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子どもが喜ぶ絵本とは「親が選んでくれた」一冊

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日経DUAL
2015年7月に出版され、絵本カテゴリはもちろん、Amazonの全体ランキングで1位を獲得した話題の絵本、『ママがおばけになっちゃった!』。その内容は、突然死んでしまったママが、4歳の息子のことが心配になり、こっそり会いに行くというお話です。著者ののぶみさんに、この本が売れた理由や絵本の選び方についてお話を伺います。

初めての読者は、好きになった女の子

──のぶみさんが初めて絵本を描いたのは、いつごろでしたか。

これまで僕は160冊の絵本を出しているんですが、世に出ていない絵本を足すと、多分全部で1000冊ぐらい描いています。

最初の本を描いたのは、保育士の専門学校に通っていたころ。同じ学校に通っていたかわいい女の子が気になって話しかけてみたら、その子が「絵本が好き」と言うんです。だから、とっさに「僕は絵本を描くんだよ」なんて嘘をついてしまって(笑)。その日、家に帰ってから急いで絵本を描きました。

そして翌日、学校にその絵本を持っていったら、女の子が「上手!」と褒めてくれて。それから毎日、絵本を描きました(笑)。それが、僕の最初の絵本です。そしてその女の子が、今の僕の奥さんです。つまり僕の奥さんは、世界でただ一人、僕が描いた絵本をすべて読んでいる人なんです。

みんなと一緒に作り、一緒に宣伝した絵本

──『ママがおばけになっちゃった!』は、とても多くの人に読まれましたが、その理由は何だと思いますか。

『ママがおばけになっちゃった!」を描いたとき、自分の中にある「伝えたい」ものを読者に伝えるにはどうすればいいか、そのやり方が分かったような気がしました。絵本は、これまでもたくさん描いてきたんですが、なかなかうまく伝わっていないような気がして。でも、今回はそれが分かった気がしたんです。だから、これほど売れたのではないでしょうか。

その一つは、絵本を描く前に頭の中を空っぽにすること。そのために僕は、頭の中にあることをすべて紙に書き出します。そうすると、頭の中が空っぽになり、隙間ができて、そこに何かが降りてくる。神様からのアドバイスとかね。その後描き始めると、あまり色々考えなくても、自分が伝えたいことを伝える方法が見えてくるんです。反対に、あまりうまくいかないときは、余計なことを考え過ぎていることが多い。頭の中が自分の考えでぎっしり詰まっているから、アドバイスの声が入ってくる隙がないんです。そうすると、どんなに頑張っても無理ですね。

もう一つは、自分一人で完成させようと思わないこと。『ママがおばけになっちゃった!』を描くとき、だいたい1000人に読み聞かせて感想や意見を聞きました。そして、その人たちからもらった意見を参考に、どんどん内容を変えていきました。だから、この本は、本当は僕の本じゃない。みんなで作った本なんです。絵本に限らず、何でもそうだと思うんですが、自分一人で何とかしようと思ってはダメですね。

──SNS(交流サイト)も活用されていますよね。

はい、TwitterもFacebookもやっています。実は『ママがおばけになっちゃった!』が発売されたとき、初版の刷り部数がそれほど多くなかったので、なかなか本屋で見つけられなかったんです。それでもAmazonには在庫があったから、SNSを使って自分のフォロワーに宣伝しました。そしたら、多くの人に「いいね!」をしてもらえて。

本屋さんも回りました。池袋の旭屋書店で読み聞かせをしたら、店員の有藤誠さんがとても気に入ってくれて、「100冊入荷したい」と言ってくださったんです。また、その方が紹介してくださったようで、テレビの情報番組でも紹介されました。それで、人気に火がついて、三日で増刷されました。

だからこの本は、みんなと一緒に作り、みんなと一緒に売った本なんです。自分でやれることは全力でやって、できないことは人の助けを借りる。そのことがとても大切なのだということを、僕はこの本から学びました。

絵本を選ぶコツは、自分が読んで「面白い!」と思うこと

──読者のために、よい絵本の選び方について教えてください。

僕は、絵本の新刊が出たら、だいたい全部読んでいます。だから、おすすめ絵本を紹介することはできます。でも、それは子どもにとってあまり意味がないんです。子どもが喜ぶのは、「絵本作家のぶみおすすめの絵本」ではなく、「親が選んでくれた絵本」。その理由は、「親が自分のために、わざわざ手間をかけて選んでくれたから」。親が手をかけてくれたこと、愛情を込めてくれたことが、子どもにとっては何より大事。だから、親がやるべきは「子どものために、よい本を選ぶこと」だけなんです。

だいたい、子どもは親の言うことなんて聞かないですよね。例えば、「野菜をもっと食べなさい」なんて言っても、絶対に食べない。ところが、親がおいしそうに野菜を食べていたら、「食べてみようかな」と思うでしょう。そんなふうに、「こうしなさい」と言うのではなく、自分がやっているところを子どもに見せること。そのほうが、子どもには伝わると思います。

絵本を選ぶときも、これと同じ。誰かのおすすめなんて一切気にせず、自分で読んでみて「面白い! 子どもに読んであげたい!」と思った本を選ぶのが一番。それがきっと、お子さんにとってはうれしいし、面白いと思うはず。自分の感性を信じて、たくさん絵本を読んで、「これはぜひ子どもに読ませたい!」と思う一冊を見つけてください。

のぶみ
1978年、東京都生まれ。絵本作家。99年に『ぼくとなべお』(講談社)でデビュー後、刊行した作品は160冊に上る。『ママがおばけになっちゃった!』(講談社)は、刊行から約3ヵ月で20万部のベストセラー。主な作品は『ぼく、仮面ライダーになる!』シリーズ、『トッキュウジャーかぞく』『ニンニンジャーかぞく』(いずれも講談社)、『しんかんくん』シリーズ(あかね書房)、『ダンスアース』シリーズ(木楽舎)、『おひめさまようちえん』シリーズ(えほんの杜)、『うんこちゃん』(ひかりのくに)ほか多数。また、NHK『おかあさんといっしょ』で『よわむしモンスターズ』の、NHK『みいつけた!』では、『おててえほん』のアニメーションを担当。生協の野菜ジュース『キャロっとさん』、福島チャリティーゆるキャラ『あたまがふくしまちゃん』、内閣府「子ども・子育て支援新制度」すくすくジャパン!・シンボルマークなど、キャラクターデザインも多く手掛ける。

(ライター 井上真花)

[日経DUAL 2015年11月16日付記事を再構成]

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