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なぜ女性名に植物系が人気? 「葵・はな」時代が到来

編集委員 小林明

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NIKKEI STYLE

2015年に生まれた女児の名前の人気ランキング(明治安田生命保険調べ)から何が読み取れるだろうか? 名前の表記や読みの変化を細かく分析すると、興味深い世相や社会心理が浮かび上がってくる。前々回の男子名に続いて今回は女子編を紹介しよう。

トップ10中で6つ、「結」「凛」も含めればすべて植物に由来

ランキング上位の顔ぶれを見ると、なぜかよく目立つようになったのが草、樹木、花、果実など植物に関連する名前。トップ10のうち首位の「葵」(あおい……)、2位の「陽菜」(ひな・はるな……)、4位の「さくら」、6位の「花」(はな)、7位の「花音」(かのん・はなね……)と「陽葵」(ひまり・ひなた……)の6つに植物に関連する文字が登場。多くが前年よりも大きく順位を上げているのが分かる。

この6つ以外にも、「実を結ぶ」の「結」、「凛(りん)と咲く」の「凛」などを含めるとトップ10すべてが植物を連想させる名前だととらえることもできる。

上位11~20位以内でも、11位の「結菜」(前年3位)と「芽依」(14位)、13位の「莉子」(14位)と「咲良」(29位)、17位の「愛莉」(6位)と「愛梨」(10位)、19位の「杏」(10位)と「楓」(61位)と「杏奈」(ランク圏外)など植物に関連した名前が目白押し。人気の高まりを裏付けた格好だ。

統計から拾い出すと、葵・菜・花・芽・莉・咲・梨・杏・楓・穂・華(凛・結)などの文字が特に好んで使われている。こうした文字を使った名前がランキングの上位を占めているといってよい。

大震災以来、高まるブーム、奥ゆかしさ・強さ・しなやかさ……

一体、女性名の流行に何が起きているのだろうか?

「2011年の東日本大震災発生以来、人との結びつきや芽を出し、花を咲かせ、実を結ぶという命の大切さやたくましさ、地道に努力を続ける粘り強さを好む風潮が強まっている。こうした理由から、植物に関連した名前が増えているのではないか」。明治安田生命保険ではこう分析する。

見かけはか弱そうだが、意外な強さを内面に秘める日本女性は昔から「やまとなでしこ」と呼ばれてきた。「なでしこ」は秋の七草の一つで山野や草原に自生し、淡紅色の優雅な花を咲かせる多年草。日本女性にはこうした植物が持つ華麗さやしなやかさ、たくましさがよく似合うということなのだろう。「奥ゆかしくてかわいらしいが、強さやしたたかさも兼ね備えた女性に育ってほしい」という両親の願いも込められているようだ。

長期的なトレンドはどうか?

過去104年のランキング首位の変遷を振り返ってみよう。女性名の人気はほぼ10年程度を周期に「千代・文子」→「和子」→「恵子」→「久美子・明美・由美子・直美」→「陽子・智子」→「愛」→「美咲」→「さくら・陽菜」と交代してきた。「葵」が初めてランキング首位に立ったのが2002年。そして、再び首位に返り咲いた2007年以降、3位→16位→7位→11位→14位→2位→4位と推移。現在では年ごとに首位の入れ替わりが激しくなっているが、名前の表記では「葵」時代に差し掛かっているといえるのかもしれない。

御三家は「はな・ゆい・めい」、「あやか」「はるか」「ももか」は後退

次に名前の読みの人気ランキングを見てみよう。

首位は「はな」で前年10位から大幅に順位を上げている。このほか3位の「めい」や「あおい」、8位の「さくら」など植物にちなんだ名前が読みの人気ランキングでもやはり上位に食い込んでいる。表記も読みも植物に関連した名前の人気が高い。

ちなみに首位の「はな」はハンナ(Hanna)に似ていて外国人にも覚えやすく、国際化時代に対応した名前でもある。男性名の「太郎」と同様に「花子」は昔から女性の典型的な名前だが、「子」を除いた「花」「はな」になると、現代らしい新しいイメージも感じる。こうした古さと新しさを兼ね備えていることも人気の理由だろう。

2000年からの名前の読みの人気ランキングの推移を調べると、名前の表記とは少し異なる流行の変遷も浮かび上がる。

ざっくりとらえると、首位は「あやか」→「はるか」→「ゆい」→「めい」と推移してきた。「はな」は14年に10位に浮上してきた新興勢力。さらに、かつて首位だった「ゆい」や「めい」も2位と3位で高い人気を維持しており、「はな」「ゆい」「めい」が現在、人気が高い"御三家"と位置付けられる。

一方、00年代前半に全盛期を迎えた「あやか」「はるか」「ももか」のブームはすでに去り、その後、首位に立った「ゆな」も勢いも衰え気味という状況。まだブームが続く「ゆい」などの例外を除くと、人気の高い名前は着実に入れ替わっている。

連続テレビ小説「花子とアン」「あさが来た」で「はな」「葵」がブームに?

ところで、名前の流行には有名人の盛衰も色濃く反映している。

「はな」人気が高まった大きな要因は、2014年のNHK連続テレビ小説「花子とアン」に登場した主人公、安東はなの影響があったためと考えられる。さらに雑誌「Oggi」などでモデルを務め、ドラマやCMなどでも活躍する松島花さん、ドラマ「夜行観覧車」で家庭内暴力に荒れる娘役を好演した杉咲花さん、好感度タレントのはなさんらの人気もこれを後押しした。

表記ランキングで首位だった「葵」にも、2015年のNHK連続テレビ小説「あさが来た」にダブルヒロインで出演した宮崎あおいさんら人気の影響があるようだ。日常、よく目に触れるこうした有名人のイメージが名前の流行にも密接に影響を与えている。

これ以外では、モデル出身で女優・タレントとしても多方面で活躍する杏さんの「杏」、ファッションモデルのすみれさんの「すみれ」、実力派女優の満島ひかりさんの「ひかり」などの名前もランキング上位をうかがう勢いを見せている。

はたして今後、女性名の流行はどんな軌跡を描いてゆくのだろうか?

なぜ「田中さん」は西日本に多いのか (日経プレミアシリーズ)

著者:小林 明
出版:日本経済新聞出版社
価格:918円(税込み)

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