60歳以降も働こう 無職では退職金が底をつくバラ色老後を引き寄せる年始の計(4)

国の年金は受給開始年齢が65歳に切り替わり始めています。バラ色老後のデザインもまた、65歳からの幸せをどうつくっていくか考える時代になっています。

しかし、多くの会社の定年が60歳のままであることを鑑みると、60歳と65歳の隙間時間がバラ色老後を左右する重要な問題になっています。

今週は「年始の計」の最後のポイントとしてこの5年間に備えてどう準備すべきか考えてみたいと思います。

長く働けることは数千万円の貯金にも匹敵する

定年が60歳であっても、会社は基本的に65歳まであなたを雇用する義務があります。一般的には継続雇用のスタイル、つまり定年退職をしてもう一度再雇用される形になります。

一度会社を辞めるわけですから、雇用の条件は改めて決め直すことになります。一般的には年収ががくんと下がります。大卒新人より下回ることも珍しくありません(高齢者雇用継続給付を受けられる場合、いくらか補てんされますが、定年前と同額になることはありません)。

仮に300万~400万円の年収で60歳から5年間働くことを提示された場合を考えましょう。現役時代の年収が600万~800万円だったら「年収が半分なんてバカにしてる」と怒って継続雇用を拒否する人がいます。しかし、これは考えものです。仕事の内容や責任、拘束される労働時間などを勘案したら、もしかすると割がいい労働条件かもしれないからです。

それに、無収入のまま65歳まで過ごすリスクはあまりにも高いものがあります。先ほどの例であれば5年間で1500万~2000万円の稼ぎを得て65歳までやりくりできるチャンスが提示されているわけですが、これを断るということはその間の生活費をどこかから取り崩す、ということだからです。

プライドが邪魔してこの5年を無職で過ごせば、基本的に退職金を取り崩すことになります。会社の給付水準にもよりますが、多くの場合退職金は65歳には底をつくことでしょう。本来なら65歳以降に使うべき資金を使い込んでしまうわけです。これこそ「老後破産」の危険性を自ら招く選択です。

基本的には「65歳のその後」にまだ20年あると考え、65歳までは働くことを考えるのがバラ色老後に向けた基本戦略ということになります。

継続雇用は当然だが、もっと稼げる可能性は求めたい

今いる会社の継続雇用制度の活用をまず説明しましたが、定年直前に決断するのではなく、数年前に制度説明があって希望を聞くのが一般的です。もし、継続雇用以外の選択肢を考えている場合であっても、まずは「継続雇用希望」としておくほうが戦術的にはいいでしょう。

というのも、最初に拒否してあとから継続雇用してもらうのは大変だからです(立場も弱くなります)。最初は希望としつつあとから断ることは比較的容易です。

まずは継続雇用を利用して働くことを前提におきつつ、何かチャレンジしてみたいイメージがある人は、それ以外の選択肢も考えてみるといいでしょう。

日経電子版で「定年楽園への扉」を連載の大江英樹さんは定年後に開業をすることの楽しさを説いています。ただし直前の思いつきではなく早めに準備することの大切さも訴えています。

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