中古マンションの管理、徹底的に見極める不動産コンサルタント 長嶋修

マンションの居住性は、所有者たちの意識にかかっている。同じ築10年のマンションでも、そのマンションを大切にしていこうと思っている人が多いマンションと、そうでないマンション、つまり所有者の意識が低いマンションとでは、外観や汚れ、共用部の整理整頓具合、ひいては建物の寿命など、その差は随所に表れてくる。

エントランス周りは情報が豊富

中古マンションの管理状態を見極めるにはいくつかチェックポイントがある(東京・中央のマンション群)

確認方法はまず、所有者へのヒアリングだ。コミュニティーは良好か、管理組合の総会に熱心に参加するかなど、実際に聞いてみよう。自分の目で確かめてみることももちろん大切で、部屋だけでなく、共用部分、マンションの敷地内全体を、管理や所有者の意識を持ちながらしっかり確認する。可能なら、何度か確認に訪れるのがいいだろう。

例えば、エントランス周りや駐車場付近がきれいに管理されているか。エントランス前に自転車が放置されていたり、バルコニーに布団が干されていたりするようなところは、管理の徹底がなされていない懸念がある。エントランス前に「駐車禁止」などと大きな看板が掲げられている場合、駐車してしまう人が多いということも考えられる。

エントランス周りでは、掲示板にも注目。ピアノの音への苦情問題や、ペットへのクレーム、問題のある居住者など、マンション内で起こっているトラブルについて知ることができる。

居住性のチェックポイントとして、もうひとつ重要なのが、具体的なマンションの「管理」。「管理規約」や「収支」といったポイントをチェック、管理状況を把握しよう。

管理状況の判断方法は2つある。仲介担当者から資料を取り寄せてもらうこと、そして仲介担当者から確認してもらうこと。自分である程度確認し、より具体的に検討したい段階になったら、この2つを仲介担当者に依頼してみよう。

取り寄せてもらう資料は4つ。「管理規約と使用細則」「長期修繕計画書」「管理組合総会議事録」を3年分程度、そして「新築時のパンフレット」だ。

駐車場、ペット、楽器……

1つずつ、チェックポイントを見ていく。まずは管理規約と使用細則。厚めの資料ゆえ、すべてを取り寄せることは難しいかもしれないが、重要なところだけコピーしてもらう方法もある。

管理規約や使用細則で必ず注意したい主なポイントは、「駐車場の利用権」「ペットの飼育規則」「楽器の演奏制限」「共用部の利用制限」の4つだ。

駐車場が足りないマンションでは、「何年かごとに再抽選する」「放棄しない限り権利継続する」という2つのパターンがある。当初は利用できなくてもその後、使用する権利が得られるかどうかで大きく変わってくる。

ペットや楽器はトラブルの元になりがち。ペット全面禁止のマンションでもない限り、たとえ自分がペットを飼わなくても、周りの人が飼う可能性もあるため、気になる点はないか確認が必要だ。ペットの種類や大きさ、頭数などについて決められているのが一般的だ。

楽器について、新築時には管理規約に常識の範囲内でと記載されているケースが大半だが、入居後に何か問題が起こると、例えば夜7時以降禁止、朝は10時から可能といったように規約を変更しているケースがある。

大規模マンションによくあるゲストルームなど共用施設の利用は、おのおの1年に1回までと決められている。そもそも500戸などまとまった戸数があるマンションでは、全員が平等に使用するためには、利用は年に1回か2回が限度だろう。

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