子どもが家庭教師のバイト 103万円以下でも要注意

2016/1/26

税務署は見ている

Aさんは大阪在住の会社員。息子さんは東京の大学に通っていて、年末年始はアルバイトが忙しいということで、今年も実家に帰って来られませんでした。「あいつ、結構、稼いでるみたいなんですけど、扶養家族に入れといてええんでしょうか?」。そんな不安をお持ちのAさんとの対話を再現してみましょう。

飯田:「息子さん何年生でしたっけ?」
A:「今、4年生なんですよ」
飯田:「じゃあ、この3月で卒業?」
A:「それが、まだ後2年行かせてくれって言われてるんです」
飯田:「大学院に進まれるんですか?」
A:「ええ、まぁ……」
飯田:「優秀なんですね」
A:「いえいえ、理系なんで、友達もほとんど院に行くみたいと言ってるんです」
飯田:「私立なんですか?」
A:「はい」
飯田:「お金、結構かかるんでしょう?」
A:「本人もちょっとはお金のことを気にしてくれてて、学費は奨学金で賄って、小遣いは自分でアルバイトして稼いでくれてます」
飯田:「それで年末年始もアルバイトされてるんですね」
A:「まあ、そんなところです」
飯田:「どんなアルバイトされてるんですか?」
A:「家庭教師です。研究もせんとあかんし、普段は1日2時間くらいで、ちょうどいいって言ってました」
飯田:「なるほど……」
A:「そやけど、ちょっと気になってるんです」
飯田:「何がです?」
A:「最近、家庭教師のアルバイトは時給が高いってことを小耳に挟んだんです」
飯田:「ふむふむ」
A:「時給2500円のとこもあるらしいんですよ」
飯田:「へぇ~、そんなに……。で、息子さんはどれくらいもらったはるんですか?」
A:「それが、聞いてもはっきり言いよらへんのですわ」
飯田:「……」
A:「103万円は超えんように働いてるからとは言ってたんですけど」
飯田:「息子さん、そういうことはご存じなんですね」
A:「はい、去年、103万円を超えて実家から怒られた友達がいたんやそうです。1カ月、だいたい8万円くらいに抑えといたらええんですよね」
飯田:「そうですね。時給2500円やったとしたら、103万円÷2500円=412時間」
A:「412時間?」
飯田:「年間、働く時間を412時間までに抑えれば扶養家族に入れるってことです。1回訪問で2時間教えるとしたら、412時間÷2時間÷12カ月≒17日」
A:「なるほど。こうやって計算してみるとよくわかりますね。アルバイトをする日を1カ月17日に抑えておけば年間103万円を超えないので、扶養家族に入れることができるってことなんですね」
飯田:「ただし、息子さんの家庭教師の契約が雇用契約の場合ってことになりますけどね」
A:「雇用契約?」
飯田:「業務委託の場合は、年間の所得金額が38万円を超えると扶養家族に入れられませんからね」
A:「業務委託? えっ、どういうことですか?!」

親御さんからの仕送りだけではやっていけないということで、アルバイトをされている学生さんは少なくないと思います。

「そんなに稼げるんなら、仕送りは減らしますからね!」と言われるのが嫌だからというわけではないのでしょうが、自分がアルバイトでいくら稼いでいるのか、親御さんにきちんと伝えないというお子さんは結構いらっしゃるようです。

税法上の扶養控除の判定については、「103万円」が一つの基準になっています。この「103万円」のことについては、「収入103万円内なのに扶養控除の対象外も(2015年2月10日付)」や「『収入103万円以内で…』は妻だけじゃない(15年4月21日付)」も参考にしてください。103万円の基準が効くのは、「雇用契約」に基づいて支払われる給与所得に限ったことなのです。

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