バリスタが選ぶ1万円のコーヒーメーカー3機種
本当にいいもの100選
挽きたての豆から、香り豊かなコーヒーをドリップして飲みたい。それを自宅にいながら、しかも全自動で楽しめる低価格のコーヒーメーカーが相次いで発売された。市場の牽引役となったオークセールの「全自動コーヒーメーカー STC-501」(税込み1万1080円)に加え、2015年9月発売のイーバランス「ルームカフェ エクセレント EB-RM800A」(税込み1万5984円)、2015年10月発売のシー・シー・ピー「全自動ミル付きコーヒーメーカー BZ-MC81」(税込み9380円)の3モデルを用意。バリスタの岡村啓史氏に協力を依頼し、コーヒーの味わいと使い勝手を検証した。
「味わいが濃厚で豆の酸味と苦みをきちんと抽出できている」。岡村氏が高く評価したのはオークセールだった。理由の一つが、ミルの刃が3機種のなかで最も鋭いこと。豆を細かめに挽くことで味わいを引き出せている。岡村氏が「どの豆を使っても外れなく味わえる万人向けの設計」と評する通り、低価格モデルらしい"味付け"だ。
一方、味が薄めだったのがイーバランスとシー・シー・ピー。なかでもイーバランスは豆が最も粗く挽かれたこともあって「アメリカンコーヒーのような薄さ」(岡村氏)。シー・シー・ピーは「毎日味わってもらいやすいよう飲みやすさを重視した」(同社)といい、「香りや苦み、酸味を程よく感じさせるライトな味わい」(岡村氏)だった。
次に使い勝手はどうか。規定量の豆と水を入れ、スタートボタンを押すだけなのは3機種とも同じ。ミルの動作音は86dB前後と同等で、抽出後にメッシュフィルターに水分を含んだコーヒーかすが残るのも同じだ。ただ、ミルとフィルターが一体のオークセールとシー・シー・ピーのほうが、使用後に外して流し台に持っていきやすかった。
総合的に判断すると、コーヒー豆の味わいをしっかりと引き出し、使い勝手もいいオークセールが有力候補。飲みやすさを重視するならシー・シー・ピーを選んでもいいだろう。
象印マホービンが15年10月に発売した「珈琲通 EC-NA40」は、実勢価格が3万円を超える高級機。実力を検証したところ、「香りが格段に良く、豆本来のチョコレートのような味わいがきちんと出ている。喫茶店で出してもいいレベル」(岡村氏)との高評価。サーバーが魔法瓶なのも強みで、高いなりの価値があるといえそうだ。
(日経トレンディ編集部)
[日経トレンディ2016年1月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。
関連企業・業界