ダイソン初のLED照明、着想は製図板とエレベーター
ダイソンがLED照明の分野に参入した。デスクライト「CSYS(シーシス) desk」は、税込み7万円程度と高価だが、効率よく素早く放熱する独自構造により、明るさや色調が37年間も変わらないという。動作機構や見た目はユニークな一方、実用性も高かった。
「CSYS desk」最大の特徴は、一般的なLED照明の寿命の約4倍に相当する「37年間も光の明るさと色調を保てること」(ダイソン)。その秘密は放熱機構にある。
LEDは一般に長寿命とされるが、熱にさらされると劣化する。実はLEDも白熱電球ほどではないとはいえ、発光する際に熱を発するため、放熱効率を高めることが重要になる。
そこでダイソンが採ったのは、熱伝導率が高い銅製のパイプを使い、その内側に1滴の水を封じ込める手法。この水は気化する際に素早く熱を奪い、冷えれば再び水に戻る。パイプはヒートシンク(放熱器)を兼ねるアルミ製のアームと一体なので、アーム全体で熱を大気中に逃がす。
照明の位置を調節する機構も独特だ。アームと支柱が十字に交差して滑車で自在に動く構造は、製図板とエレベーターから着想を得たという。使ってみると、指先で軽く押すだけでアームが上下左右に滑らかに動き、しかもピタッと止まるので、照らす位置を正確に決められる。
価格が税込み7万円程度と高価だが、"37年"という寿命と使い勝手、個性的なデザインを気に入れば、購入する価値はある。
(日経トレンディ編集部)
[日経トレンディ 2015年10月号の記事を再構成]
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