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安心老後のために「60歳で資産4000万円」目指す

2016/1/10

 米利上げの影響や中国景気の減速など多くのリスクを抱えた今年の株式市場は荒い値動きで始まった。一方、高齢化の進展で老後資金を運用で少しでも効率的に増やす必要性は高まっている。市場が荒れても投資を続けられるよう値下がりリスクを点検したうえで、安心老後に向けた「60歳4000万円計画」を考えたい。

 証券会社などの今年の日経平均株価の見通しは年末時点で2万2000~2万3000円程度。しかし中国株の急落を受けて大幅安となった4日の日経平均は「何かあれば売る」という投資家の不安心理を示す。

 米国が昨年12月、9年半ぶりに利上げした影響について経験則上は、まだ心配する時期ではない。過去の利上げ局面で景気後退が起きたのは、利上げ開始から数年たち、政策金利が長期金利に並ぶ水準まで上がり、引き締め効果が強まった後だ(グラフA)。

 しかし今回は過去に比べて利上げ前のドル高進行が急だ。バークレイズ証券の北野一氏は「ドル高がすでに米景気の引き締め効果をもたらし、実質的には利上げ開始後数年たった時期に入ってきた可能性がある」と警戒する。

■円の見方分かれる

 日本企業の業績を左右する円相場の見方も分かれる。日米で正反対の金融政策を背景に円安が進むとの声が多数派だが、「経常黒字の急拡大を反映し1ドル=110円程度までの円高もあり得る」(JPモルガン・チェース銀行の佐々木融氏)との予想も増えてきた。

 対立する見方は相場の乱高下につながりやすい。ただ、大和総研元取締役であるファイナンシャルプランナーの須原国男氏は「相場を当て続けるのはプロでも困難。老後資金作りが狙いなら個人はそれを目指さなくて良い」と話す。「成功の可能性が高いのは、急落局面でも耐えられる資産配分にしたうえで、長期で世界経済の成長の恩恵を受ける手法だ」(須原氏)

 老後資金作りの重要性が増している背景は長寿化だ。現在の高齢・無職の夫婦世帯は、受け取る年金では足りず、月平均で6万円強を取り崩している。今後年金の実質減や介護費用の増加を考えると月10万円程度の取り崩しを見込んでおく方が安心だ。

 国立社会保障・人口問題研究所によると、2050年には女性の4人に1人が98歳まで生きる。しかし、65歳から月10万円を取り崩すと、蓄えた老後資金が例えば3000万円あっても89歳で底を突く。これに対して4000万円あれば98歳までもつ。

 大卒の退職金の平均は2000万円前後。住宅ローンの完済資金などを引いて1500万円が手元に残るとすると、貯蓄目標である4000万円のうち2500万円は60歳くらいまでの現役時代に用意したい。65歳までは働くことで残高を維持することが可能だ。

 資産形成に効果的なのが毎月一定額を買い続ける積立投資だ。相場の下落局面で安い価格で多くの資産を買える利点がある。

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