軽量高倍率か4K高画質か 最新ビデオカメラ対決

春を目前に、家電メーカー各社からビデオカメラの新製品が出そろった。子供の新入園や卒園・新入学など、「出会いと別れの季節」に向けて新製品が登場する。4月から5月にかけて「春の運動会」を実施する小中学校も多いので、それまでには買っておきたいところだ。そこで最近のビデオカメラのトレンドや選び方、お薦めの機種について紹介していこう。

■「お手軽高倍率ズーム」か「本気の4K高画質」

売れ筋はズバリ、4万~5万円前後の低価格エントリーモデルだ。

特に人気なのが軽量コンパクトな高倍率ズーム搭載モデル。30倍から50倍前後の光学ズームを搭載しながらも、重さは300g前後と軽いため、女性でも長時間ホールドして撮影しやすい。運動会などでは「お父さんはデジタル一眼レフで写真撮影、お母さんはビデオカメラで動画撮影」といったように分担することも多く、ビデオカメラは女性にとっての使い勝手の良さが重要となる。

もう一つ、急速に注目を集めているのが「4Kビデオカメラ」だ。こちらは前出の“お手軽モデル”とは正反対の超高画質モデルという位置付けになる。現行の「AVCHD規格」のビデオカメラに採用されているフルハイビジョンは「1920×1080ドット」なのに対し、4Kビデオカメラはその4倍(縦横各2倍)の「3840×2160ドット」を採用しており、圧倒的な解像度の高さが魅力となっている。

ここ1~2年で急速に「4K対応テレビ」(4K解像度の薄型テレビ)が普及している背景もあるが、4Kテレビを買う前に4Kビデオカメラを買うというユーザーもいるようだ。

現状ではまだ4K映像をブルーレイなどのディスクに保存する規格ができあがっていないため、撮影した動画を視聴する場合はビデオカメラ本体で再生しなければならない(※パナソニックの4Kビデオカメラと最新BDレコーダーの一部機種の組み合わせの場合、4K映像をSDカード経由でBDレコーダーのハードディスクに取り込める。ただしBDなどのディスクへの記録には対応していない)。それでも、赤ちゃんや幼児のころの思い出はできるだけ高解像度で残しておきたいという人も多いのではないだろうか。

■「スマホ対応」もかなり重要な要素

さらに注目したいのは、一部のモデルにスマホやタブレットへの転送機能が搭載されている点だ。

最近はスマートフォン(スマホ)のカメラで撮影した風景や日常の一コマ、自撮り写真をFacebookやTwitter、InstagramなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)にアップする人も多いが、一部の人はWi-Fi(無線LAN)転送機能を搭載する高画質デジカメからスマホに画像を転送してアップするといったワザを使いこなしている。実はビデオカメラでも同様のことができるのだ。

スマホからビデオカメラにWi-Fiで直接アクセスすることにより、撮影したばかりの動画や写真をスマホに取り込んでSNSやYouTubeなどに手軽にアップできる。スマホやタブレットに転送できる動画形式は限られているが、スマホでは撮れない高倍率ズーム映像などを手軽に転送できるのは魅力だろう。

続いては、目的別にお薦めのモデルを紹介しよう。基本的に画質を追求したモデルはセンサーやレンズなどの光学ユニットが大型になるため、大きくて重くなるだけでなく、光学ズームの倍率にも限界がある。逆にコンパクトで高倍率ズームを求めると、センサーを小型化しなければならないため、画質が犠牲になってしまう。選ぶ際は、そのバランスの見極めが重要になる。

■お薦めモデル1: 手軽さ・安心さならこれ

●JVCケンウッド「Everio GZ-RX600」(実勢価格7万円前後/税込み)

JVCケンウッド「Everio GZ-RX600」 幅60×高さ59.5×奥行き127mm(最大突起部含む、グリップベルト含まず)、本体重量 約295g(グリップベルト含む)

お父さんは一眼レフ、お母さんはビデオカメラといったように分担して撮りたいという人にお薦めのモデルがこれ。最大の魅力は、小型軽量で高倍率ズームを搭載している点だ。長時間の手持ち撮影がしやすいだけでなく、遠くからの撮影でもしっかりと撮りたい映像を狙える。

AVCHD規格のフルハイビジョンビデオカメラで、光学60倍の高倍率ズームを搭載。水深5mに30分間浸けても大丈夫な「IPX8」、噴流水に強い「IPX6」を備えており、IP5Xの防塵性能も備えている。1.5mの高さから落としても大丈夫な耐衝撃性能、-20度の環境に24時間放置した後でも-10度の寒さで撮影できる耐低温性能など、かなりのヘビーデューティー仕様を採用している。それでいて、本体重量295gという軽さが魅力だ。

Wi-Fi機能も内蔵しており、リモート撮影や映像の転送などが手軽に行える。5時間もの撮影が可能な大容量バッテリーを付属しているだけでなく、モバイルバッテリーで充電できる点も安心感が高い。

■お薦めモデル2: 4K対応の安心感と使い勝手で選ぶならこれ!

●パナソニック「HC-WX990M」(実勢価格11万円前後/税込み)

パナソニック「HC-WX990M」 幅89×高さ77×奥行き197mm(突起部含む、同梱バッテリーパック・レンズフード装着時)、本体重量 約473g(同梱バッテリーパック・レンズフード装着時)

すでに4Kテレビを持っている、もしくは「後で後悔しないように4Kで撮影しておきたい」という人にお薦めなのがこのモデルだ。

4K動画を撮影できるだけでなく、光学20倍と高画質モデルとしては高倍率のズームを搭載している点が魅力。4Kで撮影した映像から好きなところだけを抜き出してフルハイビジョン動画として記録できる「あとから補正」が秀逸だ。

顔認識によって子供をフレームアウトさせずに追いかける「あとから追っかけ」や、映像に動きを持たせる「あとからズーム/パンニング」など、「撮った後の楽しみ」を提案している点がうれしい。

サブカメラや、Wi-Fi接続したスマホのカメラ映像を画面隅に「ワイプ」として記録できる「ワイプ撮り」もパナソニック独自のユニークな機能として使いこなしたい。スマホからの遠隔操作やスマホへの動画転送だけでなく、自宅の「見守りカメラ」としても使えるなど、かなり機能がてんこ盛りなモデルだ。

■お薦めモデル3:撮影した映像をすぐ壁に映写できる

●ソニー「ハンディカム HDR-PJ675」(実勢価格8万円前後/税込み)

ソニー「ハンディカム HDR-PJ675」 幅61.5×高さ66.0×奥行き130.5mm(バッテリー含む)、重量 約380g(本体付属バッテリー使用時)

「動き回る子供をしっかり手ブレせずに撮りたい」といった用途や、「せっかくだから撮影後も楽しみたい」という人にお薦めのモデルがこれだ。

ハンディカムシリーズの大きな魅力の一つが「プロジェクター内蔵」。この機能を使えば、撮影した動画を本体だけで壁などに映写できるのだ。テレビにケーブルで接続する手間もかからない。

最大25ルーメンという明るさは物足りないようにも思えるかもしれない。しかし旅行先の部屋の壁に50インチ、60インチクラスの映像を投影するといった用途には全く問題のない明るさだ。外部から入力できる端子(マイクロHDMI端子)も装備しているので、タブレットやパソコンの映像を投影するといった用途にも使える。接続ケーブルさえあれば他の人がスマホで撮影した映像を見ることもできるし、パソコンにつないでビジネス用途にも活用できる。

レンズから撮像素子までのユニット全体を宙に浮かせた状態で強力に手ブレを抑える「空間光学手ブレ補正」を搭載しているので、歩き撮りなどの手ブレしやすい状況でも安定した映像を撮影できる。

※価格は2016年2月16日時点の都内家電量販店WEB価格を調査

(IT・家電ジャーナリスト 安蔵靖志)

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