週間・月間・年間予定を一度に確認できる新世代手帳
こんな「手帳」が欲しかった
スマホの台頭で縮小傾向かと思いきや、実は手帳市場は「むしろ右肩上がりに伸びている」(出版社の高橋書店)という。
そもそも手帳は表示面積の小さいスマホよりも一覧性に優れていたが、最近では紙の折り方や冊子の組み合わせなどで、複数のスケジュールを一度に見られるものが増加。紙としての長所を武器に一覧性をさらに向上させ、多くのユーザーを取り込んでいるようだ。
年、月、週を俯瞰できる"パノラマ手帳"
「週」「月」「年」の予定を同時に見渡せることで大きな話題となり、一時品薄状態になったのが「モーメントプランナー」(グリーティングライフ)だ。冒頭にある見開きの左ページが内側に折りたたまれており、開くと年間カレンダーが顔を出す。「月間」も同様に折りたたまれており、右ページに配置された「週間」を挟んでいけば第2週以降でも月間を確認しながら週の予定を立てられる。左側から年間、月間、週間のページが並び、予定を一度に確認できる仕組みだ。
月間はカレンダーのように記入欄が並んだ「月間ブロック」のフォーマット。週間には日付が横方向、時間軸が縦方向に記載された「週間バーチカル」が採用されている。厳密な時間管理ができ、空き時間などを見つけやすい週間バーチカルも最近のトレンドの一つで、人気が高まりつつあるという。
年間カレンダーや月間ブロックの予定を見ながら、週間バーチカルでスケジュールを細かく調整できるモーメントプランナーは柔軟性が高く、非常に使いやすかった。月間ページの裏はTo Doリスト、週間ページの裏は横ケイメモになっており、書き込むスペースが意外に多いのも魅力だ。
分けても使える月間と週間の融合タイプ
月間ブロックと週間バーチカルといった2冊の手帳を組み合わせることで一覧性を高めたのが「NOLTY ネクサスA5バーチカル」(日本能率協会マネジメントセンター)や「A5コネクションバーチカルウィークリー」(ユナイテッドビーズ)だ。
NOLTYネクサスは2冊の手帳を横に並べることで、月間ブロックと週間バーチカルの予定を同時に見られるようになっている。週間バーチカルは見開きに加えて土日省略タイプのため、平日のスペースが広い。分冊型なので、荷物を少なくしたいときには薄い月間ブロックの冊子だけを持ち歩くという使い方もできる。ノートは約50ページと多めになっている。
曜日がそろってわかりやすい分割型
A5コネクションは月間ブロックと週間バーチカルの2冊を上下に組み合わせたタイプ。場所を取らずに月間と週間の予定を同時に確認できる。曜日の位置が上下でそろっているため使いやすい。週間バーチカルの冊子は半年ごとに2冊用意されている。ロフトでのみ販売している。
薄くて軽い、新発想のユニーク手帳
一覧性を高めるため、従来の手帳の形を超越してしまったのが、「Pat-mi」(コクヨ)だ。
月間ブロックの上に週間バーチカルを配置したユニークなレイアウトと構造を採用し、ページを縦方向にめくるだけで詳細な予定を確認できる。紙が上下にずれて重なった部分が月間ブロックで、めくるとその週のバーチカルが上部に現れる仕組み。「月、週、日の予定を素早く切り替えられるデジタルの良さを紙に取り入れた」(コクヨ)という。
1カ月ごとの分冊タイプで、専用ホルダーに1、2冊を挟んで使う。専用ホルダーは薄くて軽いため、必要なものだけをスマートに持ち運べるのは大きな魅力。ホルダーを使わないで、必要な月だけをノートなどに挟んでおくのもいいだろう。
長期間の予定を一気に見られる蛇腹式
クリエイターズダイアリー(D-BROS)は蛇腹折りになった手帳。、すべて広げれば1年間の予定を見渡すこともできる。裏面は極薄のドットが印刷されたメモスペースで、反対側から開けばメモ帳としても使える。背になる部分がないので、扱いにはやや慣れが必要。
ミニプランナー(リド)も蛇腹折りの手帳だ。1日の時間軸が横に並んだホリゾンタルタイプで、見開きで1カ月の予定を確認可能。最長で7カ月の予定を俯瞰できる。
手帳としてはポケットサイズで多くの情報は書き込めないが、本体はそのぶん薄く、スマホなどとの併用に向く。文具専門店の伊東屋が直輸入している。
リング式でページ入れ替えが容易
コロモガエ ダイアリー(LIHIT LAB.)はリングノート型の手帳。印に指を添えて左右に引くだけで簡単にリングが開くので、ページを気軽に入れ替えられるのが特徴。左側が月間ブロック、右側がホリゾンタルになっており、月間ブロックのページをずらせば第2週以降でも月間と週間の予定を同時に確認できる。
(日経トレンディ編集部)
[日経トレンディ2015年12月号の記事を再構成]
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