トゥミに季節限定3in1、2016年春のビジネスバッグ最新ビジネスギア情報局

展示会のテーマでもある地中海のイメージをファブリックの柄やカラーリングで表現した製品群。従来のTegra-Lite(R)、Sinclair、Voyageurコレクションに、地中海に見られる建築装飾の文様などをあしらっている
展示会のテーマでもある地中海のイメージをファブリックの柄やカラーリングで表現した製品群。従来のTegra-Lite(R)、Sinclair、Voyageurコレクションに、地中海に見られる建築装飾の文様などをあしらっている
日経トレンディネット

2016年春夏のバッグから2つのブランドの新作を紹介する。機能満載の新シリーズをはじめ、今までとは違う“らしくない”コレクションも発表された「TUMI(トゥミ)」と、スタンダードラインを大切にし、上質な革にこだわった旅への郷愁を誘うバッグを発表した「トライオン」。ビジネスパーソンにとってはどちらも1つは持ちたいものである。

ひとつのバッグが3つに分かれるトゥミの限定品

トゥミの2016年春のテーマは「地中海への旅」。これまでのトゥミのコレクションとは異なり、他でもあまり見たことがない3in1タイプの製品が登場した。シーズン限定の製品のため、早めにチェックしておく方がよさそうだ。

「Bayfield」コレクションは、旅行用カバンなどにときどき見られるもう一つのカバンを内蔵したタイプをさらに推し進めたコレクション。バックパックの2つの大きなフロントポケットは、取り外すとそれぞれスリングとトートバッグになるのだ。

もちろん、メインのバックパックのポケットとしての機能もある。例えば、フロントポケットに手回り品を入れて、目的地に着いたら取り外してそれだけ携帯する、といったことができる。また、スリムなバックパックタイプもあり、そちらはバックパックのメインコンパートメントがそのままショルダーバッグとして取りだせるようになっている。さらに、外側のポケットも取り外せばミニショルダーとして使用可能だ。

フロントに付いている2つのポケットは、このように上段部分がスリングに、下段部分がトートバッグに変形する
「Bayfield」コレクションは、1つのカバンが3つのカバンになる。バックパックのフロントポケットは、取り外すとそれぞれ独立したカバンになるのだ

シンプルでコンパクトなデザインが目を引いた「Harrison」コレクションは、日本の通勤事情にも対応できる小振りのブリーフケースやスリムなデイバッグもラインアップされていた。膝に置いても左右がはみ出さず、エッジのカーブも柔らかいスタイルは、タフさとエレガントさが両立していて、トゥミらしくない外観にトゥミらしい機能性を共存させた印象。革ながら軽量で、個人情報を外部から読み取られることを防ぐ「トゥミIDロック」を装備。デジタル機器用のポケットなどの豊富な機能も内蔵している。

レザーのビジネスバックがそろう「Harrison」コレクション。ソフトなレザーが扱いやすい
日本での利用に適したコンパクトなモデルもラインアップ。薄マチで軽い革のブリーフケース(右)は一つ持っていると重宝するのだ

ロック式開閉システムのキャリーケース

キャリーケースでは、「Tegra-Lite(R)」の新しいコレクション「X-Frame」が面白かった。軽量にして丈夫なTegris(R)(熱可塑性ポリプロピレン複合素材)製のキャリーケースに樹脂ではなくスチールフレームを搭載。より耐久性、耐衝撃性、耐水性をアップさせた上に、ファスナーでなく2~3カ所(サイズにより異なる)のロックによる開閉システムを採用。カバンの向こう側まで手を回す必要がなく、スマートに開閉できるようになっていた。

軽さと頑丈さを両立させた「Tegra-Lite(R)」の新しいコレクション「X- Frame」
ロックが2カ所(側面と上下に各1個)に用意され、この部分の開閉のみでキャリーケースを開閉できる

「Arrive'」コレクションに搭載されていた新しいハンドル「XT45テレスコープハンドルシステム」も興味深い新機構だ。トラス構造の考え方をベースに成形した金属のプレートに穴を開けて軽さを表現したデザインのハンドルは、従来よりも軽量化しながら強度をアップ。ハンドルチューブ部分がゆがむことでハンドルの出し入れができなくなるといったトラブルも防げる構造だという。さらに握りやすいソフトレザーのグリップを装着し、操作性を向上させている。

「Arrive'」コレクションのトラベルケースに搭載された「XT45テレスコープハンドルシステム」。この独特の形状が強度と重量の最適なバランスを実現
「Arrive'」コレクションはキャリーケース以外にも、ビジネスブリーフなどのビジネスバッグが豊富にラインアップ。耐久性に優れたHTLSポリエステルとレザーを組み合わせたクールなデザインのコレクションで、全ての製品に個人情報保護機能「トゥミIDロック」が搭載されている

都会的アウトドアをテーマにした機能バッグ

「都会的アウトドアライフを制覇する」という新しいコレクション「Tahoe」は、耐久性の高い高密度のポリエステルを使ったリュックとメッセンジャーバッグがラインアップされていた。いわばデイタイムやオーバーナイターのバックパックバージョンといった感じのシリーズで、ビジネスと旅行の中間を行く新しいカテゴリーのバックパックだ。

外側にポケットを多く搭載していて、そこに止水ファスナーを採用するという機能性の高さがうれしい。中でも「デール」バックパックという製品は、中央にファスナーとハンドルがある、まるでボストンバッグをそのまま背負うようなデザインが斬新。

バックパックとメッセンジャーバッグをラインアップした新しいコレクション「Tahoe」は、カリフォルニアとネバダの州境にあるタホ湖から取ったシリーズ名。ポリエステルの密度の高い織りが特徴の素材で耐久性が高い
ボストンバッグをそのままバックパックにしたような「デール」は、「Tahoe」の中でも目を引く製品。都市と大自然の中間を行く、シリーズコンセプトにぴったりのデザインだ

風合いを楽しめるタフな革カバン―トライオン

トライオンは、本来は野球用のグローブのメーカーだが、グローブ用の革を使った使い勝手の良いカバンも数多く作っている。グローブに使われている革は衝撃に強く、それでいて柔らかく、しかもリーズナブルなので、革カバンの風合いをたっぷりと味わえる。

特に、グローブ製作時に出る切れ端をパッチワークにしてトートバッグに仕立てたシリーズは、デザインとエコロジーと耐久性とコストパフォーマンスを併せ持つ名作で、ロングセラーになっている。

トライオンを代表する「PWシリーズ」。グローブで使う革の切れ端をパネルにしてトートバッグや革小物に仕立てる
PWシリーズには、単色のパネルを使うモノもある。このサイズ(W32cm×H33cm×D10cm)のビジネストートで革製で税込み2万3760円というリーズナブルさ

旅への郷愁を誘うボストンバッグ

トライオンでは、2015年の秋冬、2016年の春夏は共に従来のラインアップのリニューアルが中心になっているが、それは、もともとビジネスバッグ、トラベルバッグ、トートバッグなどのベーシックなスタイルを大切にしてきたトライオンのカバンの完成度が高かったということ。

薄マチでコンパクトなブリーフケースは、革の表情を最大限に美しく見せながら、B4、A4、A5と各サイズがそろうため、用途に応じて選びやすい。そのブリーフケースの内装を明るいファブリックに変えて、ポケット類も現在の所持品向きにリニューアルするといった形で、その完成度の高さに磨きをかけている。

各サイズがそろう革の薄マチブリーフケース。小さい方から「A114」(1万2960円)、「A115」(1万6200円)、「A116」(1万8360円)、すべて税込み
中を見渡しやすい明るい色のファブリックを使った新しい内装は、デジタル機器などを収納しやすいマチのあるポケット2つとシンプルなペン挿しを装備。無駄を廃しながら、必要最小限の機能を提供するシンプルなスタイル

大型のボストンバッグなどのトラベルバッグもラインアップ。特に、シュリンクタイプのグローブ用レザーを使った大型ボストンバッグの「TRUNK CC2」は、キャリーバッグ全盛の現在の流れに逆らうかのような、旅への郷愁を誘う製品だ。

2016年春夏には、上質なステア(去勢したオスの牛革)のハイドレザーにシワ加工した柔らかさをデザインに応用したシリーズも発売。長く使えて経年変化も楽しめる革鞄の面白さを十分に味わえる製品を用意していた。

2016年4月発売予定の柔らかい革のシルエットをうまく使った新しいシリーズ。詳細は春以降のお楽しみ
たっぷり入るボストンバッグをシンプルでクラシカルなスタイルにまとめ、長めのハンドルをアクセントに使った「TRUNK CC2」(5万5000円)。幅475mmの大型旅行カバンだ

(ライター 納富廉邦)

[日経トレンディネット 2016年1月7日付の記事を再構成]