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マネー研究所
もうかる家計のつくり方

「妊活」は譲れない メリハリ支出のススメ家計再生コンサルタント 横山光昭

2016/1/13

もうかる家計のつくり方

「うちは何一つぜいたくしていないのですが、不妊治療をしているので、貯蓄が減る一方です。仕方がないですよね……」と開き直ったような表情で相談に来られたのは都内在住のFさんご夫婦です。

ご主人(37)はIT(情報技術)系の会社員で、月収は手取り63万円ほど。奥さん(36)は専業主婦で、不妊治療がうまくいくよう、規則正しく、バランスの良い食事と運動を心がけた生活を送る、いわゆる「妊活」中です。不妊治療はお金がかかるものですが、Fさんのご家庭も例外ではありませんでした。

家計表を見せていただくと、毎月の医療費が15万円ほどかかっています。この金額は、1年分の不妊治療費180万円を月平均にした金額で、検査や投薬・治療などにより30万円かかる月もあれば、10万円以内で収まる月もあります。

これは仕方がない支出。ご夫婦ともにそのような認識でした。ただ、毎月赤字になっているので、このまま継続するのであれば、貯蓄を切り崩し続けなくてはいけません。「子どもができた時のためにも、何とかお金をためられるようにしたい」と考えていますが、ここはFさんご夫婦にとって大切な支出。確保したい部分ですから、やりくりはよく検討しなくてはいけません。

治療を優先するなら、そのほかの支出を抑えて捻出する必要があります。そこで他の費目についてうかがうと、ご夫婦2人暮らしの割に食費が10万円を超えるなど、教育費、交通費、被服費など全般に支出が膨らんでいることがわかりました。

聞けば、「妊活」と称して、食べるものは体に良いものをとったり、体に負担をかけることがないよう心がけるなど、生活の仕方にずいぶん気を使っているのだそうです。

「妊娠によいという漢方のような食材を使っているし、葉酸もとるようにしています。それ以外もなるべくよい食材を選んで購入しています」と奥さん。食材へのこだわりだけでなく、疲れると外食に出てしまうことも多いそうです。

教育費は、妊活に関するセミナーなどの参加費や、本購入などにかかる費用で、新しい有用な情報を求めてついつい出費がかさむといいます。セミナーに通うために服を購入し、往復の道のりは疲れないようタクシーを利用。そんなこんなで被服費や交通費も高くなっていました。

ご主人は高所得ですが、あれもこれもと過分にお金を使っていると、お金が残るはずがありません。優先順位をつけ、最優先の支出以外は少しずつ抑える必要があります。

そこで、まず減らしたくない、減らすことができない支出を書き出したところ、やはり不妊治療費用と、漢方的な食材や葉酸のサプリは減らせないとのこと。そこで、それらは現状維持し、他をどのように、いくら支出削減できるか検討し、実践してみることにしました。

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