ネットが火を付ける番組「報じられ系バラエティー」
日経エンタテインメント!
トーク番組や、暴露系のバラエティーでの著名人の発言が、Yahoo!ニュースなどで話題になることが増えた。以前からスポーツ紙などで、テレビ番組の内容が引用されることはあったが、より多くの人の目に触れるネット媒体で紹介されることにより、知名度を上げた番組もある。中でも目立つのが『ワイドナショー』(フジ系)と『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレ朝系)だ。この2番組に関しては、複数のサイトで報じられることが多い。
『ワイドナショー』は、松本人志がコメンテーター、東野幸治がMCを務めるオピニオン系のバラエティーで、毎週のように誰かの発言がネットニュースになっている(表参照)。発言のストッパーがかからないように、生放送ではなく、あえて週末に収録したものを放送しているとのこと。大胆な持論を展開する人も多く、ニュースバリューがあることが多々あるようだ。
あるスポーツ紙関係者は、取材が発生しないテレビ番組引用系の記事を「積極的にはやりたくない」としながらも、「安保法案に関してタレントがズバリ意見を言ったりすれば、それは報道する価値があるし、無視するわけにはいかない」と明かす。そういった記事が思いがけずページビューを稼ぐこともあるという。
『しくじり先生』も、注目度は高い。人生で大きなしくじりを経験した著名人が、授業形式で失敗談を披露する。15年4月に深夜放送からゴールデンタイムに昇格してから、ニュースになることが増えた。登場する先生は、自分をさらけ出す覚悟が決まっている。打ち合わせではNGだったことも、本番でつい自ら口にしてしまう展開もあるといい、驚くようなぶっちゃけ話がネットニュースとなる。
『ワイドナショー』は視聴率では8~9%を取ることが多く、裏に同ジャンルで14年続く『サンデー・ジャポン』に迫る勢いを見せている。番組が活気づくことで出演者の発言が注目され、それがネットニュースになることで番組への関心も高まる。"お手軽"と批判されることも多いテレビの引用ニュースだが、こうした記事で報じられやすい番組は、しっかりと恩恵を受けているようだ。
(ライター 内藤悦子)
[日経エンタテインメント! 2016年1月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。
関連企業・業界