東京五輪大型施設 「新国立騒動」の裏でひっそり進行東京大改造マップ2016-2020(1)

日経アーキテクチュア

図1 国道20号をまたぎ東京スタジアム(味の素スタジアム)に向かう陸橋から見た武蔵野の森総合スポーツ施設の建設現場。鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄骨造(屋根)、一部鉄筋コンクリート造。地下1階、地上4階。左手前がサブアリーナ・プール棟で、奥が五輪会場となるメーンアリーナ棟(写真:日経アーキテクチュア、2015年9月撮影)
図1 国道20号をまたぎ東京スタジアム(味の素スタジアム)に向かう陸橋から見た武蔵野の森総合スポーツ施設の建設現場。鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄骨造(屋根)、一部鉄筋コンクリート造。地下1階、地上4階。左手前がサブアリーナ・プール棟で、奥が五輪会場となるメーンアリーナ棟(写真:日経アーキテクチュア、2015年9月撮影)
2015年12月、ひとたび白紙撤回となった新国立競技場の設計内容と整備事業者が改めて決定した。一方で2020年の東京五輪は、試算によると大会など全体の運営費が予算を大幅に超過するとされる。その右往左往に注目が集まる陰で、東京五輪関連の大型施設の建設が“ひっそり”と進行している。

新設される五輪競技会場のうち、最も整備が進んでいるのが武蔵野の森総合スポーツ施設だ(図1)。メーンアリーナ棟とサブアリーナ・プール棟から成り、延べ面積は約4万9100平方メートル。五輪では、バドミントンと近代五種のフェンシングが、メーンアリーナ棟で行われる。

メーンアリーナ棟は曲面を描く金属パネルで全体を覆い、サブアリーナ・プール棟は陸屋根の上に屋上広場を設ける(図2)。「く」の字を描く形で2棟を配置し、道を挟んで東側にある既存の東京スタジアム(味の素スタジアム)とデッキで結ぶ。東京スタジアムも五輪会場の一つで、近代五種とラグビー、サッカーが行われる。

図2 上は全体の完成イメージ図。左側がサブアリーナ・プール棟、右側がメーンアリーナ棟。奥の西競技場(陸上トラック)は既存施設。手前の東京スタジアム(味の素スタジアム)とは、南側のペデストリアンデッキと、東側の陸橋で結ばれる。下のパースはメーンアリーナ棟の内部。「スポーツとイベント興行が両立できる施設」(東京都オリンピック・パラリンピック準備局スポーツ推進部スポーツ施設担当課)を売りの一つとしている。五輪の開催決定前から建設を予定していたが、五輪のために見直した点は「特にない」(同)という(資料:東京都)

この施設は、五輪の開催決定前から東京都が「多摩地域の拠点となる総合スポーツ施設」として建設を予定していた。進行が早いのはそのためだ。設計は公募型プロポーザルで選ばれた日本設計。施工はメーンアリーナ棟が竹中工務店・奥村組・株木建設・白石建設・東起業JV、サブアリーナ・プール棟が鹿島・東急建設・TSUCHIYA・京急建設の共同企業体(JV)が担当する。総工事費は351億円だ。

両棟とも躯体の鉄骨がほぼ全貌を現した。2017年1月竣工を目指し工事が進んでいる(図3)。

図3 メーンアリーナ棟の入り口部分、3次元曲面を描く外壁の鉄骨を組む様子(写真:日経アーキテクチュア、2015年9月撮影)
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「減築」が目玉の水泳会場