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失恋からの回復力に差 打たれ強いのは男女どちら?

日経ウーマンオンライン

2016/2/2

日経ウーマンオンライン

失恋したブリジット・ジョーンズが、大きなアイスクリームをスプーンですくって泣きながら食べたり、セックス・アンド・ザ・シティのキャリーがひざを抱えて泣き腫らしたり…。泣くのはいつも女性のはずでした。ところが最近、「失恋の傷が深いのは男性」だという研究成果が発表されました。ワシントンポストに掲載された記事から、男女の失恋の痛手度数を探ってみましょう。
(C)Pixta

■失恋直後は女性、10年後は男性に痛手

2015年10月、「失恋の痛手」についての研究が発表されました[注]。ロンドン大学とビンガムトン大学の研究者が96カ国の5705人を対象に調査したもので、被験者のうち75%は別れの経験があり、そのうち75%は複数回の失恋経験者です。

そこに見られたのは、男性よりも女性のほうが、別れた直後に精神的なショックが大きいという特徴でした。女性はPRG(ポスト・リレーションシップ・グリーフ=失恋の哀しみ)のレベルが圧倒的に高く、心身ともにボロボロの状態。これが、失恋した誰もが経験しているであろう、この世の終わりを迎えたような気持ちというわけです。

ところが女性の場合、自分の傷を癒やす時間を設けると、比較的あっけらかんとその傷から回復できるのだそうです。昔ほど、男性との別れや離婚が女性にとって不利な条件にはならないため、ぐちゃぐちゃと悩むよりも別れてしまったほうがむしろサッパリするのかもしれません。

対する男性は、コロッと女性を変えてなんの痛手もないように見えるもの。ところが、社会的に強くあるべきだとされるがために十分に落ち込む時間も許されず、別れを引きずりがちになります。さらに、最近はむしろ別れた男性のほうを責める声もあるなど、別れは男性にとって有利には働きません。こうして男性は、失恋の状態によっては10年たってもまだ傷を引きずり続けるというわけです。

人類学者のクレッグ・モリス氏によると、女性は「過去の恋愛経験は過去のもの」として語ることができるそうです。だって「もう終わったこと」ですから。ところが、男性にとっては決して「終わりを迎えた」話ではなく、常に会話に葛藤がみられるのだとか。

ある60代の男性は、女性と別れて40年たってもまだ彼女との会話を思い浮かべたり、恋愛感情がぶり返したりすると話していました。ある人は彼女に浮気をされ、別れた後もときどき体が麻痺したような感覚に襲われたとか。それは、結婚をして孫がいても、まだ癒えない傷なのです。

では、女性はどうでしょう。

■別れたあとは女性が勝者?

女性が別れて少しすると「いまだに彼を思い出すと嫌な気持ちになる」や「ほとんどネガティブな感情しか残っていない」と、むしろ別れてよかったという気持ちに切り替わります。憶えがありますか? しかも別れを切り出すのは女性が多いため、ふられる側の男性は、ふったときや互いの合意のときよりもPRG(別れた後の哀しみ)レベルが高いのは納得です。

男性は生物学的には子孫を繁栄させるためにパートナーを選び、すぐに次のパートナーに移れるはず…が、心と体は別ものの様子。前出のモリス氏は「男性も確かに恋に落ちて、相手を失いたくはないのです。そして、相手を失ったときにはとても悲しい思いをします」と語っています。

悔しい思いをして別れたとしても、別れた後は女性の気持ちのほうがスッキリ。そう考えれば気持ちも晴れてくるというものかもしれません。

失恋したら角を曲がってあとは振り返らない女性と、失恋街道をまっすぐに進み、後ろを振り返り続ける男性…。もし失恋に落ち込む男友達をなぐさめるなら、ゆっくり酒に付き合い、語り合ってあげること。彼が認める以上にたまった愚痴を吐き出させ、自分ではそうと気づいていなくても、落ち込む時間をたっぷり与えてあげるとよさそうです。

[注]Quantitative sex differences in response to the dissolution of a romantic relationship. Morris, Craig Eric; Reiber, Chris; Roman, Emily Evolutionary Behavioral Sciences, Vol 9(4), Oct 2015, 270-282.

[参考資料]The Washington Post, Pass the ice cream, Bridget Jones: Men take breakups harder than we think

上野陽子(うえの・ようこ)

著述家、翻訳家、コミュニケーション・アナリスト。カナダ、オーストラリアに留学後、ボストン大学コミュニケーション学部修士課程でジャーナリズム専攻、東北大学博士前期課程人間社会情報科学専攻修了。通信社、出版社をへて、コラム連載や媒体プロデュースを手がける。仕事と趣味で世界50カ国以上を周る旅好き。著書に『コトバのギフト―輝く女性の100名言』(講談社)、『スティー ブ・ジョブズに学ぶ英語プレゼン』(日経BP社)、『1週間で英語がどんどん話せるようになる26のルール』(アスコム)ほか多数。

[nikkei WOMAN Online 2015年12月8日付記事を再構成]

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