となるので、パッケージの代金以上に費用は掛からない。言い換えれば、継続して使うにはデータ容量の追加や通常契約への移行といった手続きが必要になる。

これに対し、通常の格安SIMは月額料金を後払いするタイプだ。支払い方法はクレジットカードが基本で、通信会社によっては口座振替も選択できる。解約しない限りは契約が継続され、毎月料金が発生することになる。

選べるSIMカードの種類も異なる。プリペイドSIMの種類はデータ通信専用SIMだけ。音声通話に対応したSIMや、SMSが使えるデータ通信SIMは、通常契約の格安SIMでしか選べない。

通常の格安SIMでは、通信会社が提供するオプションサービス(メールアドレスの付与や端末補償など)が利用できる。だが、プリペイドSIMは使い切ったら解約になるという性質上、基本的にこうしたサービスが利用できない。その点、後述するが、メールアドレスが付与されるOCN モバイル ONE プリペイドは利便性が高い。

データ通信量当たりのコストを比べると、おおむねプリペイドSIMの方が割高。例えばOCN モバイル ONEの場合、プリペイドSIMは3200円で1GBまでしか使えないものもある。一方、通常の格安SIMには1100円で毎月3GB、つまり1GB当たりおよそ367円で使える料金プランもある。

一方、通常の格安SIMは契約するときに初期費用が掛かるため(どの格安SIMでも3000円が相場)、ごく短期間だけ使おうとした場合でも、月額料金と合わせて4000円前後の出費を覚悟しなければならない。対するプリペイドSIMなら3000円前後、パッケージによっては1800円で購入できる製品もあるので、短期間の利用であればリーズナブルだ。

面倒な契約手続きが要らないのもプリペイドSIMのメリット。パッケージの購入後、専用の電話窓口やウェブサイトで開通手続きを済ませるだけでよい。完全使い切りタイプのU-mobileプリペイドのように、開通の手続きさえ必要ないものもある。

通信速度や利用できるエリアについては、プリペイドSIMも通常の格安SIMも同じ。プリペイドだからといって、速度が遅くなることはない。そのため、同じ通信会社が提供する通常の格安SIMを体験できるという意味でも、パッケージの代金しか掛からないプリペイドSIMは適している。

OCNは3種類のパッケージを用意

それでは大手が提供するプリペイドSIMをチェックしてみよう。まずはNTTコミュニケーションズによる「OCN モバイル ONE」のプリペイドSIMだ。以下の表に、「OCN モバイル ONE プリペイド」についての情報をまとめた。

OCN モバイル ONE プリペイドの概要

OCN モバイル ONEのプリペイドSIMには、利用期間いっぱいまで使える「期間型」と、容量を使い切るまで使える「容量型」の2タイプがある。期間型は毎日50MBのデータ容量を開通日から20日間使えるもの(価格2800円)と、毎日30MBを30日間使えるもの(同3791円)の2種類。容量型は1GBのデータ容量を開通日から3カ月後の月末まで使えるもの(同3200円)の1種類が用意されている。

いずれも下り最大通信速度は262.5Mbpsで、利用期間やデータ容量を追加すれば延長して利用できる。1GBの容量型と50MB/日の期間型は、通常契約のSIMに切り替えられる。また、OCNメールのメールアドレスも付与される(利用終了日から30日後まで有効)。

なお、30MB/日の期間型の場合、SIMカードが後日配送されるため、パッケージを購入してもすぐには使い始められない。通常契約に切り替えることもできないため、他に比べて使い勝手は劣る。

IIJmioはシンプルな1種類

次は、IIJが提供する「IIJmio」のプリペイドSIMを見てみよう。以下の表は、「IIJmioプリペイドパック」の情報をまとめたものだ。

IIJmioプリペイドパックの概要

IIJmioプリペイドパックは1種類のみで、2GBのデータ容量を開通日から3カ月間利用可能だ。パッケージ価格は3791円で、通信速度は下り最大225Mbpsとなっている。プリペイドから通常契約への移行も可能だ。

また、500MB当たり1500円、あるいは2GB当たり3000円で容量を追加できる(追加分の有効期間も3カ月)。OCN モバイル ONE プリペイドと同様に、プリペイドSIMとして使い続けることが可能だ。

容量の追加ができないmineo

続いてはケイ・オプティコムが運営する「mineo」のプリペイドSIMをチェックしてみたい。以下の表に、「mineoプリペイドパック」の情報をまとめた。

mineoプリペイドパックの概要

mineoは、auとNTTドコモの2社から設備を借り受けており、それぞれのネットワークで利用できる種類の格安SIMを提供している。「mineoプリペイドパック」もau版とドコモ版が販売されているが、サービス内容は共通で、どちらも1GBのデータ容量を開通日の翌月末日まで利用可能だ。下り最大通信速度はいずれも225Mbpsとなっている。

パッケージ価格は3200円で、プリペイドから通常契約のSIMに移行もできる。ただし、データ容量の追加はできず、1GBのデータ容量を使い切るか、最大2カ月の利用期間を過ぎた時点で解約となる。あくまで「mineoのお試し」という位置付けの製品だ。

U-mobileは使い切り型

最後にU-NEXTの「U-mobile」が提供するプリペイドSIMを見てみよう。以下の表は「U-mobile プリペイド」の情報をまとめたものとなる。

U-mobile プリペイドの概要

U-mobile プリペイドは、利用期間別に「7日間(パッケージ価格1800円)」「15日間(同2800円)」「30日間(同3500円)」3種類が提供されている。どのパッケージも毎日200MBまでデータ通信を利用可能で、下り最大通信速度は225Mbpsだ。

いずれも利用期間を延長できず、通常契約への切り替えもできない。使い切ることが前提という特徴を持っている。

どんな人が買うといいのか

データ通信専用のSIMしか選べず、オプションサービスも利用できないプリペイドSIMは、通常の格安SIMのように継続して長期間利用する目的にはあまり向いていない。

その代わり、契約・解約手続きの手間が掛からず、パッケージ代金以上のコストが掛からないのはメリットだ。出張や旅行のときだけ使いたいモバイルWi-Fiルーターや、普段はWi-Fiだけで使っているLTE対応のタブレットを持ちだして使うときなど、ごく短期間の利用目的に適している。

なかでも「OCN モバイル ONE プリペイド」の容量型(3200円)は、有効期間が開通から3カ月後の末日までと長め(例えば4月1日に開通した場合、7月31日まで使える)。容量は1GBなので、毎月の通信量が250MB以内に収まればよい。1カ月当たり800円となり、普通の格安SIMと同程度まで安くなる。

また、プリペイドSIMは、格安SIMの通信品質を確かめる試用目的にも向いている。今回紹介したOCN・IIJmio・mineoでは、プリペイドから後払いの料金プランに切り替えられる。通信品質に満足できたら通常のプランに移ればいいし、納得できなければ解約されるまで放置してしまっても構わない。

なお、プリペイドSIMは使い終わった後、SIMカードを通信会社に送り返す必要がある。返送先はプリペイドSIMのパッケージや各社のウェブサイトに記載されている。何もしなくても解約されるのは便利だが、SIMカードの返送は忘れないようにしよう。

(ライター 松村武宏)

[日経トレンディネット 2016年1月15日付の記事を再構成]

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