高音質で音楽生活が一変 格安ハイレゾ機器の実力
「格安ハイレゾ」のすべて(上)
ハイレゾ音源が、音楽CDより高音質な理由は2つある。一つは人間の耳に聞こえる周波数(20Hz~20kHz)を高密度で取り込んでいること。そのため、奥行き感のある音になる。
もう一つは、CDでは周波数が最高20kHzまでだが、ハイレゾでは理論上50kHz~100kHzと2倍以上高いこと。録音中のスタジオ内の空気感や、コンサート会場でのライブ感まで収録できるといわれる。
旬の曲もハイレゾで
そんなハイレゾ音源の普及を加速させているのが音楽配信サイトだ。「mora」や「music.jp」などの大手をはじめ、ここ2~3年で多くのサイトがハイレゾ音源の配信を開始し、選択肢が増えている。
2005年スタートで"老舗"といえる「e-onkyo music」ではサービス開始当初は旧譜が中心だったが、「最近は新作CDの発売と同時にハイレゾ配信を始めるレーベルが増えた」(運営会社オンキヨー&パイオニアイノベーションズ)。旬の曲もハイレゾで聴けるわけだ。
さらに、ハイレゾ機器の低価格化が進み、購入のハードルが下がった。ヘッドホンやイヤホンは40kHz以上、プレーヤーやアンプでは96kHz/24ビットの音楽を再生できることがハイレゾ機器の条件である。
そのなかでも価格破壊が激しいのは、イヤホンとヘッドホンだ。2015年12月にNTTドコモが税込み5290円という破格値のイヤホンを発売して参入し、数社が入り乱れて価格競争を繰り広げる。
携帯音楽プレーヤーでは、従来は6万円超が相場だったが、2万円台の格安なエントリーモデルが登場。かたやハイレゾ非対応のiPhoneなどにつないで使うポータブルヘッドホンアンプに至っては、1万円台から手に入るものまで現れている。
(ライター 床井浩)
[日経トレンディ2016年2月号の記事を基に再構成]
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