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インフルエンザで5日欠勤、減収を補う「傷病手当金」

2016/1/25

日経ウーマンオンライン

今年は例年になく暖かい日が続きましたが、ようやく冬本番。インフルエンザなどの感染症が流行するこの時期は、特に体調管理に気をつけたいものです。もしも病気になって思いがけず長く休んでしまい、有給休暇で補いきれず給料が減ってしまった場合は、「傷病手当金」が申請できる可能性があります。

■風邪と誤診、実はインフルエンザ

(C)Pixta

冬になると、職場は暖房のため常に超乾燥状態なのが悩みという亜沙子さん。かといって、接客業務もあるため、マスクをすることもできません。ある日、身体がとてもだるく寒気もするので、早退して病院に行ったところ、風邪だと診断されました。

しかし、薬を飲んでも一向に良くならず、高熱でますます具合が悪くなるばかり。再度病院に行って検査したところ、インフルエンザと診断されました。薬を飲むタイミングを逸してしまったせいか、思った以上に長引いてしまい、結果として5日以上も仕事を休んでしまいました。

年次有給休暇を充てようと総務部に申請したところ、わずか1日しか残っていなかったことが判明。ちょうど来月、新年度の年次有給休暇が付与されるタイミングだったのです。

「来年こそは予防接種を受けよう」と心に誓うも、後の祭りです。5日分が欠勤控除されてしまいました。その額およそ5万円、医療費もかかって、散々な年末となってしまいました。

最初は風邪だと思っていたら、実はインフルエンザだった…。亜沙子さんのようなケースは、決して他人事ではありません。病院に行けば、簡単にインフルエンザの検査をすることはできますが、発症から12時間以内の場合、体内のウイルス量が少ないために陰性と判断されることもあるからです。

適切に対処して安静にしていれば快復も早いといいますが、一般的にインフルエンザ発症前日から、発症後3日~7日間は、感染のおそれもあるため外出を控える必要があると言われています。

時々、熱が下がったからもう大丈夫と、すぐに出社される人もいるようですが、周囲に病気をうつしてしまったら大変。職場への配慮も含め、休むべきときには休む、というのが鉄則ですね。

しかし、病気になったうえに欠勤控除というのは、確かに手痛いものです。日頃から年次有給休暇を使えず、あり余っているという方なら年休を使って補てんするのがベストでしょう。ところが、亜沙子さんのように、手持ちの年休で補えない場合は、いったいどうしたらよいのでしょうか。

■傷病手当金、あきらめないで確認を

業務外の病気やケガのために仕事を休み、会社から十分な給与を受けられない場合に請求できる給付金があります。それが「傷病手当金」です。加入している健康保険組合に請求しますので、請求する本人が健康保険の被保険者であることが前提です。

ポイントは、連続する3日間を含めて、4日以上仕事を休んでいるということ。この最初の3日間を「待期」といいますが、この期間中は残念ながら給付は受けられません。4日目から仕事に就けず給与も支給されない期間が対象となります。


また、「待期」には、有給休暇や土日・祝日などの公休日も含まれます。亜沙子さんの例で見てみましょう。亜沙子さんは、金曜日に気分が悪くなり、早退して受診しました。このように就業時間中に発生した病気やケガについて仕事ができない状態となったときは、その日を待期の初日として起算します。

つまり、日曜日で連続3日間の休みを満たすので、月曜日から日曜日までの7日間について傷病手当金をもらうことができるわけです。待期期間中は傷病手当金がもらえませんので、このときに年次有給休暇を充てるのがよいでしょう。

なお、もらえる額は標準報酬日額の3分の2相当額。亜沙子さんの標準報酬日額(8000円)から計算すると、約3万7000円程度となります。有給休暇を使えるならそれに越したことはありませんが、何らかの事情で利用できないときは、傷病手当金の申請も検討してみましょう。

インフルエンザは、誰にでも感染する可能性のある身近な病気です。人によっては、1シーズンにA型とB型の両方を発症してしまった、という話も聞きます。そうした場合も、心強い味方があることを頭の片隅に記憶しておいてください。

なお、傷病手当金の時効は2年間です。もし該当する方がいたら、申請してみてはいかがでしょうか。

佐佐木由美子(ささき・ゆみこ)
社会保険労務士。米国企業日本法人を退職後、社会保険労務士事務所等に勤務。2005年3月、グレース・パートナーズ社労士事務所を開設し、現在に至る。女性の雇用問題に力を注ぎ、「働く女性のためのグレース・プロジェクト」でサロンを主宰。著書に「採用と雇用するときの労務管理と社会保険の手続きがまるごとわかる本」をはじめ、新聞・雑誌、ラジオ等多方面で活躍。

[nikkei WOMAN Online 2016年1月12日付記事を再構成]

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