日暮里・舎人ライナーで西新井大師に 「親方」も登場
あけましておめでとうございます。今年も「トレンド探検隊」はあちらこちらをぶらぶらするだけでなく、松本千恵記者ともどもギャグに磨きをかけます。読者のみなさまが大いに笑って1年を楽しくすごせるよう、内容の充実に努める所存です。
さて、2016年第1回は日暮里・舎人(とねり)ライナーに乗って西新井大師(東京・足立)にお参りします。渡良瀬渓谷(群馬県)、房総半島(千葉県)などこれまでの目的地に比べて近いのは、編集など諸々の準備を15年中に済まさねばならないうえ、スタッフのスケジュールを合わせて出かけられる範囲と日程が限られていたからです。テレビの正月番組と事情は同じです。お正月気分が出るように、紅白の衣装を選びました。
集合場所は日暮里駅。松本記者ら撮影隊は会社から車で向かったのに対して、筆者はJR山手線など電車を使いました。駅周辺は高層マンションなどが建ち並び、再開発が進んでいるのに驚きました。
東京都交通局が経営する日暮里・舎人ライナーは「新交通システム」と呼ばれる鉄道です。電気で走るのは電車と同じですが、車輪はゴムタイヤ。有明など臨海部を走る「ゆりかもめ」と同じです。バスよりも大量の乗客を運べるけれど、鉄道ほどの需要は見込めない、中規模の輸送に適しているといわれます。
都に撮影を申し込んだところ、乗客を運ぶ定期列車でなく、舎人公園駅近くにある車庫に向かう回送列車の提供を受けました。車内でお客様と触れ合う機会がないのは残念ですが、「貸切」も鉄道ファンにはたまりません。先頭車両は非常時の運転台が備えられているものの、通常は自動運転。つまり、最前列で「かぶりつき」、運転士になった気分を味わえます。最高時速は60キロ。全線が高架橋を走り、高い位置から街を眺められるのは気分爽快です。
08年の開業以来、毎年乗客が増えており、ラッシュ時の混雑もひどくなっています。開業前の沿線の交通アクセスは都バスが中心だったので、日暮里・舎人ライナーの開通が地域の発展に寄与したのは間違いありません。
都内有数の初詣スポット、西新井大師にお参りに行きましょう。正式な名前は総持寺です。年末の午後に撮影したので参道や境内は閑散としていますが、三が日は大混雑するはずです。筆者も6年前に家族でお参りしました。境内には露店も多く出ており、2歳だった娘に「ネズミさん」のお面をねだられて買いました。
参道には草団子で人気の「清水屋」「中田屋」が向かい合ってお店を出しています。どちらのお店も作りたてで柔らかく、あんもほどよい甘さ。小腹を満たすのにちょうどいい大きさです。一方のお店だけにお邪魔するのは不公平なので、松本記者が「清水屋」、筆者が「中田屋」と分担しました。
西新井大師には日暮里・舎人ライナーの西新井大師西駅からも歩いて行けますが、東武鉄道大師線の大師前駅からはまさに目の前と便利です。
ちなみに、大師前駅は切符の販売機も自動改札機もなく、切符を持たずに改札を通り抜けられます。切符は隣の西新井駅構内の乗り換え通路で購入します。初めての方は戸惑うかもしれません。
大師線はワンマン運転の2両編成が行ったり来たりするのどかな路線です。東武東上線の上板橋駅と結ぶ「西板線」として計画されて1931年(昭和6年)に開業したものの、全線開通は日の目を見なかったそうです。
後半の映像に収められた15年の回顧録は参道の一角にある「ひものばー とちあずま」をお借りして撮影しました。オーナーは元大関栃東の玉ノ井親方。玉ノ井部屋は西新井にあり、お店をオープンして6年になるそうです。
お刺身のカルパッチョ風、ハゼのから揚げなど大皿に盛られた料理はすべて「力士サイズ」。テーブルに並ぶと実に壮観です。玉ノ井部屋直伝の「鶏肉のつみれちゃんこ」は、ショウガの風味が食欲をそそり、体も温まります。締めのラーメンはもちもちした麺がスープによく絡みます。もっともロケ隊一番の「えびすこ」(角界で大食漢の意味)、伊藤謙太ディレクターは会社に戻ってからお団子を夜食に食べたそうです。
このような感じで今年も明るく、楽しく、激しく、じゃなくてユルく作ります。次回は2月半ばの公開予定です。お楽しみに。
(電子編集部 苅谷直政)
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