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相続空き家、売るなら早く 放置すると費用かさむ

2016/1/30

親から実家を相続したものの生活拠点の違いなどから放置し、空き家になっている人は多いだろう。しかし空き家を売るのか、管理しながら持ち続けるのかといった決断を早くする方が、家計の負担は軽くなるかもしれない。「特定空き家」に指定されると固定資産税が上がる空き家対策特別措置法が昨年施行されたのに続き、相続した空き家を売れば税優遇を受けられる制度が今年4月から始まる見通しだからだ。

東京都新宿区に住む会社員Aさん(40)は心配事がある。静岡県東伊豆町で一人暮らしの父が住む一戸建てだ。父は70代後半。もし相続が発生すれば一人息子のAさんが引き継ぐが、住むつもりはまったくない。父が20年ほど前に田舎暮らしがしたいと移住した家で、Aさんには縁もゆかりもないためだ。「幹線道路から離れていて、売るのも難しい。きちんと管理をしないと税金が高くなるとも聞くし、頭が痛い」と話す。

総務省の調査によると全国の空き家は2013年10月時点で820万戸で、空き家率(住宅全体に占める空き家の割合)は13.5%といずれも過去最高だった。高齢化や少子化が背景だ。野村総合研究所では、住宅以外への転用などが進まないと空き家率は33年に30.2%になると予想する(グラフA)。

■放置で負担拡大も

空き家になる理由で多いのは、親の死去などで引き継いだ家を持て余すパターン。国土交通省の調査で空き家になった住宅を取得した理由を聞いたところ「相続した」が過半を占めた(グラフB)。郊外の持ち家に住む団塊世代は多いため、相続に伴って空き家の扱いに悩む団塊ジュニアが増えるとみられている。

ただし空き家をいつまでも放置しておくと家計の負担が増す可能性がある。昨年5月に全面施行された空き家対策特別措置法では、倒壊の恐れなどがある空き家について市町村は「特定空き家」に指定でき、一定の手続きを経て住宅用地の固定資産税が最大6倍になる。対象は著しく状態の悪い空き家とされるが、指定の判断には各自治体に裁量の余地もある。

では空き家にはどう対応すればいいのだろうか。自分や家族がいずれ利用する予定はなく、一定の家賃も見込めなければ売却を考えるのが無難だ。空き家は所有するだけで費用がかさむからだ。固定資産税のほか、定期的な掃除などのための電気代や水道料金、万一に備える火災保険の保険料も必要だ。

こうした費用は建物の状態や立地などで違うが、空き家の管理サービスなどを手掛けるNPO法人「空家・空地管理センター」(埼玉県所沢市)の上田真一・代表理事によると、年30万~50万円程度の例が多いという。

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