薬局・農業・書道…2016年注目ご当地アイドルは個性派

地方を拠点に活動するご当地アイドルの勢いが止まらない。日本ご当地アイドル活性協会によると、グループ数は2015年末時点で678(東京のアイドルを除く)。15年初に比べ2割増加し、過去最高となった。毎週全国のどこかで1つは誕生している計算になる。人気が全国区に成長していくグループも多く、15年12月にはオリコンランキング200位内にご当地アイドルが12組も入った。グループの成り立ちやメンバーの個性を前面に押し出した個性派が続々登場している。16年にブレイクしそうなご当地アイドルを紹介する。

DDプリンセスのメンバーはドラッグストアのアルバイト店員やグループの飲食店スタッフとして働きながら活動している

大阪府の「DDプリンセス」は関西を拠点に全国展開する大手ドラッグストア「ダイコクドラッグ」のPRアイドル。「今、大阪で一番勢いのあるアイドル」といわれている。

ダイコクドラッグが13年夏に東京・秋葉原でメードカフェ併設の店舗をオープンしたのが結成のきっかけになった。東京の店舗開設に触発された大阪の店舗に勤務する女性従業員が「わたしたちもアイドル活動をしてみたい」と13年8月に活動を始めた。当初5人だったが、現在のメンバーは約30人。15年3月にダイコクドラッグのテーマソング「一大告白タイム」でCDデビューした。振り付けはラッキィ池田氏が担当。7月、10月に2度のワンマンライブを開き、今年も3月にワンマンライブを予定している。

メンバーはドラッグストアのアルバイト店員やグループの飲食店スタッフとして働きながら元気にライブ活動している。熱が入りすぎたファンが店舗で働いているメンバーを訪ねてくるようなことはないのか。気になったので聞いてみたが、「ファンの方も気をつかって節度を持って接してくれています」とDDプリンセスの責任者の柴田明恭さん。

3月に2枚目のCDリリースを予定する。ダイコクドラッグを運営するダイコクの経営企画部長でもある、責任者の柴田さんは二足のわらじに「とても忙しい」と話すが、声は明るい。「元気」「激安」が売り文句のダイコクドラッグ発のアイドルだけに、16年も大阪から全国へ「元気」を届けそうだ。

愛の葉ガールズは農園で農作業に従事する

日本の農業の大きな課題である後継者不足を解消しようと活動しているのが愛媛県の「愛の葉ガールズ」だ。母体は農業生産法人hプロジェクト(松山市)。合計約3ヘクタールの水田や畑、果樹園でコメや旬の野菜、ミカンを生産している。アイドルグループを結成したのは「農業の魅力、楽しさを広くアピールし次世代農業者を発掘する。地域を活性化するのが狙い」(広報の小田悦史さん)。

2012年12月3日にデビューした。メンバーは愛の葉ガールズが10人(研修生2人含む)、姉妹ユニットのUUガールズ(宇和島牛鬼ガールズ)が3人。自社農園で農作業や研修のほか、愛媛県の商品・産品のPRやアイドルイベントに出演している。プロ野球独立リーグの愛媛マンダリンパイレーツやサッカーJ2愛媛FCなどの応援にも参加する。バーベキューもできる交流施設「えのはうす」というビニールハウスでライブもする。

16年の活動スケジュールもびっしり。南予博PRキャラバン隊としての活動や6枚目のシングルCDリリース、愛媛県下各地のイベント出演、アイドルライブにも出演する。環太平洋経済連携協定(TPP)で国内の農業の競争環境は厳しくなるばかりだ。新品種やブランドの開発も盛んになる中、それを全国の消費者にPRする手段が課題になっている。アイドルの力を活用すればPR効果は大きそうだ。

パラレルドリームはラジオの冠番組を持つ

長野県の「パラレルドリーム」は2013年10月に結成した。「伊那谷から世界へ発信!アイドルオーディション」にて選ばれた伊那谷出身の女の子で構成する。「時空を超えてみんなに夢をあたえるアイドル」をコンセプトに長野県を盛り上げている。

メンバーは5人。現在、活動3年目に入った。15年は1月に東京FMの開局45周年イベントに出演。7月のパリ、10月のロサンゼルスでそれぞれジャパンエキスポにも参加、活躍の場を海外にも広げている。プロ野球独立リーグの「信濃グランセローズ」の公式応援団も務めている。

パラレルドリームの専用リムジン

メンバーはリムジンで移動する。中継車やTVスタジオ、LIVE会場を所有する。現在、長野エフエム放送(FM長野)で2本、エフエム富士(FM Fuji)で1本の冠番組を持っている。16年1月からFM Fujiの番組が「パラレルドリームのアイドルサークル」に衣替えする。「16年は秋葉原で月1回のペースでライブを開く予定」(マネジャーの上田賢一さん)という。

群馬県の「menkoiガールズ」は「営業に呼びたくなる」(日本ご当地アイドル活性協会)と関係者をうならせる歌とダンスと書道を融合したレベルの高いパフォーマンスを披露する。2011年の「第1回麺-1グランプリ」開催に合わせ、書道の腕前が日本一の女の子をはじめとしたメンバーで結成された。最大の特徴は、歌とダンスと書道を融合したパフォーマンス。現在、「たてばやし 元気 観光大使」として活躍中。商工会議所や農協の支援を受け、活動している。

menkoiガールズは歌とダンスと書道を融合したパフォーマンスを披露

15年11月に東京の外国人学校の留学生を地元に招いて名所や名物を紹介するツアーを開いた。中国やミャンマー、台湾、韓国、スリランカ、フランス、フィリピン、イギリスの8つの国と地域の留学生16人が参加。ご当地ソングを題材に農業や習字体験、地元観光地をめぐりながら日本のアイドル文化をPRした。

日本ご当地アイドル活性協会の金子正男代表は「現在、46道府県の地方アイドルは過去最高の数だ。ご当地アイドルの活躍はその地域の活性化を示すバロメーターであるといえる。2020年に向けて海外から来る人たちへ日本の良さを伝える担い手になってもらえればと願っている」と話す。ご当地アイドルの運営主体は芸能事務所のほか民間企業、商工会議所など様々。それぞれ活動方針は違うが、結成後に活動が安定してくると知名度向上のため、東京や大阪といった大都市のライブを増やしていくグループが多い。地域の枠組みを超えたご当地アイドル同士の競争も激しくなりそうだ。(村野孝直)

日本ご当地アイドル活性協会が選ぶ未発掘アイドル10
Ai-girls(あいがーるず) (山形県)結成3年。寒さを吹っとばし、地元の名産「米沢牛」「さくらんぼ」「りんご」「上杉鷹山」とご当地フレーズ満載
menkoiガールズ(群馬県)結成5年。日本一を輩出する書道教室が運営。2015年は東京の外国人学校に通う留学生を地元に呼びイベント開催
こけぴよ(埼玉県)埼玉県のミュージカルスクールから誕生。結成7年。ダンス、歌に定評
パラレルドリーム(長野県)定期的に海外公演を行う。結成3年。レコード大賞を受賞した作曲家が指南。現在、FM-NAGANO2本、FM-FUJI 1本で冠レギュラー番組をもっている
オレンジポート(静岡県)ファンモン、ケツメイシ、加藤ミリヤなどを手掛け、レコード大賞の各賞を3度受賞した音楽プロデューサーYANAGIMANが「地方から世界へ」を理念に総合プロデュース。結成4年
さくらシンデレラ(愛知県)2014年10月1日デビュー。結成1年未満で ワンマン1,012人動員の快挙達成。名古屋駅前にアイドルステージを構える爆発直前のモンスターグループ
DDプリンセス(大阪府)ドラッグストアーPRアイドル。結成3年。働く店員の夢を叶えるがコンセプト。デビュー曲の店内ソングはラッキィ池田氏が振り付け担当
愛の葉ガールズ(愛媛県)結成3年目。自ら野菜、果物を育てる。ビニールハウス「えのはうす」でライブも行う。農業の魅力・愛媛の良いところをPR
「Chimo」、「Niimo」、「ダイブッ!」(大分県)3グループが所属する事務所がビートエージェンシー。過去に乃木坂46、ミスセブンティーン、ミスヤンマガなど輩出。未来の原石を抱える
らぐぅんぶるぅ(沖縄県)沖縄で認知度100%のCMソングアイドル。結成3年。プロデュースは「鉄骨飲料」「裸の王様」などを手がけた村上明彦氏