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50代の体が変わる“下半身トレ” カリスマトレーナーが伝授

2016/1/10

腹筋? 腕立て伏せ? いいえ、長生きしたいなら下半身を鍛えなさい――。50代を中心とした中年期は健康寿命を延ばすのに重要な時期だ。青山学院大学陸上競技部の駅伝チームなども監修するフィジカルトレーナー・中野ジェームズ修一さんは「50代からは下半身の筋肉を鍛えることが必須」と言い切る。その理由と、彼が指導するメソッドを紹介しよう。

正月3日の箱根駅伝で総合優勝した青山学院大を指導し、卓球の福原愛選手ら数々の一流アスリートのパーソナルトレーナーでもある中野さん。50代からの筋力トレ-ニングについて「鍛えるべきは下半身」と断言する。「下半身は太ももなど大きな筋肉が集まっていますが、体幹や上半身の筋肉より衰えやすい。疲れやすくなったり太りやすくなったりするのは年のせいではなく、下半身を中心に筋肉量が減るからです」

フロントランジ

(3)踏み出したほうの膝が90度になるまで腰を落とす。一歩一歩腰を落としながら歩いていくイメージで、これを繰り返す(1日40歩)
(2)前に踏み出す。「ランジ」とは「突進する」などの意味。
(1)両足を腰幅に開いて立ち、片方の足を大きく1歩踏み出し、膝が直角になるまで腰を落とす。次に、反対側の足を前に踏み出す。

たとえば腹部。「おなかが出るのは腹部の筋力が衰えたからではなく、摂取カロリーに対して消費カロリーが少なく、内臓脂肪がつくのが原因」。腹筋運動ではなく下半身の筋トレで筋肉量を増やし、基礎代謝を高めるのが実は近道だ。

基礎代謝は生命維持に使われるエネルギー。1日の消費カロリーの約70%を占め、筋肉量に比例する。女性が気にする二の腕も同じで、腕立て伏せで脂肪が落ちるのではない。下半身を鍛えるべし、なのだ。

筋肉量は20歳頃に増加のピークを迎えると、後は年に約1%ずつ自然に減る。「鍛えることで、80歳になっても筋肉は増やせます。筋力の衰えが進む40代後半、遅くとも50代のうちに下半身の筋トレを始めましょう」

だが筋トレについての間違った思い込みは多い。陥りやすい誤りは負荷が低すぎることだ。「楽なトレーニングを続けても筋肉量は増やせません。ただ、いきなり負荷を上げれば故障の危険がある。キツイな、と思う負荷をかけ続け、効率よく筋肉を増やしましょう」

スクワット

(1)両足を腰幅に開いて椅子の前に立つ。椅子に腰かけるように、少しずつお尻を突き出していく。このとき上体は自然に斜め前に傾く。
(2)お尻が座面につくかつかないかのところで、姿勢をキープ。限界まで我慢したら、ゆっくり立つ。これを繰り返す。膝はつま先より前に出ない(20回×2セット)

中野さんは筋力をいかに維持しているのか。「トレッドミルで月間100キロメートルを目安に走っています。筋トレはまとまった時間を取るわけではなく、大学の講義やレッスンの最中に短時間で済ませます」

運動不足や体力の衰えを自覚している人は、直伝の筋トレに取り組もう。今回は運動習慣がない人向けに“下半身トレ”初級を一部紹介する。挫折しないためには、起床後、歯磨きの後に行うなど、いつもしている動作に組み込むのがコツ。成長ホルモンが分泌されにくくなるため、60~90秒程度休んだらすぐ次のセットに入ろう。

最初は1セットでもOK。1日数回に分けても良い。できれば毎日、少なくとも週2回は行うのがルールだ。規定回数の倍のセットを楽にこなせるようになったら次のレベルに進もう。

「せっかく運動したのだから食事はサラダだけにしよう」。そんな食事法は実は間違いだ。トレーニングしても、筋肉をつくる材料、つまりたんぱく質を食品として取らないと筋肉量は増えない。「筋トレ後30分以内は成長ホルモンが出ているゴールデンタイム。遅くとも1時間半以内に、牛乳1杯でいいから、たんぱく質の補給を」(中野さん)。

すべてのアミノ酸がバランス良く含まれ、体内への吸収率も高い「アミノ酸スコア100」の食品がお薦め。牛乳のほか、ゆで卵、ヨーグルト、チーズなどで、食品で取れない人はプロテインでもいい。

(日経おとなのOFF2月号の記事を再構成、文・有留もと子、写真・稲垣純也)

[日本経済新聞夕刊2016年1月9日付]

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