超小型アンプでiPhoneハイレゾ化 1万円台から
「格安ハイレゾ」のすべて(下)
ハイレゾ音源に対応した携帯音楽プレーヤーやポータブルヘッドホンアンプも低価格化が進んでいる。音楽プレーヤーは、内蔵メモリーやマイクロSDカードにハイレゾ音源を保存して聴く機器。一方、iPhoneのようにハイレゾに対応していないスマホなどに接続して、音源を再生できるのがヘッドホンアンプだ。
音楽プレーヤーの代表格はソニーの「ウォークマン」。2015年10月に発売されたエントリーモデル「NW-A25」は、実勢価格2万4430円(税込み)と値頃感がある。もう一つの候補は、中国FiiO(フィーオ)の「X3 2nd generation」で実勢価格は3万5420円(税込み)だ。
この両者を比べると、価格やスペック、持ち運びのしやすさではウォークマンの圧勝だった。1万円以上安く、重さは半分以下の66g。バッテリー持続時間に至っては、4倍以上の50時間に及ぶ。マイクロSDカードスロットに加えて、16GBの内蔵メモリーを備える点もウォークマンが上。
主なスペックで劣るのは、DSDのハイレゾ音源を再生できない点のみだ。音質は低・高音が印象的なウォークマンに対し、低・中音に強いFiiOと異なる。
ずば抜けて軽いロジテック
ヘッドホンアンプでは、1万~3万円台で買える低価格モデル4製品を取り上げた。
このうち、最注目株はロジテックが2015年12月に発売した「LHP-AHR192」。実勢価格が1万6170円(税込み)と比較的安いうえ、重さが38.5gとずば抜けて軽く小さい。iPhoneやiPadのLightning端子に接続して、そこからの給電によって動作するため、バッテリーを搭載しないからだ。音質は「空間再現力は弱めだが細部の表現力は高く、臨場感のある音が聴ける」(折原氏)。同社では、アンドロイド版の発売も予定している。
より迫力がある音質を求めるなら、ソニーの「PHA-1A」を選ぶのも手。
実勢価格は3万2900円(税込み)と高いが、音質は最も良かった。折原氏は「音源を忠実に再生し、音の明瞭度が段違いに高い」と絶賛する。iPhoneの他に、ウォークマンやXperiaなどに接続できるのも魅力だ。
(ライター 床井浩)
[日経トレンディ2016年2月号の記事を基に再構成]
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