今年こそ読みたいマネー本 編集委員座談会

まずはリスクを理解すること

『「増やすより減らさない」老後のつくり方』(平山賢一著、講談社+α新書)

北沢:投資の方法はいろいろ考えた方がいい。あまりにもコスト、コストと言い過ぎる人がいるが、その前にリスクを考えようよと。で、アクティブ派の私のお薦めが、『「増やすより減らさない」老後のつくり方』(平山賢一著、講談社+α新書)。

アクティブ対インデックスといったって、期間によって違うじゃないかと。インフレの時代にはどうやらアクティブのほうがいいみたいよ、ということを実証的に書いている。同時に、老後の資産運用はリスクを一番に考えましょうといっている。

初心者はどう投資すればいいのかということも書いてある。これまでのモダンポートフォリオ理論って、いったん配分の割合を決めたらそれでいこうというものだけど、経済環境によって上がる資産、下がる資産あるんだから、景気の局面によって資産構成を変えようと。あと、例えば民放のニュース番組などのトップで、「きょうはこんなに日経平均が下がりました」みたいな報道をやっていたら株を買いましょうとか、初心者にも非常にわかりやすい話を書いている。

深田:米国にも「ビジネスウイーク」が株の特集をしたら売りだとかいう言い方がありますよね。

北沢:確かにそうだね。

深田:インデックス派とアクティブ派の論争は終わりましたでしょうか。

大ざっぱに投資したい人には

『ほったらかし投資術』(山崎元、水瀬ケンイチ著、朝日新聞出版社)

田村:反論というより、むしろお聞きしたい。日本株のリスクは単品で持っていたら2割だけど、現金とかMMFと合わせて持ってもいいし、債券と合わせてもってもいい。日本株単独で考えなくても、分散すればリスクを5とか10にできるのでそれでいいんじゃないでしょうか。

北沢:そう。でもそのバランスについて、個人でどこまでできるのだろうか。投資理論にたけた人たちは、自分のリスク許容度に合わせたポートフォリオを計算できると思うけど、一般の投資家がそれをできるのかというと、非常に難しいと思うんだよね。そうやってハードルを高くしてきたことが、日本で資産運用がなかなか広がらない原因になってきたのではないかな。

インデックス派みたいに理論武装してこういうポートフォリオでやりましょうという主張があるかと思えば、証券会社や銀行に薦められるがままに金融商品を買ってしまう人もいて両極端なんだよね。その間に、もっとゆるっとしてはいるけど、基本はしっかり押さえた資産運用というのもあっていいんじゃないか。もうちょっと普通の人ができる資産運用を考えてもいい。

清水:山崎元さんと水瀬ケンイチさんが、『ほったらかし投資術』(朝日新書)という本を出しているけど、これはなかなか面白かった。要するに、ある程度大ざっぱにやればいいんじゃないかと。

田村:あんまり難しく考えずに、まず安全資産とリスク資産の配分を決めて、リスク資産は日本株と外国株を半分ずつという感じで、だいたいベストの配分になるんじゃないかと。山崎元さんはインデックス派だけど、この本は北沢さんが言ったような問題意識を取り入れているのがいい。インデックス派って割と原理主義者も多いからな……。

北沢:運用の世界なんてもっと、のびのびといい加減なところがあっていいんじゃない? 先ほどの『ランダム・ウォーカー』もそうだけど、インデックス派の人たちって違う意見を徹底的にやっつけるよね。例えばテクニカルチャートを見るのは呪術師に頼むようなものだとか書いてあるけど、テクニカルはさておき、チャートは役に立つよ。過去の推移が全部わかるし、投資家の心理と行動が1本の線に凝縮されているわけでしょ。ローソク足には、その時々のマーケットの心理がつまってる。

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