腸すっきり 乳酸菌・食物繊維・油がとれる簡単常備菜

日経ヘルス

2016/2/22
(写真:小林キユウ)
(写真:小林キユウ)
腸の汚れは、便秘が主な原因です。腸をそうじしてくれる3大成分である「乳酸菌」「食物繊維」「オイル」が手軽にとれる常備菜で、腸すっきり美人を目指しましょう。

「便が停滞して腸をそうじできていないと、腸に弱い炎症が起きる。すると、太りやすい、疲れやすい、肌荒れといった不調が出る。便を出して腸をそうじすることが大切」と、順天堂大学医学部の小林弘幸教授は話す。お通じが悪い、お腹が張る――。そんな人は腸をそうじしてくれる3大成分を積極的にとろう。

一つ目の成分は、ヒトの腸内にすみ着いて腸内環境を整える乳酸菌だ。食品ではヨーグルトがよく知られるが、実は味噌や漬物などにも含まれる。

発酵食品に詳しい東京農業大学の前橋健二准教授は「乳酸菌が腸内に多いと悪玉菌の増殖を抑え、善玉菌を増やしてくれる。乳酸菌は味噌や漬物にも含まれていて、麹菌の効果も加わり腸内環境を整える」と話す。いろいろな食品から複数の菌をとると「マンネリ化した腸内細菌を刺激して腸の働きが活発になる」と小林教授は話す。

二つ目は食物繊維。ヒトの消化酵素では消化されないため大腸まで届き、便のもととなり、腸をそうじする。コロンハイドロセラピストの齊藤早苗さんは「普段の食事に食物繊維を1日当たり5~6gプラスすると便通がよくなる。夜に食べすぎると胃腸に負担がかかるため、朝昼にとるのがいい」と話す。

最後はオイル。オリーブオイルは地中海地域で古くから便秘対策に使われてきた。大腸で便を軟らかくし、排便をスムーズにする。n-3系脂肪酸のαリノレン酸が豊富な亜麻仁オイルも、「便秘の患者が毎日大さじ1杯とると便通が改善した」(小林教授)。とるなら「体にいいオイル」を選ぼう。3つの成分が入った常備菜をご紹介。いつもの食事に「ひとさじ」プラスして。

そのまま食べたりトーストにのせて

■アボカドヨーグルト

(冷蔵庫で4~5日保存)

カロリー 498kcal 食物繊維 水溶性2.4g・不溶性5.0g

【材料と作り方】 アボカド1個は角切りにしてレモン果汁を適量かける。ヨーグルト200gに粗塩2つまみ、オリーブオイル大さじ1を入れて混ぜ、アボカドと合わせる。好みでコショウを振る。

※ひとさじは大さじ山盛り1杯分 ※レシピは作りやすい分量

そのまま食べたりご飯にかけて

■キノコ納豆オイル

(冷蔵庫で4~5日保存)

カロリー 423kcal 食物繊維 水溶性2.7g・不溶性8.2g

【材料と作り方】シイタケ1枚を5mm幅に、シメジ1/2パックを粗みじんに切る。フライパンに、シイタケとシメジを入れ、亜麻仁オイルなどのオイル大さじ1と1/2に味噌とみりんを各小さじ1、酒大さじ1を加えてひと混ぜし、中~強火にかける。蓋をしてしんなりするまで蒸し煮にする。ひきわり納豆2パックと合わせる。

■腸をおそうじする3大成分
【乳酸菌】いろいろな菌をとると腸の刺激になる
多くの味噌は麹菌の仕込み後に乳酸発酵が行われる。「乳酸菌は塩のある環境に弱いが、味噌には塩分に強い乳酸菌がいる。風味をまろやかにして塩辛さを和らげるほか、酵母が働きやすいpH環境にする」(マルコメ マーケティング本部開発部 北川学さん)。味噌を摂取すると腸内細菌叢で乳酸菌が増えたという動物での研究報告もある。ヒトに換算すると味噌汁1日2杯分に相当する。
こんな食品に含まれる]・ヨーグルト ・ぬか漬け ・味噌 ・キムチ

【食物繊維】便のかさを増やし、善玉菌を増やす
食物繊維には不溶性・水溶性の2種類がある。不溶性食物繊維はキノコに多く、大腸で便のかさを増し、腸壁を刺激して腸のぜん動運動を活発にする。
水溶性食物繊維は野菜や果物に豊富で、腸内で善玉菌のエサとなり腸内環境を整えるほか、余分な糖や脂質の吸収を抑える働きがある。日本人の食物繊維摂取量は年々低下している。
こんな食品に含まれる]・ゴボウ ・納豆 ・キノコ ・乾物(干しシイタケや切り干し大根) ・ドライフルーツ

【オイル】便を軟らかくしてスルスル出す
オリーブオイルに豊富なオレイン酸は小腸で吸収されにくく、大腸で便を軟らかくしてスムーズな排便を促す。アボカドオイルもオレイン酸を多く含む。また、体にいいn-3脂肪酸のαリノレン酸が豊富な亜麻仁オイルは、ドイツで慢性の便秘にいいとされてきた。エゴマオイルもαリノレン酸を多く含む。
こんなオイルがお薦め]・オリーブオイル ・亜麻仁オイル ・エゴマオイル ・アボカドオイル
前橋健二准教授
東京農業大学応用生物科学部。醸造科学科博士(農芸化学)。調味食品科学研究室で調味料を研究。「発酵は乳酸菌、酵母、麹菌をはじめとする微生物の代謝によるもの。微生物が食品の栄養成分を消化するため、人間が消化吸収しやすくなり、お腹にやさしい。うまみや機能性、保存性もアップします」
井澤由美子さん
料理研究家。国際中医薬膳師。食材の効能と味が際立つ、手軽でキレイになれるレシピが人気。発酵食や薬膳に精通。NHK(きょうの料理)などの番組に出演。近著に「乳酸キャベツ・健康レシピ」(マガジンハウス)等。「腸を元気にすると抗老化や脳の活性化にも役立ちます」

(レシピ考案・料理 井澤由美子、スタイリング 宮澤由香、構成 長野洋子=日経ヘルス編集部、栄養計算 原山早織=食のスタジオ)

[日経ヘルス 2016年1月号の記事を再構成]