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2020年から見える未来

歴史的建築物と200m級超高層並立へ 東京駅東エリア 東京大改造マップ2016-2020(4)

日経アーキテクチュア

2016/5/11

図1 日本橋2丁目地区北地区では東京日本橋タワー(写真左)がまず竣工。隣接する場所では日本橋2丁目地区再開発C街区(写真中央)の工事が進んでいる。写真右は重要文化財の高島屋日本橋店(写真:日経アーキテクチュア)
 2020年の東京五輪・パラリンピックという世界的イベントの開催を控え、変貌を遂げる首都・東京。大規模開発が各所で進行中だが、特に活発なのが東京駅近辺だ。今回は、東京駅東側の「日本橋・八重洲・京橋」地区の大規模再開発の現状をお伝えする。

 東京駅の東側に広がる「日八京(日本橋・八重洲・京橋)」と呼ばれるエリアでは、西側の「大丸有(大手町・丸の内・有楽町)」エリアの大改造に迫る勢いで、大規模再開発の計画が次々に発表されている。

 老舗の店舗が数多く残る日本橋の注目は、日本橋2~3丁目の大規模再開発だ(図1~図3)。日本橋2丁目地区再開発は、重要文化財である高島屋日本橋店を保存し、余剰容積の活用で東側のA街区と北側のC街区に超高層オフィスを建設するというもの。完成は2018年の予定だ。

 その北側の日本橋2丁目地区北地区では、オフィスや店舗が入る高さ約180mの「東京日本橋タワー」が2015年4月に竣工した。全体の竣工は2017年を目指している。

図2 日本橋交差点を挟んで東京日本橋タワー建設地の対向となる一画には東京建物日本橋ビルが2015年2月に竣工。同年7月にグランドオープンした(写真:日経アーキテクチュア)
図3 高島屋日本橋店と並びの1ブロック置いた場所(中央区日本橋3丁目)にはDICの新本社「ディーアイシービル」(建て替え)が2015年4月に竣工(写真:日経アーキテクチュア)

■八重洲に巨大バスターミナル

図4 八重洲エリアのうち北口では、「八重洲セントラルパークビル」が2015年9月に竣工。ヤマダ電機の新業態店舗が同年10月にオープンした(写真:日経アーキテクチュア)

 東京駅前の八重洲エリア(図4)では、超巨大開発の動きがある。

 東京駅前八重洲1丁目東地区再開発では、店舗、カンファレンスセンター、医療施設などが入る、高さ約250mの複合オフィスビルを計画中だ。総延べ面積は約24万m2(平方メートル)で、2024年3月の完成を目指す。その南側の八重洲2丁目北地区再開発では、高層部にホテル、低層部に区立小学校、ビジネス交流・サポート施設が入る、高さ約245mの複合オフィスビルを建設する。総延べ面積は約29万m2で、2021年度の竣工を目指す。

 まだ検討段階だが、さらにその南側には八重洲2丁目中地区再開発として、総延べ面積が約38万m2の大規模再開発の計画がある。

 これらの地下には、東京駅と直結する巨大なバスターミナルの建設計画もある。東京都が進めるBRT(バス高速輸送システム)計画では、湾岸部から東京駅に向かうルートも検討中で、実現すればこのバスターミナルが使われる可能性が高い。こうした動きは東京五輪後に本格化する予定だ。

 京橋エリアでは、京橋2丁目西地区再開発が進行中だ。中央区の指定有形文化財である歴史的建築物棟を保存・再生しながら複合ビルを建設する。歴史的建築物棟の改修工事は2015年7月に既に完了し、全体竣工は2016年10月の予定。一方、その北東側では京橋1丁目東地区再開発が動き始めた。戸田建設本社ビルと旧ブリヂストン本社ビルを建て替え、3街区に3棟のオフィスビルを建設する計画で、2023年度の全体竣工を目指す。

 では、以下でエリア内で進む主要なプロジェクトを順に見てみよう。各プロジェクトの概要として【1】所在地、【2】発注者・事業者、【3】設計者、【4】施工者、【5】着工時期、【6】竣工時期、【7】主構造、【8】階数、【9】延べ面積──を記載した。

■2018年完成予定「日本橋2丁目地区再開発」

 日本初の百貨店重要文化財「高島屋日本橋店」を保存・活用し、高層オフィスビル2棟を建設する複合再開発。重要文化財と連続した景観形成を行い、低層部の屋上には緑に包まれた回遊空間を設ける。周辺地区や地下鉄日本橋駅をつなぐ歩行者中心の基盤整備を行っている。

 図5はC街区のオフィス全景だ。図6の中央手前の低層の建物が重要文化財の高島屋日本橋店で、左側のビルがC街区、右奥のビルがA街区となる。

図5 日本橋2丁目地区再開発C街区。高島屋日本橋店の北側のC街区には高層オフィスビルが建つ(資料:日本設計)
図6 日本橋2丁目地区再開発。【1】中央区日本橋2 【2】日本橋二丁目地区市街地再開発組合 【3】日本設計・プランテックJV(外装デザイン:SOM) 【4】A街区:大林組 C街区:鹿島 【5】A街区:2014 年11月 C街区:2014年12月 【6】A街区:2018年1月 C街区:2018年6月 【7】S造、RC造、SRC造 【8】A街区:地下5階・地上27階 C 街区:地下5階・地上32階 【9】A街区:6万130m2 C街区:14万7762m2(資料:日本設計)

■2017年完成予定「日本橋2丁目地区北地区」

図7 日本橋2丁目地区北地区。【1】中央区日本橋2-7-1 【2】住友不動産(代表) 【3】日建設計 【4】大林組 【5】2012年7月 【6】2017年11月 【7】S造・一部SR造 【8】地下4階・地上35階 【9】13万6181.25m2(資料:日建設計)

 永代通りと中央通り、昭和通りに囲まれた2つの街区に、業務、商業、多目的ホールなどで構成される複合施設を建設する。事業の中核となる、中間層免震構造を採用した高さ約180mの超高層ビル「東京日本橋タワー」は先行して竣工した。全体竣工は2017年を目指している。

 地下鉄日本橋駅に直結し、駅に面して大規模な地下広場を整備することで混雑緩和を図り、交通機能の強化に寄与。また、歴史がある日本橋の街並みとの調和を考慮して自然石を外装に採用。中央通り側の外装は地上31mのコーニスラインを強調したデザインとし、重要文化財である日本橋高島屋との連続性を持たせて一体感のある通りの景観を形成する(図7)。

■2016年完成予定「水天宮建て替え計画」

 中央区日本橋蠣殻町にある東京水天宮神社も全面建て替えを計画している。街の象徴としての歴史を継承し、社殿は伝統的なデザイン、社務所と参集殿は伝統に敬意を払いつつ、現代的なデザインとする。メリハリをつけた外観により、過去と現代をつなぐ意匠とした(図8)。

図8 エリアの中でも東寄りの日本橋蠣殻町では東京水天宮神社の全面建て替えが進んでいる(資料:竹中工務店)

 近隣の住人などに安らぎを与える場や、多数の参拝者に対応するおもてなし空間をつくり、機能的なデザインの動線空間との融合を図る。また、境内全体の基礎を免震構造とし、現代の技術によって参拝者の安心・安全に配慮した神社を計画した。設計・施工は竹中工務店が担当。2016年2月の竣工を目指す。

図9 東京駅前八重洲1丁目東地区再開発。高さ約250mの複合ビルを含む超巨大開発。八重洲には、ほかにも複数の大規模プロジェクトの計画がある。【1】中央区八重洲1-6~8の一部および9【2】東京駅前八重洲一丁目東地区市街地再開発準備組合【3】-【4】-【5】2020年10月【6】2024年3月【7】-【8】A街区:地下3階・地上11階、B街区:地下4階・地上54階【9】A街区:約1万2000m2、B街区:約22万8000m2

■2024年完成予定「東京駅前八重洲1丁目東地区再開発」

 東京建物本社ビルなどが建つ約1万2000m2の敷地に、総延べ面積約24万m2の複合施設を建設する。敷地はA街区とB街区からなり、八重洲通り側のA街区には地上11階建て延べ面積約1万2000m2のオフィスビル、B街区には地上54階建て高さ約250m、延べ面積約22万8000m2の複合ビルを計画している。

 用途はオフィス、店舗、カンファレンスセンター、医療施設のほか、地下に約5000m2のバスターミナルを整備する予定。2020年10月の着工、2024年3月の完成を目指す(図9)。

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