マネー研究所

Money&Investment

デビットカード、海外でも 外貨預金で決済も可能

2016/2/14

 買い物の支払いに使うと代金が普通預金口座から即座に引き落とされるデビットカードの発行がインターネット専業銀行を中心に相次いでいる。VisaやJCBといった国際ブランドと提携し、国内外の幅広い加盟店で決済に利用できるのが最近の傾向だ。外貨預金を引き落とし口座にできたりと、機能も充実してきた。

 「カードを使う前に預金口座の残高がいくらかを確認する習慣がつきやすい」。ファイナンシャルプランナー(FP)の山口京子さんはデビットカードを利用するメリットをこう話す。

 デビットカードは店舗のレジにある専用端末に通すと支払代金がすぐに預金口座から引き落とされる仕組みだ。原則、預金残高がある限り利用できる。年収などをもとに限度額が決まるクレジットカードと違って審査は不要だ。

 デビットカードには国内統一規格の「Jデビット」が従来からあるが、最近増えているのが世界中の加盟店やインターネット通販で幅広く使えるタイプだ。VisaやJCBと提携しており、「ブランドデビット」と呼ばれる()。15~16歳から持てることが多い。

 今年に入りソニー銀行と住信SBIネット銀行がそれぞれ発行を開始。セブン銀行も秋の導入を予定する。スルガ銀行や楽天銀行、イオン銀行など、デビットカードの種類を増やす動きも目立つ。普通預金口座の開設を通じて取引拡大につなげるのが狙いだ。

 ブランドデビットは機能が多彩になっている。通常は海外で使うと代金が円建てに換算されて円預金口座から引き落とされる。これに対してソニー銀の「ソニーバンク・ウォレット」はドルやユーロ、豪ドルなど10種類の外貨普通預金を引き落とし口座として使える。

 住信SBIネット銀もドル口座での決済が可能だ。このほか海外を中心に「ペイウェーブ」という表示のある店舗ではカードを店員に渡さず専用機にかざすだけで使える。前払い式の電子マネーの機能を付加する例も多い。イオン銀の「WAON」、セブン銀の「nanaco」、ジャパンネット銀行の「Tマネー」だ。

 ポイントの付与率はクレジットカードと比べると見劣りすることが多い。それでも、加盟店での利用額の1%分のポイントをつける楽天銀のように力を入れる例も出てきた。ジャパンネット銀はコンビニエンスストアの「ファミリーマート」で利用すると「Tポイント」が200円で2ポイント以上に上乗せされる。

 気になるのがカード紛失時などの不正利用だ。ジャパンネット銀は年間で500万円、住信SBIネット銀は同100万円、ソニー銀は原則1日200万円と、補償額の上限は銀行ごとに異なる。

 海外旅行傷害保険などクレジットカードで一般的な特典も一部を除き付かない。ガソリンスタンドや高速道路料金など利用できない加盟店もある。Jデビットと混同される例もあるので利用時はVisaやJCBで払うと伝えた方がスムーズだ。(藤井良憲)

[日本経済新聞朝刊2016年2月6日付]

マネー研究所新着記事

ALL CHANNEL