高速渋滞対策 年始の日並び悪く、Uターンに要注意
編集委員 小林明
年末年始の高速道路の渋滞予測が発表された。不快な渋滞を回避するため、今回はどんな「傾向と対策」が見えてくるのだろうか? 高速道路各社(東日本、中日本、西日本、本州四国連絡高速道路など)の渋滞予測をもとに分析してみた。
1月4日に「仕事始め」、Uターンは選択肢が狭い
まずは全体の傾向から。
今回の最大の特徴は年始の日並びが悪いこと。
1月2日が土曜日、3日が日曜日なので土日が正月の三が日と重なってしまい、1月4日が「仕事始め」となる。このため、年始に帰省先や旅行先から帰るUターンの選択肢が例年より狭くなり、1月2、3日にラッシュが集中する見通し。ちなみに2015年の年始は1月4日が日曜日だったので「仕事始め」は1月5日でUターンの選択肢が今回より広かった。
年末はラッシュが比較的分散する傾向にあるため、例年以上に「年始のUターンラッシュ」に注意する必要がありそうだ。
上り線は10キロ以上の渋滞が1月2日に39回、3日に37回
10キロ以上の渋滞予測状況を見ると、上り線では1月2日(土)に39回、1月3日(日)に37回でこの両日にラッシュが集中しているのが分かる。「どちらかというと、年末年始休暇の最終日にあたる1月3日は休養にあて、1月2日に移動する人の方がやや多い」(中日本高速道路)ようだ。
1月3日のUターンラッシュに巻き込まれると、疲れを持ち越したまま「仕事始め」を迎えることになる。
年末の渋滞は分散傾向、4日を休んで移動する工夫も……
下り線は12月27日(日)の6回や12月30日(水)の9回などにも比較的渋滞するが、やはり年始の1月2日(土)の18回や1月3日(日)の11回に渋滞が集中する見通し。ここでも「年始のUターンラッシュ」に注意する必要がある。
さすがに1月1日(金)はゆっくりしたいところなので、今回は1月4日(月)に休暇を取り、1月2、3日の移動をあえて外す工夫をするのも一考に値するかもしれない。一方、年末の移動については渋滞予測を見る限り、それほど心配する必要はなさそうだ。
最長は1月3日の大和TNで50キロ、2日は上下線8カ所で30キロ以上
具体的な渋滞箇所を紹介しよう。
30キロ以上の渋滞予測を見ると、年末だと12月30日(水)の下り線の東名・音羽蒲郡IC(インターチェンジ)の30キロだけ。残りはすべて年始の1月1、2、3日に集中している。
下り線では東名・音羽蒲郡IC、東名・大井松田IC、上り線では東名・大和TN(トンネル)、関越・高坂SA(サービスエリア)、東北・羽生PA(パーキングエリア)、東名・豊川IC、中国・宝塚西TN、九州・広川ICなど全国の「渋滞の名所」がズラリと顔をそろえる。
特に1月2日(土)は下り線で2カ所、上り線で6カ所で30キロ以上の渋滞が発生する見通し。全体の最長は1月3日(日)の上り線の東名・大和TNの50キロと予測。「50キロの渋滞予測は例年より一段と長い」(中日本高速道路)という。
同渋滞では通常だと約30分で通過できる区間がピーク時に約2時間もかかる見通しになっている。通常より4倍も時間がかかる計算だ。
年始の上り線、ピークは16~18時に集中
特に年始の上り線の渋滞のピーク時刻は16~18時に集中している。この時間帯を食事にあてて外すなどできるだけ不快な渋滞を避ける工夫をした方がいいかもしれない。
一覧表を見ると明らかだが、西日本より東日本の方が高速渋滞は深刻な傾向がある。特に巨大な人口を抱える首都圏への入り口にあたる東北自動車道、関越自動車道、東名高速の「渋滞の名所」を通過する人は注意が必要だ。
ちなみに、今年1月3日(土)に東名高速の静岡ICから東京ICまで高速道路を利用した場合、通常だと1時間43分ほどで到着するところ、同日静岡ICを渋滞が激しい16時に出発したら3時間26分もかかったという。
「ピーク時刻を外すだけでも移動時間をかなり節約できる」(高速道路各社)ので、今回は特に様々な工夫をしてみることをおすすめしたい。
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