マイナンバーの提示 勤務先や公共機関、証券でも

とうしろう 私も証券口座を持っているから、聞かれるのかな?

たいきち そうですね。来年から新規に証券口座を開く場合は、聞かれるのが普通です。例えばちょうど1月から口座開設受け付けが始まる未成年を対象にした少額投資非課税制度(ジュニアNISA)では必ず聞かれますよ。証券会社によっては年内から聞き取る例もあるようです。一方、既に開設済みの証券口座は聞き取りに約3年の猶予があります。多くの場合、来年から2018年末までに聞き取りされるでしょう。

にいさ 証券会社だけ?

たいきち 銀行でも投資信託や債券の取引口座を開いたり、海外送金したりする場合は番号を聞かれるよ。開設済みの口座に猶予があるのは証券口座と同じだね。預金口座は今のところ対象外だけど、18年以降は銀行から聞かれる見通しだよ。ただ預金口座については番号を聞かれても教えるかどうかは現在のルールでは任意だよ。

とうしろう ほかには?

たいきち 保険会社からも聞かれることがあります。一定額以上の生命保険金が支払われる時などですね。この場合、保険契約者と保険金受取人の番号が必要です。

にいさ 生保の契約者って、死亡保険金が出た時は亡くなっているんでしょ。死んだ人の番号まで聞くの?

たいきち うん。でも当然、亡くなった人からは直接聞けないから、保険金受取人など契約者の番号を知っている人から聞くんだ。誰かが亡くなって相続税が発生するなら、申告時に税務署にも番号を伝える可能性があるね。

りこ もともと税と社会保障の番号ですもんね。

たいきち 相続税だけでなく、所得税の確定申告などでも使います。税務署以外でも、例えば会社を辞めて雇用保険の手続きで離職票を提出する時はハローワークへ、国民健康保険に入るためには地方自治体へ、それぞれ通知します。自治体には児童手当の認定請求をするときなどにも番号を使います。

とうしろう あちこちで番号を使うなあ。すべて来年から一斉に始まるのかい。情報管理は大丈夫なのかな?

たいきち どこで、いつから使うかは様々です。情報管理の体制も大切なので、また今度説明しますね。

■番号取り扱い、細心の注意を
大和総研金融調査部制度調査担当部長 吉井一洋さん
マイナンバーを使う時は本人かどうかの確認が必要という原則をまず知っておきましょう。番号だけでは本人確認ができません。だから顔写真のない通知カードの場合、運転免許証などが必要です。こうした確認書類を使わず、軽々しくやりとりする番号ではありません。もし知らない人から「番号を教えて」という電話があれば詐欺の可能性を考えた方がいいでしょう。
契約している証券会社、保険会社から郵送で自分の番号と確認書類の提出を求められる場面も出てきます。この手続きに乗じて、金融機関などになりすます人がいないとも限りません。書類が届いたら提出目的を説明する文面や送り先の住所に不審な点がないかをチェックし、できれば顔なじみの金融機関担当者などにも正式な書類かを確認しておくと、より安心でしょう。(聞き手は堀大介)

[日本経済新聞朝刊2015年12月19日付]

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