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世界で活躍する人が大切に考える3つのこと 石倉洋子さん(一橋大学名誉教授) 第2回

2016/2/16

石倉洋子さんからのメッセージ、第2回。国際社会を自由に闊歩(かっぽ)する石倉さんの視点から、グローバル社会で生きていくために大切なことを挙げていただきました。
(写真:鈴木愛子)

大きな可能性を秘めた30代~40代の世代こそ、変化をおそれずに、自分にイノベーションを起こしてほしい。実際にグローバルな世界で生きていくためには何が必要なのか、具体的にお話ししましょう。

■どこでも何とかなる、と思える力と自信を育てる

前回、今いる環境だけでなく、どこへ行っても何とかなると思える力と自信を身につけることの重要性をお伝えしました。では、そのためにはどうしたらよいのでしょうか。

自信というのは、他人からもらうことはできません。自分の持つ知識やスキルはもちろん、人をまとめる力、コミュニケーション力、仕事に対する誠実さといった基本的な姿勢などもベースになります。多少、「根拠のない自信」でもいいのです。

なかなか自信が持てない人は、自分の「ユニークさ」を探してみてください。性別や年齢、資格や学歴などの客観的な特徴に、真面目さや活発さなどの内面的な特徴の組み合わせで、あなただけのユニークさが見つかります。それを常に磨いて自信に変えていくのです。

体調が悪いと気力がなくなりますから、体力も重要です。私はどんなに忙しくても毎朝必ず、英語のポッドキャストを聞きながらランニングやストレッチをします。運動しながら、その日一日にすることを確認したり考えたりしますよ。

■「違和感」を大切にする

グローバル社会では「自分の意見を持つこと」「ポジションを取ること」が求められます。何事に対しても、「私はこう思う」というものを持っていないと、「いない」のと同じ。「あなたとは考えが違う」と言われたら、「なぜ違いがあるか、考えましょう」といって、違いの背景を明らかにして新しいアイデアにしていけばよいのです。

国際会議などに参加すると、多様な人がさまざまな意見を持っていて、中には「いったいどうしたの?」と思うようなことにこだわっている人もいます。皆を納得させるようなことを言おうと、自らのハードルを無理に上げることはないのです。

大切なのは、常に自然体で、リラックスしていること。日本人は体裁を気にして他人の意見に無理に同調し、自然体でいる人が少ないように思います。でも、一歩外に出れば世界はさまざまな人が異なる意見を持っていて、違和感だらけ。意見の対立や違和感を避けようとしたら、何も得られません。

■集中力をつける

先の先まで考えて計画し、完璧を目指して物事に取り組む人がいますが、今は何があるか分からない時代。先のことを考え過ぎても意味がありません。「とにかくやってみよう。当たって砕けても何とかなる」くらいの柔軟さでどんどん新しいことにチャレンジし、経験を積むことを大事にしてください。

いろいろなことに取り組んで成功している人に共通するのは、集中力がずば抜けていることです。やるべきことにその場で集中して片をつけてしまう力はものすごく大事です。時間と場所を忘れてしまうぐらい一つのことに集中する経験を、実感として持つことです。集中力がないと、例えば仕事をしていても家のことが気になったり、休暇中なのに仕事が気になったりして、生産性を大きく落とす原因になります。

私の場合、その日やることを決めて、一番やりたくない仕事から始めます。フェイスブックで「今から○○をします」と宣言し、やらざるを得ない状況を作ります。集中するための方法や時間の使い方は常に意識して、自分であれこれ考えて変えてみることが必要ですね。

(写真:鈴木愛子)
石倉洋子さん
米バージニア大学大学院経営学修士(MBA)、米ハーバード大学大学院経営学博士(DBA)を修了。マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社でマネジャーを務めた後、青山学院大学国際政治経済学部教授、一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授、慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授のほか、各種企業の社外取締役を歴任。専門は経営戦略、グローバル競争におけるイノベーション戦略、競争力、グローバル人材。『世界で活躍する人が大切にしている小さな心がけ』(日経BP社)ほか著書多数。

(ライター 内藤綾子)

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