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「森の宝石」モルフォチョウがやって来た

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NIKKEI STYLE

ナショナルジオグラフィック日本版

2015年のコスタリカは、エルニーニョ現象の影響で天候不順が続いている。カリブ海(大西洋)側は雨が多く、太平洋側は乾燥が激しい。ここモンテベルデの太平洋側も、雨季の終盤で例年なら雨が一番よく降る時期なのだが、2015年は雨が少ない。

そのせいか、森を歩くと季節外れの昆虫たちに出会う。テントウムシダマシが集まった塊や、コウモリのように集団で「寝床」につくチョウなど、どちらも乾季に目にするものだ。不思議さを感じられずにはいられない。

最近になってやっと雨らしい雨が降り始め、「森の宝石」モルフォチョウがたくさん家の周りを舞い始めた。3年続けての登場だ。家の前をスーッ、ヒラヒラ、ホワッホワッホワッと青い輝きを放ちながら、優雅かつ予想不可能な複雑な動きで飛んでいく。

このモルフォチョウは、ヘレノールモルフォ(Morpho helenor)と呼ばれる、コスタリカで一番よく目にする種。テレビなどで取り上げられたり、研究対象にされたりすることも多い。

ただしこのチョウは、常に青く輝いて見えるわけではない。青いのは翅(はね)の表側で、それが見えるのは翅を広げたときだけ。葉や地面などにとまると、たいてい翅は閉じられている。なので輝く青は見えないのである。翅の裏側はというと、目玉模様(眼状紋)が付いた枯れ葉のような色合いをしていて表に比べると地味だ。

先日も、玄関を開けて数歩足を進ませると、遠くの倒木の上に青く輝くものが見えた。翅を広げてとまっているモルフォチョウだ。撮影せねば。

日が照り始めると、こんどは倒木の上に止まり、翅を広げ、しばらく日向ぼっこをしていた。太陽光を翅いっぱいに浴びて、体温を上げ、活動するためのエネルギーを蓄えているのだろう。と思っていたら、突然パタッと翅を閉じた。またもや姿は目立たなくなった(下)。

そこへモルフォチョウがもう1匹やって来て、追いかけ合いが始まった。2匹が出会うと、よく追いかけ合いをしているところを目にする。

オス同士が出会うと、飛行スピードが増し、絡み合ったり、ジェットコースターのような激しい舞いになったりする。一方、オスとメスが出会ったときは、オスがメスの後を滑らかに追う感じだ。

こんな観察が手軽に家の周りでできるのには、理由がある。バイオロジカルステーションの庭に生えているグアバの果実が熟して地面に落ち、甘い香りを放っている。モルフォチョウたちは、この香りに引き寄せられるのにちがいない。

そこで、熟して落ちている実を割って、モルフォチョウの飛行経路近くの地面に置いてみた。すると、早速やって来た。

モルフォチョウは警戒心が強いので、汁を吸うのに夢中になっているときが近寄れるチャンスだ。物音を立てずに、そ~っと1メートルぐらいまで…。

でも食事中は翅を閉じていたため、モルフォブルーをじっくり間近に観察することはできなかった。たま~に翅をパッと一瞬広げるくらいだ。

モルフォブルーはゆっくり拝めない…だからなのか、コスタリカで昔から販売されている観光客向けの絵葉書の1枚に、翅を広げたヘレノールモルフォの写真があるのだが、それは針の刺さった標本を葉の上にのせて撮ったものなのだ(笑)。

西田賢司(にしだ けんじ)
1972年、大阪府生まれ。中学卒業後に米国へ渡り、大学で生物学を専攻する。1998年からコスタリカ大学でチョウやガの生態を主に研究。昆虫を見つける目のよさに定評があり、東南アジアやオーストラリア、中南米での調査も依頼される。現在は、コスタリカの大学や世界各国の研究機関から依頼を受けて、昆虫の調査やプロジェクトに携わっている。第5回「モンベル・チャレンジ・アワード」受賞。著書に『わっ! ヘンな虫 探検昆虫学者の珍虫ファイル』(徳間書店)など。
本人のホームページはhttp://www.kenjinishida.net/jp/indexjp.html

(日経ナショナル ジオグラフィック社)

[Webナショジオ 2015年11月10日付の記事を再構成]

(参考)「コスタリカ昆虫中心生活」が本になりました。生物多様性の国・中米コスタリカで、18年間にわたり昆虫と暮らしながら研究を続ける著者が、自ら撮影した写真と解説で、その不思議な魅力とすごさを伝えます。

ミラクル昆虫ワールド  コスタリカ

著者:西田 賢司 編集:ナショナル ジオグラフィック
出版:日経ナショナルジオグラフィック社
価格:1,944円(税込み)

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